【社会的促進と社会的抑制とは?】具体例をもとにわかりやすく解説

心理学の応用
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知りたガリお
知りたガリお

社会的促進と社会的抑制の意味を知りたい。
具体例や解決方法を知りたい。
社会的手抜きってなに?

そんなあなたに向けた記事です。

何か作業をしたいとき、カフェやファミレスなど、人が集まる環境の方が作業がはかどることはありませんか?

一方、人前でうまくプレゼンができない、そんな経験もあるのではないでしょうか。

他者の存在が私たちのパフォーマンスにどのように影響を与えるのか…

できる限り具体例を示しながら解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。

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✔本記事のテーマ

【社会的促進と社会的抑制とは?】具体例をもとにわかりやすく解説

✔本記事でわかること
  • 社会的促進と社会的抑制
    【意味と例/糸巻き実験とは?/社会的手抜きとは?/社会的抑制の対策】

社会的促進と社会的抑制

①社会的促進の意味と例

社会的促進とは、周囲に自分以外の人がいることで、パフォーマンスが高くなることを指す社会心理学の用語です。

社会的促進の例をいくつかあげてみましょう。

  • 家より、カフェや図書館で勉強した方がはかどる。
  • 子供部屋で勉強するより、リビングで勉強した方が子供の勉強がはかどる。
  • スポーツで観客の声援が励みとなり、パフォーマンスが上がる。
  • 観客の反応が励みとなり、ミュージシャンのライブパフォーマンスが上がる。
  • 文化祭や部活動で、仲間との共同作業によって熱心に物事に取り組むことができる。

②トリプレットの糸巻き実験

社会的促進の概念は、1898年にアメリカの心理学者であるノーマン・トリプレットによって最初に提案されました。

きっかけとなったのは、トリプレットが自転車レースを見ているときの発見でした。トリプレットは、競技者が単独で走るときより、他の競技者とレースをしているときの方が、計測タイムが短いことに気づきました。

ここから着想を得たトリプレットは、以下の糸巻き実験を行いました。

  • 釣り竿のリールを改造した糸巻きを2台用意した。
  • 被験者が単独で糸巻き作業をするときと、二人で糸巻き作業をするときの、巻取り時間を計測した。

結果は明らかでした。共同作業をする相手がいる状況では、被験者はより速く糸巻きをすることができました。

これらの現象を、アメリカの心理学者であるフロイド・オルポートは、「社会的促進」と名付けました。

③社会的抑制の意味と例/社会的手抜きとは?

社会的促進とは、周囲の人の影響でパフォーマンスが上がることです。

社会的促進の反対の意味を持つ言葉として、社会的抑制という言葉があります。

社会的抑制とは、周囲に自分以外の人がいることで、パフォーマンスが低くなることを指す社会心理学の用語です。

社会的抑制の例をいくつかあげてみましょう。

  • 周囲に人がいることで気が散って、作業に集中できない。
  • スピーチで聴衆の反応が気になり、うまく話すことができなかった。
  • スポーツで観客がいることで緊張し、パフォーマンスが低下した。
  • 学校の授業参観で、たくさんの親がいる光景に圧倒されて普段通りの振る舞いができなかった。
  • ライブパフォーマンスは聴衆がいる方がやりやすいが、音源収録は個室での方が集中しやすい。
補足:社会的手抜きとは?

社会的手抜きとは?

社会的抑制の一種として「社会的手抜き」という現象があります。

集団での作業では、個々のメンバーが他のメンバーに頼る傾向があるため、個人の責任感が分散されることがあります。

その結果、一人当たりの作業量が個人で行う場合よりも減ることがあります。

例えば綱引きにおいて、参加人数が増えれば増えるほど、一人当たりの力の入れ具合が減少するという研究結果もあります。

くわしくは以下の記事をご覧ください。

④社会的抑制はなぜ起きる?対策は?

会議内でのプレゼンを例にとってみましょう。

プレゼンに慣れている人は自信満々に話せるかもしれませんが、プレゼンに慣れていない人は緊張してしまい、うまく話せないかもしれません。

このように、習熟度が低い、過度に緊張する、自信がないときに、社会的抑制が起こることがあります。

特に評価に対する懸念があるとき、他者の存在がプレッシャーとなり、社会的抑制が起こりやすくなります。

また、高い集中力が必要な場面で社会的抑制が起こることがあります。

例えばゴルフでショットをするとき、必ず観客は静かになりますね。

プレーに集中するために社会的抑制が起こらない環境を一時的に作っているといえます。

これは、高い集中力が必要なときに、他者の存在がプレッシャーになる可能性があることを示唆しています。

特に周囲の目が気になる、神経質すぎる人ほど、社会的抑制が起こりやすいといえるでしょう。

また、単純作業は社会的促進が起こりやすく、複雑で頭を使う作業ほど社会的抑制が起こりやすくなります。さらに、勝手知ったる作業より、慣れていない未知の作業の方が社会的抑制が起こりやすくなります。

人によって異なると思いますが、ブログ記事を執筆するときに私は痛感します。

私の場合、ブログの記事構成に頭を悩ませているときは、個室など誰の視線も感じない場所のほうがはかどります。

一方、ネットサーフィンをしながらぼーっと情報収集する、画像やリンクをはるなどの単純作業はファミレスなどのほうがはかどります。

なので私がブログ執筆をする場合、社会的促進が起こりやすい作業と社会的抑制が起こりやすい作業で、環境を変えるようにしています。

社会的抑制の根底には、習熟度の低さによる自信の無さがあるはずです。

なので、フィードバックされることを積極的に受け入れ、成長の機会として捉えることが大切です。同時に、外部からの評価を気にしないことも重要です。

今回は以上です!

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