【集団思考の罠】グループシンクが起きています、部下が困っています!【使える心理学】

心理学の応用
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困リーマン
困リーマン

チームの生産性が上がらない、チームが失敗ばかりする。
集団思考、集団浅慮、グループシンクについて知りたい。

そんなあなたに向けた記事です。

本記事の後半ではビジネス向けの考察を書いています。

グループシンクの問題点を解決するのは上司の役割です。

なので、今回の記事は、部下を持つ立場の人にこそ読んで欲しい内容です。5分あれば読めますので、最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

【集団思考の罠】グループシンクが起きています、部下が困っています!【使える心理学】

✔本記事でわかること

  1. グループシンクとは?
  2. ピッグス湾事件に見るグループシンク
  3. グループシンクの症状7つ
  4. グループシンクの原因5つ
  5. グループシンクの対策3つ

1.グループシンクとは?

グループシンクとは、集団で合意を行った結果、合理性に欠く意思決定がなされることで、時に危険な行動を引き起こすことがあります。

イメージとしては、「三人寄れば文殊の知恵」と逆のことが起こると考えるとわかりやすいです。

グループシンクは集団思考や集団浅慮と訳されますが、ネガティブな印象を持つ言葉であることから、後者の言葉の方がより適切といえます。

2.ピッグス湾事件に見るグループシンク

1961年にアメリカ中央情報局(CIA)がキューバのフィデル・カストロ政権を打倒するために、亡命キューバ人を訓練して、彼らを武装してキューバに侵攻させる計画を立てました。

しかし、この作戦は大失敗し、アメリカ合衆国は国際的に批判されました。事件は、米ソ冷戦の激化の一因となり、キューバとアメリカの関係は長年にわたって緊張を続けました。

ピッグス湾事件の失敗にはいくつかの要因がありましたが、他国侵攻の負のイメージを抑えるために空軍を出動させなかった、キューバの反カストロ派の武装蜂起を根拠なく期待したなど、様々な杜撰な軍事計画が散見されました。

作戦の失敗を裏付ける根拠は多数報告されていたようですが、ケネディ政権は聞き入れなかったとされています。

アメリカの心理学者であるアーヴィング・ジャニスは、ケネディ政権下におけるこの意思決定のプロセスを研究し、グループシンクという考え方を提唱しました。

3.グループシンクの症状7つ

ジャニスが考えたグループシンクの症状には以下のようなものがあります。これらが複雑に絡み合い、稚拙な意思決定が行われます。

①同調圧力

他人の意見や行動に合わせようとする心理的な圧力が生じます。多数派に意見が流されるなどが典型です。

②意見の放棄

波風が立たないように自分の意見を放棄するようになります。

③表面上の意見の一致

表面上はある意見に同意しているようで、内心は反対しているという状態のことです。

④圧力をかける人物

反対意見に対して圧力をかける人物が現れます。

⑤自信過剰による楽観主義

自分たちが優れていて完璧であると思い込んでしまいます。

⑥道徳性の欠如

理念や大義を優先することで、道徳や倫理を無視します。

⑦周囲の過小評価

他人の意見やアドバイスを軽視します。これにより、リスクが過小評価され、都合の悪い情報が遮断されます。

✔参考記事

これらに関連する有名な実験に関する記事を2つ以下に載せました。

アッシュの同調実験は同調圧力に関して、ミルグラム実験は人々が非道徳的な行動をする理由に関しての実験です。

どちらも有名な実験で、本記事の理解が深まります。ぜひ読んでみてください。

4.グループシンクの原因5つ

ジャニス曰く、グループシンクの原因は5つに分類できるようです。

①高い集団凝集性

良く言うと結束力が高い、悪く言うと集団への依存度が強いということ。活発な議論が起こらず組織が硬直化しやすくなります。

②孤立した状況

外部からの情報が遮断され、客観的な判断ができなくなります。

③権威の存在

一人の強いリーダーが存在する場合、反対意見が言いづらくなってしまいます。

④過度のストレス

ストレスから逃れたいために、結論を出すことだけが優先されてしまいます。ノルマのために手段を選ばなくなるなどが典型です。

⑤利害の発生

自分に有利になることを優先してしまい、検討が不十分になってしまいます。

これらをもとに1986年に起きたスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故の背景を見ていきましょう。

  • 関係者は長期間に渡り苦楽をともにしていたため、強い仲間意識が芽生えていた。
  • 事故を起こした部品を製造した会社からの危険性の指摘は無視された。
  • トラブル続きで2回も発射が延期され、計画中止の可能性があった。
  • NASAは関係者全員のOKサインを発射の条件としていた。

いかがでしょう。グループシンクに陥る環境にあったことが理解できるのではないでしょうか。

✔参考記事

なお、全員一致の場面で議論の余地がなく特定の方向性に物事が進んでしまうことがあります。

これを、斉一性の原理といいます。以下に詳しい記事を載せましたので、よろしければご覧ください。

5.グループシンクの対策3つ

グループシンクは例えば職場でも起きる可能性があります。そこで、以下に対策を紹介します。

①リーダーの意識改革

リーダーが強すぎる場合、周囲が意見を言いづらくなるため、中立的な立場が必要になります。

例えば、会議では司会役に徹する、権限移譲を行うなどを行いましょう。

②意見しやすい環境の構築

少数派の意見、立場が低い人間の意見も尊重しましょう。

また、会議を少人数制にするなど、意見交換がしやすい状況を作りましょう。

個人面談をする、アンケートを取るなども良いでしょう。

③反対意見の取り入れ

意識的に反対意見を取り入れるようにしましょう。

例えば会議のときに反対役を数名設定する方法が考えられます。

また、外部機関に依頼して社内の問題点を洗い出してもらうのも良いでしょう。

✔参考記事

以下に、部下を持つ立場の人に読んで欲しい記事を4つ載せましたので、よろしければこちらもご覧ください。

今回は以上です!

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