スキナー箱の実験って何?
オペラント条件付けが難しすぎて理解できない。
試行錯誤学習って何?洞察学習との違いは?
そんなあなたに向けた記事です。オペラント条件付けの理論ははっきりいって難しいです。
できる限り単純化して解説してみました。きっと概要を理解できるはずです。
とりあえず②の項目までは頑張って読み進めてみてください。
✔本記事のテーマ
【スキナー箱のネズミ実験】オペラント条件付けの例をわかりやすく解説【面白い心理学】
✔本記事でわかること
- スキナー箱の実験とオペラント条件付け
【実験概要/オペラント条件付けと古典的条件付けとの比較】
スキナー箱の実験とオペラント条件付け
①スキナー箱の実験とは?
スキナー箱の実験とは、心理学者であるB.F.スキナーが開発した実験装置を用いて行われる学習実験です。スキナーはオペラント条件付けという学習理論を体系化したことで知られています。
スキナーは動物の行動を研究し、その中でも特にネズミや鳩といった動物を用いて実験を行いました。彼の実験装置であるスキナー箱は、閉じられた箱の中に動物を入れ、動物が特定の行動を行った場合に報酬や罰を与えることができる仕組みが備わっています。
実験では、ネズミが特定のレバーを押すとエサが出るようなっていて、ネズミがレバーを押す頻度を増やしていく様子が観察されました。
スキナーはこの実験によって、動物が報酬を得るために行動を変化させることや、刺激と行動の結びつきが学習に影響を与えることを示しました。
スキナーの研究は行動主義心理学の基礎となり、人間の学習や行動形成における理解に大きな影響を与えています。その影響は、教育や臨床心理学などの分野にも広がっています。
そのため、スキナーの実験は、現代の心理学においても重要な研究の一つとされています。
②オペラント条件付けとは?
オペラント条件付けは、動物が報酬や罰に適応し、自発的に行動をするように学習することです。
ソーンダイクの試行錯誤学習を源流とし、スキナーによって体系立てられた学習理論です。
オペラント条件付けは以下の4つの要素があります。好子は報酬、嫌子は罰のことです。
正の強化…好子(報酬)出現により、行動が増える。
負の強化…嫌子(罰)消失により、行動が増える。
正の弱化…嫌子(罰)出現により、行動が減る。
負の弱化…好子(報酬)消失により、行動が減る。
よくわからないですよね?少し単純化して説明してみますね。
強化
まず、強化は行動が増える、弱化は行動が減ると考えるとわかりやすいです。
強化、つまり行動が増えるということは、報酬をもらうか、罰がなくなるということです。
また、「正」はもらう、「負」はなくなると考えるとわかりやすいです。
つまり、強化においては、「正」は報酬をもらう、「負」は罰がなくなるということです。
これをもとに具体例を示します。
- 正の強化…おやつをもらえるから勉強を頑張る。
- 負の強化…宿題が免除されるから授業をちゃんと聞く。
例えば、レバーを引いたらエサをもらえる、レバーを引いたら電気ショックがなくなるという2種類の実験があるとします。
- 正の強化…エサがもらえるからレバーを引く。
- 負の強化…電気ショックがなくなるからレバーを引く。
ということです。
同じように正の弱化と負の弱化についても見ていきましょう。
弱化
まず、強化は行動が増える、弱化は行動が減ると考えます。
弱化、つまり行動が減るということは、罰を受けるか、報酬がなくなるということです。
また、「正」はもらう、「負」はなくなると考えます。
つまり、弱化においては、「正」は罰を受ける、「負」は報酬がなくなるということです。
これをもとに具体例を示します。
- 正の弱化…怒られるからゲームをやらなくなる。
- 負の弱化…デザートをもらえないから食事を残さなくなる。
心理学の用語を用いて説明するとわかりにくいですが、単純化すると理解しやすいかもしれません。
- 良いことが起きる、悪いことがなくなる→行動する
- 悪いことが起きる、良いことがなくなる→行動をやめる
要はこういうことです。
③古典的条件付けとの比較
オペラント条件付けと古典的条件付けは、学習のプロセスや結果においていくつかの違いがあります。
これまた難しい内容になりますので、まずは以下のようなイメージを持ってから読み進めると理解しやすいと思います。
- 古典的条件付け…無意識的な行動(反射)が対象。
- オペラント条件付け…自発的な行動に焦点を当てた。自発的な行動についての理論ゆえ、影響は広範に及ぶ。
刺激と反応の関係か、行動と結果の関係か
古典的条件付けでは、無条件刺激と条件刺激の関連付けに焦点を当てます。つまり、無条件刺激によって条件刺激が引き起こされ、反応が生じます。
パブロフの犬の実験で説明します。
本来唾液分泌を促すものではない中性刺激である鈴の音が、唾液分泌を促すエサという無条件刺激によって条件刺激になります。
以降、条件刺激となった鈴の音を聞くと、犬の唾液の分泌量が増えます。
けっこう難しい内容ですよね。よくわからない方は、より詳しく書いてある以下の記事をご覧ください。対応する用語同士を色分けしてていねいに説明しています。
一方、オペラント条件付けでは、行動とその結果の関連付けに焦点を当てます。個体が特定の行動を実行した場合に報酬または罰が与えられ、それによって行動の増加または減少が引き起こされます。
反射的な応答か、自発的な行動か
古典的条件付けでは、反射的な応答に注視します。無条件刺激に対して生じる反応、例えば唾液の分泌は、個体の意識的な意思決定によるものではありません。
一方、オペラント条件付けでは、自発的な行動が重要です。個体は特定の行動を選択し、その行動が報酬をもたらすか罰を回避するかなどの結果を通じて学習を行います。
また、オペラント条件付けは古典的条件付けより応用範囲が広いことがあげられます。例えば、動物の訓練、教育の場での学習、行動療法などに活用されています。
以下、相手の行動に影響を与える心理学の記事を紹介しますので、興味があるものがありましたら、ぜひそちらも読んでみてください。今回は以上です!
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