仕事の売り上げが上がらない、恋愛もうまくいかない。
フット・イン・ザ・ドアの意味は?
反対語のドア・イン・ザ・フェイスとの関連は?
そんなあなたに向けた記事です。
フット・イン・ザ・ドアは恋愛やビジネスに簡単に取り入れられる心理学テクニックとよくいわれます。
本記事では取り入れる際の注意点も解説しています。5分もかからずに読めると思うので、最後までお付き合いください。
✔本記事のテーマ
【恋愛・ビジネスに使える?】フット・イン・ザ・ドアで大きな成果を勝ち取れ【使える心理学】
✔本記事でわかること
- フット・イン・ザ・ドアとは?
- フット・イン・ザ・ドアの反対語は?
- フット・イン・ザ・ドアに関連する実験
- フット・イン・ザ・ドアの応用例と注意点
1.フット・イン・ザ・ドアとは?
フット・イン・ザ・ドアとは、最初に小さな要求を承諾させてから段々と要求を大きくしていき、最終的に目標である要求を承諾させる心理学的手法です。
この手法は、ビジネスやプライベートで使える心理学のテクニックとして知られており、行動心理学の一分野として研究されています。
具体的には、相手に小さな要求をすることで、その要求を受け入れた相手は、自分が協力的な人間であるという自己認識を持ちます。
そして、段階的に要求を大きくしていくことで、相手は自分が協力的な人間であることを確認するように、最終的な目標である要求も承諾してしまいます。
一度要求を受け入れたことで、次の要求が断りにくくなるということです。次の要求を断るということは、協力的な自分を否定することにつながるからです。
フット・イン・ザ・ドアの由来は、訪問販売員などがドアの間に足をはさんで「ちょっとお話だけでも…」というシーンをイメージしてください。
そこから、「ちょっとパンフレットだけでも…」、「アンケートだけでも…」、「この商品を手に取ってみて…」と、要求が大きくなっていくイメージです。
2.フット・イン・ザ・ドアの反対語は?
フット・イン・ザ・ドアは、ドア・イン・ザ・フェイスという心理学的手法と比較されることがあります。
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に大きな要求をしてわざと失敗した後に、小さな要求をすることで相手を誘導し、最終的な目標である要求を承諾させる手法です。
例えば、100万円の車を売りたい場合、150万円の車を紹介して断られたあと、「では、ちょっとお安いこちらの100万円の車はいかがでしょう?」といった具合です。
ドア・イン・ザ・フェイスについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。ビジネスや人間関係における活用例を紹介しています。
3.フット・イン・ザ・ドアに関連する実験
フット・イン・ザ・ドアに関する実験としては、1966年に行われたジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーの実験が有名です。
以下に、簡単に紹介します。
- カリフォルニアの住民を2つのグループに分ける。ここではAとBとする。
- グループAには「庭に安全運転を促す看板を設置させて欲しい」と依頼。
- グループBには「安全運転のステッカーを車に貼って欲しい」と依頼したあとに、看板設置を依頼。
- 看板設置の成功率は、グループAは約17%、グループBは約76%だった。
このように、目的の要求の前に小さな要求をするという段階をはさむことで、目的である大きな要求が通りやすくなります。
グループBの住民は、安全運転への協力を一度受け入れたので、看板設置の要求を断りづらかったという心理状態になっていたと推測されます。
4.フット・イン・ザ・ドアの応用例と注意点
ビジネスと人間関係の場面でのフット・イン・ザ・ドアの応用例を紹介します。
①ビジネスへの応用
新規の顧客を獲得するために、最初にその商品やサービスの小さなサンプルやトライアルを提供します。
その後、段々と商品の価格や購入数などを上げていくことで、顧客がより大きな商品を購入する可能性を高めることができます。
なお、要求と次の要求の差が大きすぎると効果は発動しません。
「ティッシュを貸してください」のあとに、「ついでに家を買ってください」は通用しないですよね。
要求と次の要求をうまいこと設定することが、フット・イン・ザ・ドアの効果を発動するために重要なことです。
「最初の1か月は無料!」などは、フット・イン・ザ・ドアを活用したPR手法の典型です。
②人間関係への応用
恋愛など人間関係において、最初に小さなお願いや相談をすることで、相手との信頼関係を構築し、段階的に距離を縮めていくことができます。
意中の相手をデートに誘う場面を想定してみましょう。
例えば、事前に電話の約束をして、承諾してもらった後、LINE交換でもしておき、おすすめのお店を聞いておいたり、勉強を教えてもらうなど、ハードルの低いお願いを最初に行います。
そして、徐々に要求を大きくしていくことで、最終的にデートに誘うことができます。
あ、あの…。そもそも電話番号の交換が無理なんですけど…。
その通りです。よく恋愛指南書でフット・イン・ザ・ドアのテクニックが紹介されていますが、相手がある程度好印象を持っていないと通用しないものがほとんどです。
同様によく紹介されるテクニックでザイアンス効果というものがあります。
ザイアンス効果は単純接触効果とも呼ばれ、接触回数が多ければ多いほど相手の印象が良くなるという心理効果です。
こちらも、そもそも相手にマイナス印象を持たれていると、非接触効果というマイナスの効果が働きます。
なので人間関係にこざかしいテクニックを持ち込む前に、まずは相手の印象を良くすることが重要です。
その方法が気になる方は以下の記事を参考にしてください。
ザイアンス効果の記事を読んでさらに打ちのめされた後、ハロー効果の記事を読むと良いと思います(笑)
最後に、フット・イン・ザ・ドアはビジネスや人間関係に活用することができますが、詐欺などの手口で悪用されることもあります。
訪問販売員の中には「トイレを借りる」ということをテクニックとしている者がいるそうです。
ここまで記事を読んだ方はどのような心理効果を狙ったか、もうわかりますね?
もしそういった場面に遭遇しても、断ると思いますし、そもそも家にあげないと思います。
このように、心理学を学ぶことは、自分を守ることにもつながるのです。
以下、心理学を詐欺に悪用する手口を記した記事を紹介します。上2つがそれにあたります。
また、倫理的に問題のある行動をとる人間の心理に焦点を当てたミルグラムの実験の記事もご一読ください。
今回は以上です。
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