【やらせ?捏造?】スタンフォード監獄実験をわかりやすく解説【面白い心理学】

心理学の応用
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知りたガリお
知りたガリお

スタンフォード監獄実験について詳しく知りたい。
BCC監獄実験、ミルグラム(アイヒマン)実験、アッシュの同調実験など関連する実験を知りたい。

そんなあなたに向けた記事です。

スタンフォード監獄実験の解説のほか、その信憑性に待ったをかけるBCC監獄実験などを解説していきます。

5分あれば読めますので、ぜひ最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

【やらせ?捏造?】スタンフォード監獄実験をわかりやすく解説【面白い心理学】

✔本記事でわかること
  • スタンフォード監獄実験とは?
    【概要、目的/実験内容/ミルグラム実験/BCC監獄実験/アッシュの同調実験(参考)】

スタンフォード監獄実験とは?

①実験概要と目的

スタンフォード監獄実験は、1971年にスタンフォード大学の社会心理学者フィリップ・ジンバルドーが主導し、21人の健康で精神的に安定している男性を参加者として行われました。

実験は、スタンフォード大学の地下実験室を改装した偽の刑務所内で行われました。参加者は健康診断を受け、精神的に安定していることが確認された後、「看守グループ」と「囚人グループ」に分けられました。

そして、被験者がどのような行動をするのか、2週間に渡って24時間体制で観察する予定で実験が開始されました。

この実験は、人々が与えられた権力によってどのように行動するかを検証するために行われました。実験後、看守役はより看守らしく、囚人役はより囚人らしく振る舞うといったように、人々が与えられた役割によって行動を変化させることが証明されたとジンバルドーは主張しました。

それでは実験を詳しく見ていきましょう。

②実験経過

実験は以下のような経過をたどりました。

  • 健康な70名より21名を選び、11名の看守グループと10名の囚人グループに分けた。
  • 囚人役のリアリティーを追求するためにパトカーで逮捕し、指紋採取なども行った。また、看守の前で脱衣してみすぼらしいかっこうに着替えさせ、トイレに行くときは目隠しをさせる、足には金属製の錠付きの鎖をつけるなど屈辱的な扱いをした。
  • 看守役は自発的に囚人役に罰を与えるようになった。例えば反抗的な囚人は独居房に監禁する、バケツに排便させるなど、行動はエスカレートしていった。
  • 囚人役の中に精神に異常をきたすものが現れ、一人、また一人と、囚人役が実験から離脱していった。
  • 看守役の行動はますますエスカレートしていき、ついには禁止されていた暴力を振るう者も現れた。
  • 実験をカウンセリングしている牧師の助言により、実験はわずか6日間で中止された。しかし、一部の看守役からは実験続行の訴えがあった。

③ミルグラム実験との関連

スタンフォード監獄実験により、人々が権利に服従するとき、理性によるコントロールを失い、非人道的な行動をとることがわかりました。

スタンフォード監獄実験は、ミルグラム実験に関連する実験の一つであるとされています。

ミルグラム実験は、社会心理学者スタンリー・ミルグラムによって1960年代に実施された、なぜ人々が権威者の命令に従い、他人に対して倫理的に問題のある行動をしてしまうのかを確かめた実験です。

この実験は、教師役である被験者が命令に従って生徒役に電気ショックを与えるかどうかを観察するという形式で行われ、65%もの被験者が最大である450ボルトの電気ショックを相手に与えるという衝撃的な結果になりました。

以下、ミルグラム実験の関連記事です。職場で起きがちな非倫理的な行動に発展させる形で解説しています。自薦の用心棒、斉一性の原理、グループシンクまで四記事に渡って掘り下げています。

④スタンフォード監獄実験の信憑性とBCC監獄実験

実験から数年後、スタンフォード大学より公開された実験の録音テープによって、看守役へ具体的な指導が行われていたことが明らかになりました。これにより、看守の行動が自発的なものではないとみなされるようになってしまいました。また、「発狂している振りをしていた」、「映画を真似て看守役の行動をした」などの証言が被験者から続きました。さらに、類似実験の多くで異なる結果が得られるなど、スタンフォード監獄実験そのものの信頼性が問われる事態となりました。

類似実験で有名なものとして、BCC監獄実験というものがあります。以下がBCC監獄実験の内容です。

  • 参加者を5名の看守グループと10名の囚人グループに分けた。
  • 刑務所内での待遇は圧倒的に看守役の方がよく、囚人役は冷遇された。
  • 看守役は看守の役割をほとんど果たさなかった。実験を疑問視したり、囚人役にこっそり食事を与えたりするなど、囚人を統制するような行動はほとんど見られなかった。
  • 囚人役には看守への昇進のチャンスが与えられていたが、そのチャンスがなくなったとアナウンスされると、囚人役は一致団結して看守役を妨害する行動をとるようになった。
  • 囚人役ではなく看守役の方が実験に耐えられず、実験からの離脱が相次いだ。

BCC監獄実験は2002年にテレビ放送もされ、大きな反響を呼びました。スタンフォード監獄実験と全く異なる結果になったことがわかりますね。

スタンフォード監獄実験は信憑性の疑いから捏造とみなされる意見も多くあります。しかし、多くの映画、テレビ、小説の題材になるなど、非常に多くの媒体で引用されています。そのため、現在でも心理学の中では最も有名な実験の一つになっています。

今回は以上です!

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