クレショフ効果とモンタージュ理論とは?
クレショフ効果はどのように映画やCMに使われている?
そんなあなたに向けた記事です。
今回は3分あれば読めるように短めにまとめてみました。本記事を読んだ後に関連項目を詳しく調べてみると良いでしょう!
✔本記事のテーマ
【クレショフ効果とは?】モンタージュ理論、映画、CMとの関連を紹介!
✔本記事でわかること
クレショフ効果とは/モンタージュ理論・認知バイアスとの関係/由来・実験/CMでの応用例など
クレショフ効果に関する3分で読めるまとめ記事
1.クレショフ効果とは?
クレショフ効果とは、映像から受ける印象が、前後の映像によって変化する現象です。
次の写真を見てください。
この男性はおいしそうな料理を喜んでいるような印象を受けます。
次の写真はどうでしょう。
この男性はお金が大好きな印象を受けます。
次の2つの写真を左→右と見てからストーリーを考えてみましょう。
孤独な女性が素敵な男性と出会って幸せになった。こんなところでしょうか。
次の2つの写真だとどうでしょう。同じように左→右と見てからストーリーを考えてください。
結婚した男女が別れ、悲嘆にくれる女性。こんな感じですかね。
このように、同時に見た他の映像や映像の前後関係によって、受け取る印象が変わるのがクレショフ効果なのです。
2.クレショフ効果とモンタージュ理論の関係
クレショフ効果は、複数の映像を組み合わせることで新しい意味が生まれるというモンタージュ理論の一つです。
モンタージュは映画用語で、視点の異なる複数のカットを組み合わせて用いる技法のことです。
モンタージュ理論が考案された1920年ごろは、無声映画が一般でした。
ですから、映像の組み合わせによって効果的にストーリーを観客に伝える必要があったのです。
3.クレショフ効果と認知バイアスの関係
クレショフ効果は認知バイアスの一例です。
認知バイアスとは、先入観や周辺情報によって物事の判断が非合理的になる心理現象のことです。
4.クレショフ効果の名前の由来
ソビエト連邦の映画監督レフ・ウラジミロヴィチ・クレショフ氏に由来します。
クレショフ氏の行った実験
以下は1922年に全ロシア映画大学で行われた実験の概要です。
- クレショフは俳優であるイワン・モジューヒンの無表情な映像とともに次の①~③の映像を見せた。
①:スープの入った皿 ②:棺の中の女の子 ③:横になる女性 - この映像を観た観客に、モジューヒンがどのような感情であったか感想を求めた。
- ①では空腹、②では悲しみ、③では欲望を感じたと印象を持つ傾向が見られた。
モジューヒンと①~③の映像は本来関係はありません。
しかし、①~③の印象によってモジューヒンの感情に対する印象が変化しました。
↓youtubeで実際の映像が確認できます。↓
5.クレショフ効果とCMなど広告への応用
消費者に特定のイメージを植え付けるために、クレショフ効果はCMなどの広告でよく活用されています。
よく例に出されるのはユニクロのCMです。
ユニクロのCMでは異なる人種、異なる性別、異なる年代のたくさんの人々が登場します。
これにより、ユニクロにハッピーなイメージや様々な人種や年齢層、性別に愛されるイメージなどが構築されます。
企業イメージとして平和で非差別的な印象を与えることに成功しています。
このように、広告は消費者にイメージを植え付けるためにクレショフ効果などの心理効果を多用します。
人間が持つ印象は、ちょっとした周辺情報によって変化してしまうことを知っているからですね。
逆にいうと、ちょっとした悪い印象によってイメージダウンすることがあります。
なので一緒に映るわずかな映像にも気を払う必要があるわけです。
以下、印象に変化を与える心理効果やマーケティングで使われることがある心理効果を解説した記事です。気になるものがあればぜひ読んでみてください。
今回はここまでです。
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