【面白い】バンデューラのボボ人形の実験と社会的学習理論、自己効力感を理解する【心理学】

心理学の応用
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知りたガリお
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バンデューラのボボ人形の実験とは?
社会的学習理論ってなに?自己効力感ってなに?
面白い心理学の実験を知りたい!

そんなあなたに向けた記事です。

ボボ人形の実験に関して、①~④に分けて解説しています。

③、④に関しては解説が小難しくなっているので、簡単に内容をつかみたい方は、囲み内「簡単解説」だけ読んでいただいても大丈夫です!

今回の記事は5分以内で読めますので最後までお付き合いください。実際の実験映像もありますよ!

✔本記事のテーマ

【面白い】バンデューラのボボ人形の実験と社会的学習理論、自己効力感を理解する【心理学】

✔本記事でわかること

・ボボ人形の実験とは?
 実験概要/バンデューラについて/社会的学習理論/自己効力感と自己肯定感の違い

ボボ人形の実験とは?

①ボボ人形の実験の概要

20世紀、21世紀を代表する心理学者であるアルバート・バンデューラは、1961年に行った「ボボ人形の実験」で、子供たちの学習や行動の形成において、社会的モデルが与える影響を調査しました。

この実験は、3〜6歳の幼児30名を対象に行われました。実験概要は以下の通りです。

  • 子供たちは2つのグループに分けられた。
  • 1つのグループには、大人がボボ人形(おきあがりこぼしのような人形)に対して殴る、蹴る、叩きつけるなどの攻撃的な行動を与える様子を見せた。
  • その後、子供たちはボボ人形と一緒に遊ぶことができる環境に置かれた。
  • 実験の目的は、子供たちが見たモデルの行動を模倣するかどうかを観察することだった。
  • 結果、攻撃的な行動を見た子どもたちはそうでない子供たちと比べ、攻撃的な行動をする傾向が高かったことが明らかになった。

この実験は、社会的モデルが子供たちの行動に与える影響を示すものであり、また、子供たちが他者の行動を模倣することを示すものでもありました。

また、子供たちに対して攻撃的な行動を見せることが、彼らの攻撃的な行動を助長させる可能性があることを示しました。

バンデューラのボボ人形実験

このように、社会的モデルが子供たちに与える影響は、日常でも見られます。

例えば攻撃的な親や教師の影響で、子供たちが攻撃的になる傾向があるとされています。

また、いじめが容認される環境では、いじめが増長する傾向にあるとされています。

さらに、メディアの影響も重要です。テレビ番組や映画、インターネットなどで見た暴力的なシーンは、子供たちの行動に悪影響を与えることがあります。

社会的モデルの影響は子供たちが生活する環境によって様々ですが、子供たちの行動や価値観に悪影響を与える恐れがあることに注意をする必要があります。

②アルバート・バンデューラとは?

アルバート・バンデューラ(Albert Bandura)は、カナダ人の心理学者で、「社会的学習理論」の創始者の一人として知られています。バンデューラは、社会的モデルの学習が人間の行動に及ぼす影響を詳しく研究しました。

従来の学習理論が、学習する個体(人間や動物)自身の実際の経験を前提としていたのに対し、学習が他の個体の行動を観察することによっても成り立つことを実証し、新たな理論づけを行いました。
※イメージとしては、「やったからできる」が学習理論、「やってないけどできる」がバンデューラが実証したかったこと。

バンデューラは、スタンフォード大学で学び、その後同大学の教授となりました。バンデューラは多くの著作を出版し、数多くの賞を受賞しています。彼の業績の一つには、1977年に出版された『社会学習理論』があります。この本は、社会心理学の基礎的なテキストとして、広く教育現場で使われています。また、1990年代には「自己効力感」の概念を提唱し、社会学および教育学に大きく影響を与えました。

③社会的学習理論とは? ※簡単解説あり

社会的学習理論は、人が社会的な環境を観察することで、新たな行動を獲得するという理論です。行動理論や認知理論から発展し、人間の行動や思考をより複雑に捉え、社会的要因を取り入れた理論です。

行動理論は、人が刺激に応じて反応する、つまり強化によって学習するという考え方を基礎としています。

例えば、悪い状況が起きた理由は不適切な学習、あるいは未学習の状態に原因があるという考えです。

しかし、このような理論では人間の行動を単純化しすぎているという批判がありました。

そこで、社会的学習理論は、社会的な要因を含めた行動の理解を試みました。具体的には、社会的モデルから学ぶことで、自己の行動を形成するということを強調しました。

また、認知理論は、人間の思考や判断を中心に扱う理論です。認知理論は、人が問題解決や意思決定をするときに、問題や状況を評価し、それに基づいて行動を選択するというプロセスを重視しています。社会的学習理論は、認知理論の影響を受けて、社会的な要因を加味した意思決定や問題解決のプロセスを研究しました。

社会的学習理論は、社会的モデルからの学習や、報酬や罰による学習など、さまざまな学習プロセスを考慮しています。また、バンデューラは、後に自己効力感という概念を導入し、人が自己の行動をコントロールし、変化させる能力についての研究に発展しました。

簡単解説
  • バンデューラは社会的学習理論を、行動理論から発展させました。
  • 例えば悪い状況が起きたとき、行動理論では不適切な学習および未学習の状態が理由であると考えました。これはすなわち、誰かが教えなければ学習しないといったことを端的に示しています。
  • 一方、社会的学習理論は、周囲の観察によって学習する可能性を示唆しました。
  • めちゃくちゃざっくりと説明すると、体験しないと学習しないと考えたのが行動理論の一部の側面であり、体験をしなくても観察によって学習できると考えたのが社会的学習理論ということです。
    ※イメージは「やったからできる」と「やってないけどできる」の違いです。

④自己効力感と自己肯定感の違いとは? ※簡単解説あり

自己効力感と自己肯定感は、似たような概念ではありますが、異なる意味を持っています。

自己効力感とは、目標達成に必要な能力を持っているという信念のことを指します。すなわち、あるタスクを達成するための自己能力の見積もりが正確であるという自己信念です。自己能力の見積もりが正確ということは、自分の行動を遂行できるという可能性を正しく認知しているということでもあります。

バンデューラは、自己効力感が、人々が自分の人生において主体的に行動すること、そして挑戦的な状況で目標を追求することを可能にすると考えました。

一方、自己肯定感とは、自分自身を受け入れ、自分自身を尊重することができることを意味します。すなわち、自分自身に自信を持ち、自分自身に価値を見出すことができるという自己信念です。自己肯定感は、自分自身に対する肯定的な評価や自尊心の高さが関わっています。

つまり、自己効力感とは、あるタスクを達成するための自己能力の見積もりが正確であるという自己信念であり、自己肯定感とは、自分自身を肯定することができるという自己信念です。両者は関連性があり、自己効力感が高ければ、自己肯定感も高くなる可能性があります。

簡単解説
  • 自己効力感は自分自身の能力に対する評価、自己肯定感は自分自身の存在そのものへの評価です。
  • 例えばある課題があり、現状の実力では8割程度しかできそうにない。この場合、「自分自身の現状は8割は実行できる状態」だと評価している状態が自己効力感が高い状態、「完璧にはできはしないが8割できる自分を受け入れよう」というのが自己肯定感が高い状態です。

今回は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!




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