ネームレター効果とは?
例を知りたい!
注意点を知りたい!
そんなあなたに向けた記事です。
自分の名前が入ったキャラクターや製品など、ついつい愛着を感じてしまうことがあります。
相手に名前で呼ばれると、うれしいこともあります。
これらの心理効果を狙って、ビジネスや恋愛などの人間関係でも使われがちなネームレター効果ですが、マイナス面を理解しないとむしろ相手に嫌われます。
本記事は5分もかからず読めると思いますので、ぜひ最後の注意点までお読みください。
✔本記事のテーマ
【ネームレター効果とは?】このテクニックを使う場合は注意が必要です。
✔本記事でわかること
ネームレター効果とは/ネームレター効果が働くメカニズム/関連する心理現象/注意点など
ネームレター効果は正しく理解しないとむしろ相手に嫌われます
1.ネームレター効果とは?
ネームレター効果は、自分の名前に似ている物に好意を示す心理学的な現象です。
例えばあなたの名前が「松本たかし」だとします。
すると、松本城、松本人志、松たか子、マツキヨ、鷹(タカ)などの類似、あるいは一部が一致したキーワードに愛着を示すことがあります。
また、無意識に自分の頭文字である「ま」から始まる言葉を好んだり、自分のイニシャル「M.T」と同じものを好んだりすることもあります。
ひらがな五十音すべてに点数をつけるテストで、人々は自分の名前にふくまれるひらがなには高い得点をつける傾向にあるという有名な実験があります。
このように、自分に関連する情報に好意を示すのが、ネームレター効果なのです。
2.ネームレター効果が働く心理とは?
ネームレター効果の応用の基本はネームコーリングです。
例えば「おはよう!」というより、「松本さん、おはよう!」といった方が相手が良い気分になるというものです。
頼みごとをするときは相手の名前を入れたほうが効果的といわれることもあります。
「コピーとって!」より、「松本さん、コピーとって!」の方が良いということです。
これらのケースではどのような心理が働いているのでしょうか。
①返報性の原理
返報性の原理とは、他人の好意に対してお返しをしなくてはならないという心理現象です。
ネームレター効果では、以下のように返報性の原理が働くと考えられます。
- 相手に名前を何度か呼ばれる。
- 相手は自分に親近感など好意を感じていると考える。
- 受け取った好意を相手に返さなくてはいけないと感じる。
- こちらも好意的な感情を抱く。
返報性の原理といえばドア・イン・ザ・フェイステクニックです。
あわせて以下の記事もチェックしてみてください。
②承認欲求や自己肯定感
相手に名前を読んでもらうことで、自己のアイデンティティが確かめられます。
これにより、承認欲求が満たされたり自己肯定感が高まったりします。
「松本たかし」さんが「松本」の入った言葉に愛着を示す場合では、もし愛着を示さなければ「松本」を否定することになる。
つまり、自己否定につながる。これを回避するために「松本」の入った言葉を無意識的に肯定する。
このようなメカニズムが働いていると考えられます。
自己肯定感に関しては以下にたくさん記事がありますので、気になるものがあれば読んでみてください。
③一貫性の原理
一たび自分の名前に類似する言葉を好むと、一貫性を保つためにその他の類似用語を好むしかないといったことも考えられます。
一貫性の原理については、以下のまとめ記事をご覧ください。活用ではなく悪用されるケースもあるので注意が必要です。
④単純接触効果
単純接触効果とは、繰り返し接触することで興味や関心が高まるという心理現象です。ザイアンス効果ともいいます。
馴染みのコンビニの店員さんに好意を抱いたり、毎日聞く音楽が気づいたら好きになったりするなどです。
繰り返し相手の名前を呼ぶことで、相手に好意を抱かせるというテクニックとして応用されることがあります。
3.ネームレター効果と類似する現象
①子供の名前
親が子供の名前に自分の名前の一部を入れる傾向にある。これもネームレター効果の一つと考えることができます。
ネームレター効果は自分が好む言葉に関連する物を好むという側面もありますので、キラキラネームなども一例と考えられます。
例えばガンダム好きの親が、子供の名前を「厳惰夢」にするなどです。
②誕生日の数字に反応
ネームレター効果を自分に関する情報を好むことであると拡大すると、自分の誕生日など関連する数字に反応することも例として挙げられます。
例えば自分の誕生日が「5月29日」だとすると、「肉」というキーワードに反応したり、時計が「5:29」を示したときに反応するなどです。
4.ネームレター効果の注意点
ネームレター効果はビジネスや恋愛などの人間関係で活用できるとする意見が多いです。
例えばセミナーで、突然ターゲットの名前を呼び掛けると、その人に強烈なインパクトを植え付けることができるなどです。
くだらない恋愛指南本でも、頻繁に相手の名前を呼んだ方が距離感が縮まるから良いとしているものが多いです。
よく紹介される内容は以下です。
- ファーストネームで呼んだ方が効果的。
- 話しかける最初に名前を呼んだ方がよい。
- 会話の途中でもさりげなく名前を呼んだ方がよい。
- メールやlineでも意識して相手の名前を入れるようにする。
などです。これらを真に受けるとどのようなことが起こるでしょうか。以下、例を示します。
ゆう子ちゃん、おはよう!
お、おはよう⤵
(いきなり下の名前で呼んできた、きんもー)
今日ね、ゆう子ちゃん、おいしいカレーライスが食べられる店を見つけたんだよ、ゆう子ちゃん。明日、ゆう子ちゃん、食べにゆう子ちゃん?
ごねーん、明日予定があるの⤵
(どんだけゆう子ちゃん連呼すんだよ、恋愛マニュアルに頼ってんのバレバレ…)
このように、撃沈してしまいます。
当たり前のことですが、相手との距離感が重要です。
相手が好意を抱いていない場合、逆効果になります。
例えばあなたの名前が「黒川さん」だとしたときに、「クロちゃん」に嫌悪感を示してしまう。
このように、ネームレター効果がマイナスに働く可能性を知っておく必要があります。
相手の第一印象を意識する場合はハロー効果の理解が重要です。以下の記事を参考にしてみてください。
また、相手の名前を連呼し過ぎると馴れ馴れしく思われたり失礼に思われたりするので注意が必要です。
要は、活用するなら不自然にならないようにしましょうねということです。
今回はここまでです。
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