【意図せざる結果とは?】コブラ効果など具体例7選【資本主義、差別、働き方改革…】

心理学の応用
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知りたガリお
 

意図せざる結果とは?
具体例を知りたい。
コブラ効果って何?

そんなあなたに向けた記事です。

意図せざる結果とは、個人の行動が積み重なった結果、意図していなかった想定外の結果が起こるという現象のことです。

社会心理学限定の用語ではありませんが、社会科学全般で使われる用語で、アメリカの社会学者であるロバート・キング・マートンによって広められました。

意図せざる結果の事例をいくつか見ていきましょう。

✔本記事のテーマ

【意図せざる結果とは?】コブラ効果など具体例7選【資本主義、差別、働き方改革…】

✔本記事でわかること

【意図せざる結果の事例7選】コブラ効果/ウェーバーの主張/煙草の健康被害/コロナ禍でもなくならない満員電車/働き方改革の失敗/ヤンバルクイナの減少/人種差別問題

意図せざる結果の事例7選

1.コブラ効果

イギリスの植民地だったころのインドのお話。

当時インドを統治していたイギリスのインド総督府は、コブラによる人的被害を減らすために、コブラを持ち込めば報酬を与えるとしていました。

結果、報酬目的にコブラを大量繁殖する者が後を絶たず、むしろコブラの数が増えてしまうことになりました。

2.ウェーバーの主張

ドイツの社会学者であるマックス・ウェーバーは、プロテスタントの禁欲的な生活が「意図せざる結果」として資本主義を生み出したと考えました。

プロテスタントの分派のカルヴァン派は、神の救済対象であるという確信を得るために、禁欲的な労働を行いました。

カルヴァン派は堕落や娯楽を罪と考え、労働に励みました。

神に救済されるための勤勉な労働は正しい行為と認識されていたため、労働を天職と考えたカルヴァン派は、利益を追求しました。

この行為が結果的に伝統主義的な考えを淘汰するに至りました。

3.煙草の健康被害

煙草の税率を上げたことで、健康被害がむしろ増えることがあります。

煙草の税率を上げると、消費量が減ることは想像がつきます。

煙草の税率が上がると、煙草1本あたりの金額が上がるからです。

しかし、ニコチンをより多く含む銘柄に切り替える人が現れたり、煙草を根本ぎりぎりまで吸うといったような危険な吸い方をする人が増えます。

これにより、煙草1本あたりのニコチンやタールの摂取量が増えてしまいます。

4.コロナ禍でもなくならない満員電車

コロナ禍の真っただ中、不要不急の外出が呼びかけられました。

しかし、通勤ラッシュの時間はいつも通りの満員電車ということも多かったのではないでしょうか。

終身雇用への幻想、ミスが許されない社会など、日本型の労働に対する思想が会社に縛られる人の数を増やしてきました。

結果、リモートワークへの切り替えが思ったように進まず、労働する時間帯に柔軟ではない会社も多くあったことから、コロナ禍でさえ満員電車が解消されることはありませんでした。

5.働き方改革の失敗

働き方改革の失敗の最たる例は、残業問題ではないでしょうか。

労働者を守るために行われた労働管理により、残業時間の減少、結果、給与が大幅に減ったという労働者が多く現れました。

労働時間の短縮によるコミュニケーションの低下、労働環境の変化に対応できない従業員のストレスの増加など、働き方改革がうまくいかなかったケースは枚挙にいとまがありません。

6.ヤンバルクイナの減少

沖縄本島北部の固有種であるヤンバルクイナ。随分とその数は減ってしまい、絶滅危惧種に指定されています。

沖縄の一部の地域には、毒蛇のハブが多数生息しています。ハブへの人的被害が甚大であったため、1910年にインドから17頭のマングースがハブ駆除のために沖縄県に放たれました。

しかし人間の意図に反し、マングースはハブではなく家畜やヤンバルクイナを捕食してしまったのです。

ハブの駆除を目的として流入したわずか17頭のマングースが、意図せざる結果としてヤンバルクイナを絶滅危惧へと追いやってしまったのです。

7.人種差別問題

アメリカで問題となっている黒人差別問題の一部は、「黒人がスト破りをする」という偏見によって生まれたとされています。

スト破りとはストライキを破るということです。ストライキとは、労働組合全体で仕事を放棄し、雇用者に圧力をかけるという抗議手段です。

ストライキは誰かが裏切ると効果がなくなります。つまり、労働組合員にとってのスト破りは迷惑な存在なわけです。

ここで、「黒人がスト破りをする」という偏見が生じるとどのようなことが起きるでしょうか。

労働組合は迷惑な黒人を排斥することになります。

労働組合から排斥された黒人は、まともな職に就けなくなります。結果、労働者不足の雇用者に雇われることにより、黒人は職を確保します。

これにより、黒人がスト破りに加担したという事実が生じてしまいました。こうしてさらなる黒人への偏見が生まれ、やがて差別意識が作り上げられていったのです。

今回は意図せざる結果についていくつかの事例をもとに考察しました。

みなさんも「こんなはずはなかったはずなのに…」という事例が身近にあるのではないでしょうか。

ぜひ身近な事例をもとに、意図せざる結果について考察してみてください。

以下、社会心理学に関連する記事をいくつか載せておきます。興味があるものがありましたら、ぜひ読んでみてください。

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