シロクマ効果とカリギュラ効果の違いを知りたい!
そんなあなたのための「シロクマ効果」と「カリギュラ効果」の違いに特化した記事です。
まずはシロクマ効果とカリギュラ効果を簡単に説明した後、具体例をもとに違いを比較していきます。
3分程度で読めると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
✓本記事のテーマ
シロクマ効果とカリギュラ効果の違いは?「やってしまう」の心理とは?
✓本記事でわかること
【シロクマ効果とカリギュラ効果の違い】シロクマ効果とは/カリギュラ効果とは/違いと具体例
シロクマ効果とカリギュラ効果の違い
1.シロクマ効果とは?
シロクマ効果とは、考えないようにしていることでかえって考えてしまうような心理現象です。
嫌なことを忘れたくても思い出してしまうことなどが典型です。
アメリカの心理学者であるダニエル・ウェグナーは、人の記憶に関する次のような実験を行いました。
まず、被験者を3つのグループA・B・Cに分けました。
そして、すべてのグループにシロクマの映像を見せました。
- Aには、シロクマのことを忘れないように命令が下されました。
- Bには、特に命令は下されませんでした。
- Cには、シロクマのことを絶対に考えないように命令が下されました。
数時間後、被験者に映像内容を思い出させたところ、最も詳細に覚えていたのはCのグループでした。
このシロクマ実験におけるシロクマ効果を説明するために提唱されたのが、皮肉過程理論です。
皮肉過程理論では、実行過程と監視過程の2つが働きます。
シロクマ実験のCグループにおいて、「シロクマのことを考えないよう」としたのが実行過程です。
一方、「シロクマのことを本当に考えていないのか」を考えるのが監視過程です。
結局、監視過程においてシロクマのことを考えてしまっています。
このように、実行過程を監視するためには結局、考えたくないことを考えなくてはいけないというジレンマが生じます。
これがシロクマ効果を説明するための皮肉過程理論です。
2.カリギュラ効果とは?
カリギュラ効果とは、禁止されることでかえってやりたくなってしまうような心理現象です。
見るなよと言われるとついつい見たくなってしまうなどが典型です。
カリギュラ効果の名前は、1980年に公開された「カリギュラ」という映画に由来します。
この映画は性的描写が過激であったため、アメリカの一部の州では上映禁止にされるほどでした。
このことがかえって話題をさらい、そこそこの観客数を記録したようです。ちなみに本作は、相当の駄作であるとされています。
3.シロクマ効果とカリギュラ効果の違い
まずはシロクマ効果とカリギュラ効果の例を並べて比較してみましょう。
①シロクマ効果の例
- 禁酒しようとすればするほど、かえってお酒のことを考えてしまう。
- 仕事の失敗を忘れようとすればするほど、かえって思い出してしまう。
②カリギュラ効果の例
- 勉強が終わるまで絶対に遊んではいけないと言われたため、遊びたくて遊びたくてしょうがない。
- マル秘と書かれた重要書類をついつい盗み見したくなってしまう。
違いはわかりましたでしょうか。
シロクマ効果はやりたくないのにやってしまうという心理現象です。
カリギュラ効果はやるなと言われたからやりたくなってしまうという心理現象です。
シロクマ効果は「やりたくない」のに対し、カリギュラ効果は「やりたくなる」というものなので、心理効果としてはまったく異なるものです。
この2つは混同されがちなので、もう少し掘り下げてみましょう。お酒を例にとってみましょう。
お酒をやめたくてやめたくて仕方ないのに、ついついお酒のことを考えてしまう場合はシロクマ効果です。
お酒が大好き過ぎて医師に禁酒を言い渡されたから、反発して今まで以上に飲みたくなる。これがカリギュラ効果です。
なお、自由を制限されることで抵抗したくなる心理状態を心理的リアクタンスといいます。
以下、「やりたくないのにやってしまう」「やれと言われるからやりたくなくなる」「やるなと言われたからむしろやりたくなる」など、似たような心理現象を比較した記事です。
よろしければそちらもお読みください。今回はここまでです。
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