【計算ができる動物】賢馬ハンスが示すクレバーハンス効果効果とは?

心理学の応用
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知りたガリお
知りたガリお

動物を用いた心理学の実験を知りたい。
賢馬ハンスやクレバーハンス効果について知りたい。
ピグマリオン効果やホーソン効果との関連を知りたい。

そんなあなたに向けた記事です。

19世紀末のドイツで、計算ができるという天才的な馬が現れました。

信じられないようなこの現象。しかしそこには、非常に興味深いカラクリがありました。

今回の記事は5分以内で読めます。人間に応用できる心理効果も最後に紹介しています。

ぜひ最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

【計算ができる動物】賢馬ハンスが示すクレバーハンス効果効果とは?

✔本記事でわかること

【賢馬ハンスとクレバーハンス効果】賢馬ハンスとは/計算のカラクリ/クレバーハンス効果の事例/実験者効果/ピグマリオン効果・ホーソン効果

賢馬ハンスとクレバーハンス効果

1.賢馬ハンスとは?

19世紀末のドイツで天才と称された馬が現れました。

その賢馬はハンスの愛称で親しまれていました。

ハンスは人間の言葉が理解でき、四則演算もできるとされていたのです。

具体的には、飼い主が出した計算問題に対し、蹄で地面を打ち付ける回数で答えを示すことができました。

実際にその行動を示すショーは幾度となく行われ、ハンスが正解をするたびにショーは大きな盛り上がりを見せていました。

一方で、ショーそのものの信憑性を疑う声もあり、「イカサマ」であるとの意見が多く上がることになりました。

1904年、ドイツの哲学者であり心理学者であるカール・シュトゥンプらが「ハンス委員会」を結成し、ハンスの行動の調査を行いました。

調査によりハンス能力に誤謬は見当たらず、「イカサマ」ではないというお墨付きが与えられました。

しかし、ハンスが飼い主の動きを察知して問題に回答しているのではないかとの指摘が入り、すぐに再調査が行われました。

2.ハンスはなぜ計算ができたのか?

ハンスの一連の行動のメカニズムは、『りこうなハンス』の著者でもある心理学者のオスカー・フングストらによって解明されました。1907年のことでした。

フングストはハンスに対し、以下の検証を行いました。

  • 出題者を飼い主ではない人物にした。
  • 出題者が計算問題の答えを知っている場合とそうでない場合のそれぞれで出題した。
  • ハンスから出題者が見える条件と見えない条件で出題した。

結果、出題者が答えを知っていてハンスから出題者が見える場合は約90%の正解率でしたが、そうでない場合は10%にも満たない正解率になりました。

これにより、以下のことが示されました。

  • ハンスが正解するためには、質問者が答えを知っている必要がある。
  • ハンスが正解するためには、質問者が見える必要がある。
  • 質問者は飼い主である必要はない。
  • つまり、必ずしも飼い主によるイカサマではないと考えられる。

また、ハンスが正解するとき、質問者には以下の様子が見られました。

  • 馬が蹄で地面をたたく回数が正解に近づくと、質問者の体勢や表情がこわばり、緊張の様子が見られた。
  • 馬が正解の回数をたたいたとき、質問者の緊張が解放される様子が見られた。

これらの結果より、ハンスは周囲の雰囲気を敏感に察知することに長けた馬であり、計算ができるわけではないことがわかりました。

なお、飼い主はハンスが正解を導くカラクリに気づいていなかったため、実際に計算できると考えていたようです。

これらの検証により計算ができないことが発覚したハンスでしたが、飼い主は気にすることなくショーを開催し続けました。

その後、飼い主を転々としながらショーを続行したようですが、1916年を最後にその記録は途絶えているとのことです。

3.クレバーハンス効果とは?

ハンスの例のように、動物が周囲の人間の様子を察知することで行動が変化し、結果をゆがめてしまうような現象をクレバーハンス効果といいます

この現象は警察犬の臭気鑑定などで見られます。ある手がかりを警察が探すときに、警察犬の嗅覚を利用する方法は広く知られています。

しかし、警察犬が捜査者の様子に影響を受けて臭気鑑定を正しく行わず、冤罪を生み出す危険性が指摘されてます。

4.実験者効果とは?

ハンスの例と同様の現象は、人間でも見られることがあります。

実験者が意図せず被験者の行動に影響を及ぼしてしまうことを、実験者効果といいます。

また、観察されることによって行動が変化してしまうことを、観察者効果といいます。

これらに関連する心理学効果には、ピグマリオン効果とホーソン効果があります。

ピグマリオン効果とは、他者の高い期待によりパフォーマンスが上がる心理効果です。

教師が生徒を優秀だと信じた場合、実際に生徒の成績が向上しやすい傾向にあるなどがピグマリオン効果の代表例です。

ちなみにピグマリオン効果の逆の現象がゴーレム効果です。他者の低い期待によってパフォーマンスが下がるという効果があります。

ホーソン効果とは、特別な扱いを受けることで生産性が向上する現象を指します。職場の環境や休憩時間といった物理的な労働条件より、人間関係などの方が生産性に良い影響を及ぼすことが、関連実験で示されています。

以下にこれらの心理効果の詳細記事を載せておきますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。今回は以上です!

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