【仕事に悩むあなたへ】ミルグラム実験を理解してブラックな会社に対処しよう【使える心理学】

心理学の応用
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困リーマン
困リーマン

仕事に悩んでいる、上司のパワハラに苦しんでいる、会社がブラック過ぎてやばい、さっさと転職したい、仕事のせいで鬱…
ミルグラム実験の意味を知りたい、仕事で使える心理学を知りたい。

そんなあなたに向けた記事です。

仕事で悩んでいる方はたくさんいることででしょう。対策の第一歩は、自分の心理状態をまずは知ることです。

例えば上司に理不尽な要求をされ、自分のやりたい事・正しいと思っていることの間で葛藤をしている方はいませんか?

それ、もしかしてミルグラム効果が働いているかもしれません。本記事を読んで、まずはご自身の悩み、職場の問題などを洗い出しましょう。

やや難しい内容もふくみますが、できるだけ簡潔にし、補足を加えながら執筆しました。ぜひ、最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

【仕事に悩む方必見】ミルグラム実験を理解してブラックな会社に対処しよう【使える心理学】

✔本記事でわかること
  1. ミルグラム実験の目的と実施された背景
  2. ミルグラム実験の内容
  3. 倫理的に問題のある行動をとる理由
  4. ビジネスで起きるミルグラム効果と留意点
  5. まとめのお話

1.ミルグラム実験の目的と実施された背景

ミルグラム実験とは、社会心理学者スタンリー・ミルグラムによって1960年代に実施された、なぜ人々が権威者の命令に従い、他人に対して倫理的に問題のある行動をしてしまうのかを確かめた実験のことです。

この実験は、被験者が命令に従って電気ショックを与えるかどうかを観察するという形式で行われました。

ミルグラム実験はアイヒマン実験と呼ばれることもあります。これは、第二次世界大戦中にナチスドイツが行ったホロコーストの中心的人物である、ドイツの親衛隊隊員であるオットー・アドルフ・アイヒマンに由来します。

戦後、戦犯として裁判にかけられたアイヒマンは、自分の行為について「ただ命令に従っただけだ」と主張したことが話題となりました。この主張は、ミルグラムが実験の着想を得るきっかけとなりました。

2.ミルグラム実験の内容

ミルグラム実験の内容について、以下に簡単にまとめました。

ミルグラム実験:ざっくり言うと「私が責任を取るからお前たち教師役は生徒役に電気ショック与えまくれ」という実験です。長いので読むのがめんどうな方はすっ飛ばしてください。

  • 実験は、命令者、生徒役、教師役によって行われた。
  • 実際は教師役のみが被験者で、生徒役は役者が演じるサクラ、つまり実験の協力者であった。
  • 実験は被験者(教師)が出す問題に生徒が答えられなかった場合、生徒に電気ショックを与えるというものだった。
  • 被験者は実験開始前に45ボルトの電気ショックを与えられ、生徒の苦痛を認識させられた。
  • 被験者と生徒役は姿などをお互いに見ることができず、お互いの声のみがインターフォンを通じて確認できるようになっていた。
  • 被験者は生徒に単語を覚えさせた後、生徒に単語を答えさせる質問を行った。
  • 単語を誤った場合は被験者に電気ショックを与える。この電気ショックは15ボルトから徐々に上げられ、450ボルトの電気ショックを生徒に3回与えることで実験は終了する。
  • 生徒役には実際は電気ショックは与えられず、あらかじめ録音していた音声を通じて苦痛の様子が被験者に与えられた。
  • 被験者が生徒の様子を見かけて実験の中止を訴えた場合、命令者は5回まで実験を続行する命令を行った。
  • また、被験者には責任はなく、生徒役に対する責任は命令者、つまり実験をする側に責任の全てがあることが告げられた

このような流れで実験は行われました。

この実験の結果に関して、事前にイェール大学の生徒や職員に予想が行われましたが、ほとんどの者が最後まで実験を続行する被験者はいないだろうと回答しました。

しかし、その予想に反し、実に65%のも被験者が、実験を最後まで行うという結果になりました。

3.倫理的に問題のある行動をとる理由

ミルグラム実験の被験者が倫理的に問題のある行動をとった理由は、複数の心理的要因が絡み合った複雑なものであるとされています。

以下は、ミルグラム実験において被験者が倫理的に問題のある行動をとった理由と推測される心理的要因です。

①権威への従順性

被験者は、実験の命令者である権威的な人物に対して敬意や従順性を示すことが求められました。

被験者は自分の道徳的判断力を抑制することで、権威の指示に従うことができたと考えられます。

ガチホくん
ガチホくん

道徳的な行動を抑制しなければ、権威の指示に従うことが難しかったのかな?

つまり、命令にしたがうために自分の道徳心を捨て去ったということかな?

②責任の転嫁

被験者は、自分自身が実験の被験者であることから、責任を逃れるために、自己の行動を命令者の責任として位置づけた可能性があります。

自分の行動を指導者の責任として位置づけ、責任を逃れるために自己正当化したということです。

ガチホくん
ガチホくん

う~ん、これは理解が難しいぞ。

悪いのは俺じゃないんだ、あいつだ、知ったことか!どんどんやってしまえ!」っていう気持ちになったのかな。それとも、「悪いのは命令者だ!よし、実験をやればやるほどあいつのせいになるぞ!」という気持ちだったのかな?

いずれにしても、命令者によって明示された、被験者には責任がないという説明。これが実験を加速させたのは間違いない。電気ショックが300ボルトに達するまでに実験を中止した被験者は、なんと0名だったらしい!

③社会的規範の遵守

被験者は、自分が実験に参加していることが社会的に適切であると信じていた可能性があります。

また、被験者は、同様の行動をとる他の被験者や指導者に同調することが社会的規範であると考えた可能性があります。

ガチホくん
ガチホくん

この問題を理解するためには、同調圧力に関しても理解する必要がありそうだ!
同調圧力といえば、アッシュの同調実験。以下に記事を紹介したぞ!
あわせて、アッシュの同調実験によって裏付けられたとするバンドワゴン効果についても記事をまとめたぞ!

④自己正当化

被験者は、自分の行動を正当化するために、実験が科学的研究であり、自分が科学的な貢献をしているという認知を持った可能性があります。

これらの①~④などの心理的要因が複雑に絡み合い、ミルグラム実験の被験者が倫理的に問題のある行動をとってしまったと推測されます。

しかし、実験結果からは、被験者の多くが実験を継続することに苦悩し、自己の道徳的判断力と権威に対する従順性との間で葛藤を抱えていたことが示唆されています。

4.ビジネスで起きるミルグラム効果と留意点

ミルグラム実験で見られたような権威者への追従は、ビジネスの世界など日常の場面でも起きることがあります。

①ビジネスの場面で見られるミルグラム効果

例えば、上司が部下に対して不適切な命令を出した場合、部下がその命令に従うかどうかは、ミルグラム効果に影響を受ける可能性があります。

特に、組織内のヒエラルキーが明確である場合、上位の人物が下位の人物に対して出した命令に対して、より強くミルグラム効果が働きます。

ガチホくん
ガチホくん

ブラック企業ほど注意が必要だな。あとは……ワンマン経営の会社も注意が必要だ!

また、顧客に対して不適切な商品を販売したり、不適切なサービスを提供したりすることも、ミルグラム効果に影響される可能性があります。

営業担当者が上司や会社の利益のために、顧客に対して過剰なプレッシャーをかけたり、不適切な商品を推奨するよう求められた場合、ミルグラム効果が働いてしまうことがあります。

ガチホくん
ガチホくん

押し売りに近い訪問販売業者など、実は上司がめちゃくちゃ営業担当にプレッシャーをかけている場合があるからな~。
こういう会社は倫理的に問題のある行動が誘因される環境が整ってしまっていると言える!

このように、ビジネスの場面でミルグラム効果が引き起こされる場合があります。従業員が会社の命令に従って倫理的な問題を引き起こした場合、その責任は個人というよりは、会社自体に問題があると言えます。

ミルグラム効果が働くような会社からはいち早く離脱してください

倫理的な問題を引き起こしていることで心を壊しますし、もしかすると犯罪の片棒を担がされているかもしれません。

②ビジネスでミルグラム効果を引き起こさないために

ミルグラム効果に陥ることを避けるためには、個人と組織の両方において、次のようなことが必要です。

(1)個人に求められること

まず、個人は、自分の価値観を明確にし、常にそれに従って行動することが大切です。また、権威的な人物からの命令に対しても、自己の判断力を持ち、疑問を抱くことが大切です。

信念にしたがい、自信を持って命令を拒否しましょう。また、不適切な命令があった場合には、上司に対して問題を提起することも必要です。

ガチホくん
ガチホくん

特定の個人にのみ問題がある場合は、信念に基づいた行動によって改善する可能性があるけど、組織全体がブラックな体質の場合は逃げることをおすすめする。

内部通報などしても、個人を特定されて仕返しが待っているかもしれない。

それぐらい、組織全体が毒されている会社はどうしようもないんだ。

以下は迷惑な上司について書いた記事です。この記事を読んでくださっている方には共感の多い内容かもしれません。

(2)組織に求められること

組織においては、特定個人がミルグラム効果に陥らないような環境を整えることが必要です。

例えば、従業員が倫理的に適切な行動をとるための教育や研修が必要です。ミルグラム実験についても実際に話してあげるとよいでしょう。そして、倫理的に問題のある行動を絶対に許さないという毅然とした態度を示しましょう。

また、倫理的な問題に対して報告しやすい環境(適切な内部通報システム)を作ることが重要です。従業員が安心して倫理的な問題を報告できる環境があれば、問題が解決するという希望を抱くことができ、組織全体の信頼性が向上します。

内部通報をする側が一番気にすることはなんだかわかりますか?

それは、「匿名性は保たれているのかな?」、「自分に不利益として還ってこないかな?」などです。

秘匿性、公平性を担保した内部通報システムを構築し、従業員に対してその仕組みを発信し、安心させるべきです。

組織において倫理的に問題のある行動が見られた場合、内部通報が最後の頼みの綱になることが十分に考えられます。

内部通報システムが不十分な場合、従業員は学習性無力感に陥りパフォーマンスが下がってしまうでしょう。

最悪のケースでは休職してしまう、退職してしまいます。従業員の人生を壊すリスクがあるということを強く認識するべきです。

自分の会社で適切な内部通報システムを構築する自信がない場合は、外部に頼ることをおすすめします。

ガチホくん
ガチホくん

コミュニケーションを積極的に行いやすい環境の構築も大切。
相手の意見を尊重することができない場合、自分の意見の押し付けや、相手を無視したりするような態度が起きやすい。
このような態度は悪い意味でミルグラム効果と相性がよい、だから注意が必要なんだ!

5.まとめのお話

最後に、倫理的な判断に迷った場合には、第三者の意見を聞くことが大切です。

身近な人物にくわしい専門家がいればよいのですが、そのような環境にある方のほうが珍しいでしょう。

その場合は、転職エージェントなどに相談をすることが手っ取り早いと思います。相談だけならお金がかからないことが多いというのがハードルが低くてよいです。ある意味、最も職場の愚痴を聞かされる立場なわけですから、労働基準法に詳しい人も多いです。

当ブログは転職誘導を目的としていないので、あまり記事で転職に関してすすめることはありませんが、ミルグラム効果が表れている時点でろくでもない会社の可能性が高いです。

なので、一人で悩みを抱えて潰れてしまう前に、行動をして欲しいと思います。転職エージェントの中には親身に相談を乗ってくれる方も経験上、多くいらっしゃいます。

一方、ゴリゴリの営業トークをする人も多いですね。すぐ転職誘導してくる担当。最初の感触が悪ければ、さっさと次の転職エージェントに移りましょう。

世の中には大量に転職エージェントのような会社がありますから、一社にこだわる必要は全くもって無いわけです。

その方法にも迷いがある場合は……私のtwitterのどの記事でも構わないのでリプをください。答えられる範囲で回答しますね。
※DMは不可です。投資をやっている関係上、DMが大量に届くため、埋もれてしまいます。

以下は自己肯定感、ビジネスで使える心理学などの記事のまとめページです。基本、職場で悩みを抱えている方を想定して書いていますので、よろしければそちらもご覧ください。

参考記事一覧1:自己肯定感に関してはこちら
参考記事一覧2:使える心理学シリーズはこちら

念のため最後に、項目別の転職関連のサイトを載せておきます。極力、ハードルが低く簡単に登録できるサイトを載せておきます。気になるところがあれば登録だけしといてください。

転職エージェント系は電話で営業してきて迷惑な業者も多数あるので、メールなどで情報を吸い出しやすい業者を中心に選択することをおすすめします。

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