セミナーで、あるいはビジネスの現場で、「あ、この人、私をコントロールしようとしているな」
そう感じる場面はありませんか?
日常の場面でも、様々な心理テクニックを駆使した感情のコントロールが行われています。
他者に騙されないためにも、できる限り多くの手法をあらかじめ知っておくことが重要です。
今回は【入門編】 3分で読めるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.エピソードトークの悪用に騙されるな!
私は自信が持てず、なかなか人前で話すことができませんでした。特に原因は肌が汚かったことですね。そこでたまたまネットで知った●●●●●を使ってみたところ、肌がめちゃくちゃ綺麗になったんですよ。そこからちょっとずつ自信が持てるようになって……。たまたま出かけたカフェで知り合ったのが今の主人なんです。奥様も●●●●●使ってみたらどうですか?私の紹介でしたら1万円でご案内できますよ。
いわゆるストーリーテリングです。エピソードトークはすべて●●●●●を売るための口実です。
過度な失敗体験や成功体験は、聞き手をコントロールするために語られることがあります。
投資詐欺でも「昔は私も貧乏だったんですが・・・・・・」というお涙頂戴話をする人が多いのはそのためです。
会社でも同様のケースがあります。
例えば、社員のモチベーションを高めるために、経営者が自社の成功物語を語ることがあります。
このような話は、社員に勇気ややる気を与え、共通の目標に向けて働くよう促すことができるという良い側面もあります。
一方、その物語が事実では無いケースも多く、社員をコントロールするためのでっちあげの可能性もあります。
詐欺的語り口への対策①
ポイントは、過剰なまでに失敗体験や成功体験がやたら出てきたら・・・・・・・
「あ、私をコントロールしようとしているんだな」と思うようにすることです。
疑いの目で話者を見てやりましょう。
2.権威の悪用、都合の良い数字利用に騙されるな!
この時計かっこいいですよね。SEIKOのシャリオって言うんですよ。あの有名なスティーブ・ジョブズが愛用したことで有名ですね。私もよくお客さんにすすめるんですが、9割以上のお客さんが満足してるって言ってくれています。あ、ちなみにこの時計、今日までセールなんですよ!今なら50%offです。お客さん、ラッキーですね!
いくつのテクニックが使われているかわかりますか?
まずは、「スティーブ・ジョブズ」
人々は権威的な人物による影響を受けやすい傾向にあります。
私も本を買うときに、帯に「ホリエモン推薦!」とか「ヒロユキ推薦!」とかあると、つい買ってしまいます。
企業がこぞって有名人をCMなど宣伝に起用するのは、権威の効果を期待しているからです。
【しくじり先生①】
投資詐欺でもよく使われる手法で、私もかつて詐欺で20万円ほど失った過去があります。その投資はマイケル・ジャクソン財団なるものがバックについているとかで、WWWLトークンという仮想通貨です。インフルエンサーがこぞって宣伝したのもあいまって、ものの見事に有料案件と信じ込んでしまいましたね。
次に、「9割以上のお客さん」という社会的証拠。
人々は、多くの人が同じ意見を持っている場合、つい従ってしまう傾向があります。
さらに、「今日まで」という期限。損失回避の原理を利用しています。
人々は、何かを失うことを恐れる傾向があります。
ある行動を取らなければ何かを失う可能性があるという認識を与えることで、人々をコントロールしようとしています。
これらも投資詐欺で使われる手法です。
【しくじり先生②】
投資、特に仮想通貨の詐欺でよくある手口として、偽のサイトに誘導してお金をウォレットから抜くというものがあります。実は私も投資初期の段階にひっかかりました。このときは20万円ぐらい失ってしまいました。私のケースだと、誘導先がテレグラムというアプリだったのですが、まずとんでも無い人数がコミュニティーに参加していました。あとで気づいたのですが、ほとんどがサクラでした。そこからさらに誘導された先に販売ページがあったのですが……そこには今現在99%以上が売れてしまっていること、セールの期限が1時間を切っていることがタイマー付きで表示されていました。どうしても欲しかった通貨だったので、焦った私は偽サイトとも気づかず、あえなく資産を失ってしまったのでした。
詐欺に限らず、例えばセミナーや説明会の類で、誇張された数字で扇動されるケースに会ったことはみなさんも1度はあるのではないでしょうか。
私もかつての職場で、「人を動かすのは数字」、「マーケティング上、都合の良い数字だけ出し、都合の悪い数字は隠せ」と指導されたことがあります。とんでもないことです。
詐欺的語り口への対策②
過度な権威や数字の提示には、「何か裏があるのかも・・・・・・」と考えることがときに重要です。
また「エビデンスはあるのか?」と、常に情報の根拠を調べることが重要です。
今回は以上です。みなさんはいくつのテクニックを見抜けたでしょうか?
人々をコントロールするための語り口は、まだまだたくさんあります。
初級編もお楽しみに!
参考:詐欺の悪用に使われやすい心理効果の記事など
詐欺で悪用されやすい心理現象の記事を以下に紹介します。
参考記事1:【悪用厳禁】ウィンザー効果の意味とビジネスでの応用例
参考記事2:【マーケティングの基本】勝ち馬に乗れ!バンドワゴン効果の意味と実例
参考記事3:【恋愛・ビジネスに使える?】フット・イン・ザ・ドアを正しく理解しないと逆効果
参考記事4:【恋愛・ビジネスに使える?】ドア・イン・ザ・フェイスを正しく理解しないと逆効果
参考記事5:【イエスセット】営業や恋愛に使えるらしい一貫性の原理の例とは?
参考記事6:【最低最悪の心理学的手法】ローボールテクニックとは?【居酒屋のキャッチ】
以下は、まとめ記事
参考記事7:【悪用厳禁】相手を惚れさせる恋愛心理学のせこい手口を公開【用語10選】
参考記事8:一貫性の原理:イエスセット、フット・イン・ザ・ドア、ローボールテクニック
以下は、人間に対してマイナス効果が働く心理効果に焦点を当てた有名実験の紹介です。
参考記事9:【意見が言えない原因とは?】同調圧力とアッシュの同調実験の考察
参考記事10:【仕事に悩むあなたへ】ミルグラム実験を理解してブラックな会社に対処しよう
コメント