仕事がうまくいかない、恋愛もうまくいかない……
ザイアンス効果を使えば仕事も恋愛もうまくいくって本当?
でも、落とし穴がきっとあるんだろうな~~
そんなあなたに向けた記事です。結論、落とし穴だらけです。
主に恋愛向けの心理学テクニックとしてあまりに有名になり過ぎたザイアンス効果(ザイオンス効果、単純接触効果)について解説します。
特に逆接触効果については理解しないと非常に危険です!5分程度で読めるので最後までお付き合いください。
✔本記事のテーマ
【恋愛・ビジネスに使える?】ザイアンス効果を正しく理解しないと逆効果です【使える心理学】
✔本記事でわかること
- ザイアンス効果とは?
- ザイアンス効果に関連する実験
- ザイアンス効果の応用方法
- 逆接触効果に注意
1.ザイアンス効果とは?
ザイアンス(ザイオンス)効果とは、相手と繰り返し接触することで自分に対しての評価が高まっていく心理効果のことです。
アメリカの心理学者であるロバート・ザイアンスが提唱した心理効果のことで、単純接触効果とも呼ばれます。
近所のお店でいつも見かける店員さんに親近感を覚え、ついそのお店にばかり通ってしまうなんてことはありませんか?
ある曲を初めて聴いたときは好みではなかったのに、何度も聴くうちに次第に好きになってきた経験はありませんか?
このように、何度か接触するうちに、見慣れた相手の存在が心地よく感じられ、それが好意的な感情や評価へとつながるのがザイアンス効果です。
この効果は、広告やマーケティングなどにも利用され、ブランドや製品を何度も目にすることで、消費者の好感度や購買意欲を高めることができます。
2.ザイアンス効果に関連する実験
ザイアンス効果に関連する実験を3つ紹介します。
実験①
- 被験者に何度も同じ人の顔写真を見せる実験を行った。
- 結果、顔写真を何度も見た被験者はその人物に対する好感度が高まった。
- しかし、接触回数が10回目以降は好感度の増加が見られなかった。
最後の一行はこの後のザイアンス効果の考察においてとても重要な示唆に富んでいます。頭の片隅に置いておいてください。
実験②
- 被験者に同じ言葉を何度も聞かせる実験を行った。
- 結果、同じ言葉を何度も聞かせられた被験者はその言葉に対する好感度が高まった。
- 繰り返し聞かせる時間が短い場合でも同様の結果が得られた。
つまりサブリミナル効果のような短時間の手法にも効果があるということかな?
実験③
- 孵化していないニワトリの卵を2つのグループに分け、2つの異なる音色を与えた。
- その後、それぞれのグループに2つの異なる音色を与え、孵化後にどちらの音色を好むかを調べた。
- 結果、最初に与えられた音色を好む傾向が見られた。
孵化していない段階で聞いた音色を好んだことから、音色そのものではなく接触回数によって孵化後の好みが生じたと考えられます。
2.ザイアンス効果の応用方法
ザイアンス効果の活用方法を人間関係、ビジネスそれぞれで紹介します。
①人間関係への応用
- 接触回数を増やすことで、その人との関係性を深めることができる。
- 同僚とランチをともにする、同じイベントに参加するなど。
- すれ違うときに挨拶をするなど簡単な方法も効果的。
- パートナーとの関係性を深めたいときは、お互いの写真を自分のデスクやスマートフォンの画面など目につく場所に置いておく。
- 初対面では良い印象を与える。笑顔で接する、相手の名前を覚えて呼びかける、共通の話題を見つけるなど。
最後の一行はこの後のザイアンス効果の考察においてとても重要な示唆に富んでいます。頭の片隅に置いておいてください。
②ビジネスへの応用
- マーケティングキャンペーンを通じて、ブランドを積極的に露出させ、消費者に何度も接触させることで、ブランド認知度を向上させる。
- テレビCMやYouTube広告、SNS広告など、視覚的訴求を活用した広告を作成する。生活に溶け込むような広告が効果的。
- リピート購入を促進する施策を積極的に実施する。リピート購入に対する割引やポイント還元などのサービスを提供する。
ここまでの内容を念頭に、次の章ではザイアンス効果の注意点を解説します。
ここからが本題と言えます。
3.逆接触効果に注意
例えば、amazonでの商品購入、googleでの検索。とても使いやすく感じ、何度も何度も利用してしまいますよね。これは、ザイアンス効果がうまく活用されているからです。
ザイアンス効果が最もうまく活用された企業の一つにapple社があげられるでしょう。
読者の中には iPhoneやiPadのファンで、必要がないのについ新作を買ってしまった人もいるのではないでしょうか。
一方、ネットサーフィンをしているときに頻繁に表示される広告、youtube再生中に頻繁に表示される広告にうんざりしたことはないでしょうか?
また、いつもの職場やサークルで顔を合わせる苦手な人にうんざりしていないでしょうか?
このように、マイナスな印象を抱く人・物に対しては接触回数が増えれば増えるほど印象が悪くなっていきます。これを逆接触効果といいます。
ザイアンス効果を活用したい場合、逆接触効果に陥らないよう注意が必要です。
よく恋愛向けの心理学テクニックとしてザイアンス効果が紹介されます。この例をもとに、逆接触効果に陥らないための注意点を解説します。
①最初にマイナス印象を与えない
恋愛指南書に好きな人との接触回数を増やせって書いてあったぞ!偶然を装って接触回数を増やそう!よし、待ち伏せだ!
そもそもあなたは相手に好意を持たれているのでしょうか。マイナスな印象を最初から持たれている場合、もはや相手にはストーカーにしか映りません。
巻末に、最初の印象によって与える影響を解説したハロー効果に関する記事を載せておきますので、こちらもご確認ください。
②過度な接触回数を避ける
くっそ~、全然好きな相手が振り向いてくれないぞ!よし、もっともっと話しかけるか!よし、待ち伏せだ!
もはや……(以下、省略)
ザイアンス効果は10回以上の繰り返しで効果が薄れるとされています。また、逆接触効果が発生している場合は、1回の接触でも相手に不快感を与えます。
その場合は距離を近づけるのではなく距離を遠ざけ、印象の回復にすべてを注ぐ必要があります。
今のあなたが嫌われているわけですから、今の自分とは真逆の振る舞いをすることをおすすめします。
とはいえ、自分を偽ってまで相手に好かれても長続きしないと思いますけどね。
以上、恋愛をもとに解説しましたが、ビジネスの世界でもまったく同じような逆接触効果が発生するリスクがあります。
逆接触効果を発生させないことで、あなたのビジネスでのパフォーマンスを最大限に発揮してください。
以下、ザイアンス効果との組み合わせで人間関係やビジネスに好影響をもたらす心理現象を紹介します。
よろしければそちらもご確認ください。
印象をよくしたい:ハロー効果
参考記事:人は見た目が9割?ビジネスマンが知っておきたいハロー効果について
第三者を活用したい:ウィンザー効果
参考記事:【悪用厳禁】ウィンザー効果の意味とビジネスでの応用例
弱さを強みにしたい:アンダードッグ効果
参考記事:【ビジネス応用】アンダードッグ効果で自分の弱さを強みに変える
多数派の効用を活用したい:バンドワゴン効果
参考記事:【マーケティングの基本】勝ち馬に乗れ!バンドワゴン効果の意味と実例
コメント