ピグマリオン効果の欠点と嘘:7つの批判的視点

心理学の応用
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知りたガリお
 

ピグマリオン効果の欠点や注意点を知りたい。
ピグマリオン効果はなぜ嘘と言われることがあるの?
ピグマリオン効果が批判されやすいのはなぜ?

そんなあなたの疑問にお答えします。

ピグマリオン効果とは、他者からかけられた期待によって成果が出るという心理現象です。

ピグマリオン効果に関するローゼンタールの有名な実験があるので紹介します。

とある小学校で、教師に今後伸びるであろう能力の高い生徒の名簿を渡しました。

すると教師はその生徒に期待し、熱心に指導をしました。生徒はその教師の期待に応えようとし、結果的に成績の向上が見られたというものでした。

ピグマリオン効果は他者を望む方向に導くための心理学のテクニックとしてよく語られ、実際にビジネスや教育の現場で応用されてきました。

しかしその多くはピグマリオン効果を正しく理解しているとは言えず、「褒める教育」程度に思われていることもあります。

また、押しつけにつながったり相手の手抜きにつながったりと、ピグマリオン効果の欠点が多くあります。

批判や誤謬をふくめ、いくつかの問題点を解説していきます。まずは、そもそもローゼンタールの実験に信憑性があるのかというところから話を始めていきます。

✔本記事のテーマ

ピグマリオン効果の欠点と嘘:7つの批判的視点

✔本記事でわかること

ローゼンタールの実験の信憑性/期待の定義/主体性の欠落/不快感や不信感/手抜きの元凶/批判の原因/注意点など

✔ピグマリオン効果の記事一覧

ピグマリオン効果の欠点と嘘

1.ローゼンタールの実験に信憑性がないとの批判

ピグマリオン効果の根拠となるローゼンタールの実験ですが、再現性が低い実験であるとされています。

つまり同様の実験をしても実験者によって結果が異なるという批判です。

また、実験に参加した教師は名簿をきちんと見ておらず、生徒の名前もほとんど覚えていなかったとされています。

これは、実験で生徒の成績が上がったのはたまたまではないかという批判でもあります。

これらが「ピグマリオン効果は嘘」といわれる理由です。

2.期待の定義があいまい

期待をかけると相手の成果が上がるとされているのがピグマリオン効果ですが、期待の定義がはっきりとしていません。

苦手を克服する程度の期待なのか、困難なものにチャレンジして欲しいという大きな期待なのか。はたまた、理想の大学に入って欲しい、望みどおりに育って欲しいなどの押しつけや願望に近い期待なのか。

このように、期待に対する解釈は様々です。ローゼンタールの実験では教師の期待が生徒の成果を上げたと結論付けられていますが、この期待と我々がイメージする期待が一致しているわけではないのです。

3.ただの教育者の態度に過ぎない

生徒の可能性を信じ、生徒に期待を込めて熱心に指導する。これは教育者として当然の態度であり、何か見返りを求めるような代物ではないという批判もあります。

4.主体性が失われる

期待をかけることで相手の行動が変わるというものですから、教師からのアプローチによって生徒が学習を行うといった方向性があります。

そのため、生徒が自ら動機づけを行って自主的に学習する機会が失われるのではないかとの批判があります。

5.期待の押しつけに過ぎない

こちらの期待が相手が望んでいる期待ではない場合があります。

この問題は、ピグマリオン効果を子育てに導入するケースで起きがちです。

親は子供に勉強のできる子になって欲しい。しかし、子供はそんなことを望んでいない。

親は勉強に期待しているからテストの点で評価する。しかし、子供は勉強以外のこと、例えば課外活動や良好な友人関係などで評価されたい。

こんなすれ違いが起きがちです。

6.褒め過ぎて相手が手を抜く問題

相手が大して努力をしていないのに成果が出ていない場合、褒め過ぎることで相手が手を抜く恐れがあります。

現状に満足する、慢心するということです。

もしかすると表面だけで褒めていることが見抜かれているのかもしれません。

また、結果が出ない相手をほめ続けても自尊心だけが肥大し、ただのナルシストになるだけという批判意見もあります。

7.褒め方が悪くて相手に不快感を与える問題

褒める内容が嘘である場合、褒め方が過剰である場合、相手に不信感や不快感を与える恐れがあります。

ピグマリオン効果においては褒め方が重要で、能力ではなく行動を、成果が出たらすぐに具体的に褒めるのがよいとされています。

8.パワハラ・モラハラにつながる危険性

上司から部下に対する期待を例にとってみましょう。

上司が高い期待を込め、高すぎる目標設定を部下にしたとします。

もし部下に能力がない場合、目標設定は過剰な要求と映り、部下の意欲はなくなってしまうことでしょう。

場合よってはパワハラやモラハラと捉えられるかもしれません。

相手の能力や家庭状況などの背景に配慮する必要があります。

9.なぜピグマリオン効果の欠点が現れるのか

まず考えられる原因として、ピグマリオン効果に対する不理解が考えられます。

ローゼンタールの実験が正しいとすると、教師の高い期待が直接的に生徒に成果を与えたわけではありません

教師が生徒の能力を信じたために教師の行動に変化が現れ、それが生徒に影響を与えたのです

なので、相手への期待が本心であることが前提です。

ところが、なぜだが相手へ表面的に期待の言葉をかけることがピグマリオン効果であると曲解されることがあります。

褒めることがピグマリオン効果であると誤解しているケースや、「豚もおだてりゃ木も登る」ぐらいに思われているケースもあるのです。

本来的には、ピグマリオン効果は無意識的な認知バイアスです。

意識して「期待しなきゃ」「褒めなきゃ」と思っている時点で、効果は望めないのです。

10.ピグマリオン効果を活用するために

ここまでピグマリオン効果に関する批判的な内容を述べてきましたが、これらを知ることで活用方法の一端が見えてきます。

まずは、本心の期待を相手にかける。つまり、嘘の期待をしないということが前提です。

また、こちらの期待が相手の望む期待であるのか、真剣に考えることも重要です。

さらに、褒める場合は褒め過ぎに注意したり、行動を褒めるなど褒め方を工夫する必要があります。

心理学を適切に使うことで、人間関係がより良い方向に導かれていくでしょう。

今回はここまでです。

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