マーケティングなどのビジネスに活用できる心理学のテクニックはないかな?
ウィンザー効果って何だろう?由来も知りたいな。
詐欺に使われることもあるのかな?
そんなあなたに向けた記事です。
✔本記事のテーマ
【悪用厳禁】ウィンザー効果の意味とビジネスでの応用例【使える心理学】
✔本記事でわかること
- ウィンザー効果とは?
- ウィンザー効果の由来
- ウィンザー効果の詐欺で使われる事例
- ウィンザー効果のビジネスでの活用例
- ウィンザー効果の怖い点
1.ウィンザー効果とは?
ウィンザー効果とは、当人からの情報より、利害関係に無い第三者からの情報のほうが信頼度が増すという心理効果のことです。
例えば、以下のAさんより、Bさんからの情報のほうが信頼度が高いということです。
君には安心して仕事を任せられる。これからもよろしく頼むぞ。
A部長が君には安心して仕事を任せられるって言ってたよ!
確かにAさんのように直接ほめてもらえるとうれしいかもしれませんね。
しかし、「本当かな、何か裏があるんじゃないか?」、「みんなに言ってるんじゃないの?」、「かげでは悪く言ってないかな?」など、勘ぐってしまう人もいるんじゃないでしょうか。
それに対し、Bさんを介してAさんが自分をほめていることを知らされたら、真実味が増してくるから不思議なものです。
では、なぜこのような心理状態になるのでしょうか。
それは、Bさんが第三者であることもさることながら、利害関係に無いから、これが重要なポイントになります。
Aさんからの情報
相手とは利害関係にある、私をおだてて仕事の成果があがれば上司のA部長にもメリットが生じる。
Bさんからの情報
第三者であるBさんは私をほめてもメリットがない。だからきっとこの情報は真実だろう。
信頼度
Bさんからの情報>Aさんからの情報
2.ウィンザー効果の由来
ウィンザー効果は女性作家アーリーン・ロマノネスによるミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」に登場するウィンザー伯爵夫人による以下のセリフに由来します。
「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」
私たちは利害関係のない第三者による情報を信頼する傾向にあります。この傾向を利用し、ウィンザー効果はしばしばマーケティングなどビジネスで応用されます。
例えば食べログ、価格.comやAmazonの口コミや評価がその典型です。
また、ウィンザー効果は詐欺に悪用されることもあるので注意が必要です。
3.ウィンザー効果の詐欺で使われる事例
設定1:Cさんは悪徳業者。Eさんに高価な化粧品を買わせたい。
設定2:Cさんには悪い友人Dさんがいて、DさんはEさんに接触してすでに仲良くなっている。
ねぇねぇ、Eさん。最近元気が無いわね。私は毎日幸せよ。分けてあげたいわ。
本当に分けて欲しいわ……。なんでそんなに幸せなの?
そうねぇ、しいて言うなら今している化粧品が理由かしら。毎日、気分が上がるのよ。あ、ちょうど私の知り合いのCさんという方がそこの化粧品の販売をしていてね、今なら安く買えるらしいわ。紹介するわね。
(グヘヘヘ……、カモがネギしょってやってきたぜ……)
このように、詐欺師は心理テクニックを悪用し、あの手この手を使って私たちに近づいてくるので注意が必要です。
4.ウィンザー効果のビジネスでの活用例
第三者からの情報は信頼度が高いというウィンザー効果は、ビジネスでも応用できます。
以下はいくつかの活用例です。
①口コミ
②アンケート
③インタビュー
④モニター募集
⑤メディアの活用
⑥インフルエンサーの活用
①口コミ
食べログや価格.comのイメージです。
第三者によるレビュー、評価は顧客の客観的な判断の材料になります。
活用する際のポイントがいくつかあります。
☛良い意見だけでなく、悪い意見も公平に載せる
良い意見のみ載せるとステマを疑われます。
ウィンザー効果は、情報源に利害関係が無いと感じるときにその効果を発動する。このことを忘れないようにしましょう。
☛ターゲットを意識する
購買層を意識しましょう。購買層の要件には性別、年齢、地域などさまざまなものがあります。
口コミが多数集まったら、ターゲットとなる層の口コミを選んで掲載するのも一つの方法です。
☛口コミ数を担保する
例えばAmazonの評価。
商品A:評価5だけどレビュー数は3
商品B:評価4.5だけどレビュー数100
どちらが買いたいでしょうか。ほとんどの方がBを選ぶのではないでしょうか。このように、大衆心理というものも意識したいものです。
ただし、口コミ数を担保するのはなかなか難しいもの。そこで、②~④の併用も考えましょう。
なお、口コミはSNSでも見えない形で展開されています。
例えばtwitterでの何気ないつぶやきが、実は特定商品のレビューであることがしばしばです。
特定企業に報酬をもらう形でのつぶやきも散見されます。
この場合、過去tweetの様子を見れば簡単に見抜けますけどね……。
②③④アンケート、インタビュー、モニター募集
アンケートはいまだに多くの企業で活用される、マーケティングリサーチの手法の一つです。
生の声を知りたい場合はインタビューの活用。対面でなくとも、電話、チャット、zoomなどでも行うことができます。
さらに、ターゲットを絞りたい場合はモニター募集が有用です。モニター参加者は意識が高いことも多いので、よりレベルが高い意見を集めることができます。
ただし、報酬目当ての質の低いモニターもいるので、報酬支払要件などを厳密に定めることが重要です。
⑤メディアの利用
例えば新聞、ブログなどによる情報の拡散です。
これは、広告を載せてもらうということではなく、利害関係が無い形でメディアに拡散してもらうということです。例えば、プレリリースの情報を機関紙が情報の一部として掲載するなどです。
ただし、メディアの利用はだいぶハードルが高くなりますので、簡単にできるものではないかもしれません。
⑥インフルエンサーの活用
同様に、ハードルが高い活用法かもしれませんが、インフルエンサーマーティングもウィンザー効果を引き出す手法です。
twitterでフォロワーを増やすテクニックとして、インフルエンサーにリプをする、インフルエンサーのリツイートをするなどがあります。この方法で、万が一インフルエンサーが好意的な反応をしてくれたら、最大の宣伝になるかもしれません。
ちなみに書籍の下帯の推薦文。これも典型的なウィンザー効果を狙ったインフルエンサーマーケンティングですね。
5.ウィンザー効果の怖い点
ウィンザー効果には悪い面もあるので注意が必要です。
第三者による情報が悪い印象のものである場合、ウィンザー効果はマイナスの方向にはたらきます。
例えば悪い口コミ。
悪い口コミは悪い口コミを加速度的に呼び込むことが知られています。
なので、口コミなどをマーケティングで活用する場合、悪い口コミには早めに対処することが必要になってきます。
対処には削除することだけがすべてではありません。例えばお詫びとともに改善を約束する。もしかすると、このような企業態度が悪い口コミによる印象を好転させるかもしれません。
以上、今回はウィンザー効果についてでした。
最後に、人の悪口、噂を言うときも、ウィンザー効果が働き得ることを意識しましょう。
口コミへの応用など、ビジネスにおける心理学の応用として関連が深い心理現象に、バンドワゴン効果というものがあります。また、バンドワゴン効果の対の概念としてアンダードッグ効果というものもあります。以下に紹介記事を載せておきますので、セットで読んでみてください。
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