カリギュラ効果の逆の意味の用語:命令されるとやりたくなくなる心理学7選

心理学の応用
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しか馬男

カリギュラ効果の逆の意味の用語を知りたい!

そんなあなたに向けた記事です。

ダチョウ倶楽部の「押すなよ、絶対に押すなよ!」や、鶴の恩返しの「絶対に中を覗かないで下さい」のように、禁止されるとやりたくなってしまうのが人間の性(さが)。

このような心理現象を、カリギュラ効果といいます。禁止や制限をかけられると、逆にそのことに興味や欲求を持ってしまう心理現象のことです。

それでは、カリギュラ効果の逆の意味を持つ心理学用語はあるのでしょうか。

本記事ではカリギュラ効果の逆の意味を持つ心理学用語の候補を7つ紹介します。

✔本記事のテーマ

カリギュラ効果の逆の意味の用語:命令されるとやりたくなくなる心理学7選

✔本記事でわかること

【カリギュラ効果の逆】心理的リアクタンス/ブーメラン効果/認知的不協和/自己決定感・自己肯定感・ピグマリオン効果・ホーソン効果の阻害

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カリギュラ効果の逆の意味を持つ用語候補7選

1.心理的リアクタンス

カリギュラ効果の逆の意味を持つ用語として最も意見が多いのは心理的リアクタンスです。

心理的リアクタンスとは、人が自由を制限されたときに、それに抵抗しようとする性質を指す心理学の概念です。

勉強を強制されたことに反発する子供の気持ちを表すときによく引用される心理学用語です。

上司に仕事を早く片付けろと言われてやる気がなくなるケースなども心理的リアクタンスが関係しています。

早いペースを強要されることで自由が侵害され、結果、だらだらするという反発的な行動につながります。

カリギュラ効果のように「やるなと言われたらやりたくなる」ケースも、制限をされたことに対しての反応です。

したがって、カリギュラ効果は心理的リアクタンスの一種であると考えるのが妥当です。

つまり、心理的リアクタンスはカリギュラ効果の逆ではないです。

2.ブーメラン効果

ブーメラン効果は経済学、刑法学、心理学によって意味が異なります。

心理学においては、説得されると意見を変えたくなる大衆心理を説明するために使われることが多いです。

例えば男女平等の意見を持っている人が、政治家の男女平等を支持する街頭演説を聞いたことが原因で、むしろ男女平等に否定的な意見を持つようになってしまったなどです。

投票を決めていたのに「清き一票をお願いします」と言われたことで、投票する気がなくなるなどもブーメラン効果の一例です。

その他、勉強が将来のために大事であるとわかっている生徒が、先生に「勉強は大事だ!」と改めて言われることで、かえって勉強に対してマイナス発言をするなどもあります。

「勉強をやろうと思っていたのに、親に勉強を命令されたためにやりたくなくなった」というケースで引用されることがある言葉です。

カリギュラ効果同様、心理的リアクタンスの一種です。

3.認知的不協和

認知的不協和とは、複数の認知に矛盾を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学の用語です。

例えば、以下のようなケースがあります。

お酒は体に悪いから禁酒したい。でも、お酒無しでは人と話せないから不安だ。

この場合、禁酒したい自分とお酒を飲みたい自分が混在しています。このように認知的不協和が生じている場合、それによる不快感を解消する方向に人は行動する傾向があります。

「お酒は体に悪いから禁酒したい。」を「少しぐらいならお酒を飲んでも大丈夫」などと考えてしまうと禁酒失敗となります。

勉強をしようと思っていたのに親に命令されてやる気がなくなってしまった子供を例にとって説明してみます。

勉強をしようと思っていたということは、文字通り「勉強をしようと思っている自分」がいるわけです。

一方、勉強を命令されるということは、「勉強を実際にしていない自分」がいるわけです。

往々にして人間は楽な方向に流されるので、「勉強をしようと思っている自分」を、「親のせいでやる気がなくなった自分」に置き換えることで、認知的不協和を簡単に解消することができます。

結果的に、子供が勉強をやらなくなってしまいました。

4.自己決定感の阻害

心理学者のデシによる自己決定理論というものがあります。

自己決定理論は、外発的動機づけと内発的動機づけの関係を理論化したものです。

簡単に説明すると、報酬や罰などの外発的動機づけではなく、自己決定による内発的動機づけがやる気につながるという考えです。

自己決定理論に関連した心理効果として有名なものに、アンダーマイニング効果というものがあります。

絵を描くのが大好きな少年が、褒美を与えられた途端にやる気がなくなり、以降、褒美がなければ絵を描かなくなってしまったなどがアンダーマイニング効果の悪い例です。

このように、「自分で決めた」ということが阻害されることで、人のやる気やモチベーションが低下してしまうことがあるのです。

5.自己肯定感の阻害

命令されることで、自己効力感や自己決定感が阻害されることがあります。

中島輝氏の提唱する自己決定感の6つの感は以下の通りです。

  1. 自尊感情 …自分には価値があると思える感覚
  2. 自己受容感…ありのままの自分を認める感覚
  3. 自己効力感…自分にはできると思える感覚
  4. 自己信頼感…自分を信じられる感覚
  5. 自己決定感…自分で決定できるという感覚
  6. 自己有用感…自分は何かの役になっているという感覚

自己肯定感については以下の記事などをご覧ください。

6.ピグマリオン効果の阻害/ゴーレム効果

ピグマリオン効果とは、他者の期待によって成果が向上するという心理現象です。

例えば勉強や仕事を命令される場合、相手にあまり期待や信頼をされているとは言えません。

つまり命令をされると、ピグマリオン効果の前提となる「期待」の部分が阻害されるということになります。

なお、ピグマリオン効果の反対語にゴーレム効果というものがあります。

低い期待によって成果が下がるというものです。

ピグマリオン効果やゴーレム効果については以下の記事などをご覧ください。

7.ホーソン効果の阻害

ホーソン効果とは、特別な扱いを受けることで生産性が向上する心理現象を指します。

ピグマリオン効果と共通点が多いホーソン効果ですが、ピグマリオン効果のように上下関係の制約を受けないところが大きな違いです。

くわしくは以下の記事をご覧ください。

ホーソン効果には様々な意味合いがありますが、環境における生産性の影響についても言及しています。

命令されることで人間関係などに影響が生じ、結果的にやる気が下がったと考えることもできます。

8.まとめ

「禁止されるとやりたくなる」、「命令されるとやりたくなくなる」のが人間というもの。

これらは心理的リアクタンスによってある程度説明することができます。

心理的リアクタンスの一つにカリギュラ効果があり、本来の疑問である「カリギュラ効果の逆は何か?」という問いになる回答を述べて終わりたいと思います。

私の見解では、「自己決定感の阻害」が最も近いのではないかと考えています。少なくとも「心理的リアクタンス」では無いですね。

今回はここまでです。

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