面白い心理学の実験を知りたい!
恋愛で使える心理学はある?
吊り橋効果や吊り橋実験を詳しく知りたい!
そんなあなたに向けた記事です。
実験概要やメカニズムの紹介の他、恋愛で応用できるとされる心理学を紹介しています。
✔本記事のテーマ
【恋愛で使える】吊り橋効果の意味や例を解説【面白い心理学実験】
✔本記事でわかること
- 吊り橋効果とは?
【意味、例/実験概要と親和欲求・帰属理論・容姿・脳内物質の影響】
吊り橋効果とは?
心理学の世界では、興味深い実験が行われています。今回は「吊り橋効果」に関連する実験を紹介します。
①吊り橋効果と例
「吊り橋効果」は恋愛で活用される心理学用語として有名です。
吊り橋のような恐怖を感じる場所で出会った人同士が一緒に時間を過ごすことで、恋愛感情を抱きやすくなるという心理効果です。
遊園地のお化け屋敷やジェットコースター、スポーツやライブ、ホラー映画を観るなどの状況でも同様の効果があるとされます。
②吊り橋実験の概要
吊り橋効果に関連する実験として、カナダ人心理学者であるドナルド・ダットンとアーサー・アーロンによって行われた「吊り橋実験」を紹介します。
この実験では、吊り橋の上で行われた面接が異性への魅力にどのような影響を与えるのかを調査しました。
実験内容を以下にまとめました。
- 実験は、2つの橋の上で行われた。
- 一つは高さ70mの不安定な吊り橋で、もう一つは高さ3mの頑丈な橋であった。
- 不安定な吊り橋と安定した橋のそれぞれの上で、面接が行われた。
- 面接者は魅力的な女性が担当し、18歳から35歳までの85人の男性が被験者として参加した。
- 面接ではTATも実施された。
※TATはあらゆる状況が描かれたカードを提示し、被検者に自由なストーリーを語ってもらい、その解釈により被検者のパーソナリティ(性格、嗜好など)を明らかにするテスト。 - 実験後、面接を受けた男性に対し、面接者の女性は連絡先を渡し、実験結果を詳しく知りたい場合は電話をするように伝えた。
③吊り橋実験の結果
吊り橋実験では以下のような結果が得られました。
- 結果、不安定な吊り橋の方の男性18人中9人が面接者の女性に電話をかけたのに対し、安定した橋の方の男性は16人中2人しか電話をかけなかった。
- また、不安定な吊り橋の方のTATの回答は性的な描写が多く見られた。
- 面接者を男性に変えて実験を行った場合は、このような顕著な差は見られなかった。
このような結果から、吊り橋の上での感情的な興奮が異性への魅力を高める要素となる可能性が示唆されました。
④吊り橋効果のメカニズム
ダットンとアーロンは、吊り橋効果が発生するメカニズムを次のように分析しています。
親和欲求
一つは親和欲求という概念です。親和欲求とは、人と一緒にいたいというような欲求です。
不安定な吊り橋を渡ることで恐怖感が生まれ、それが人恋しさのような親和欲求を高めたのではないかという仮説が立てられました。
つまり、吊り橋の上での興奮が異性への魅力を引き立てる要素となったのかもしれません。
帰属理論
帰属理論も重要な要素として考えられました。帰属理論は、物事の原因を特定の現象に帰する傾向を指す理論です。
吊り橋を渡るときのドキドキ感が、異性への魅力の原因だと勘違いされた可能性があるのです。
つまり、興奮や緊張を吊り橋の特異な状況に帰することで、参加者たちは面接者自体に魅力を感じるようになったのかもしれません。
⑤その他考えられるメカニズム
しかし、さらなる研究によって、異性の魅力には他の要素も関与していることが明らかになっています。
容姿の影響
メリーランド大学のグレゴリー・ホワイトは、吊り橋の緊張感を恋愛感情と誤認するには、実験で声をかける女性が美人かどうかで結果が左右されるのではないかと考えました。
そこで、彼は実際にメイクで魅力を低下させた女性で同様の実験を行いました。その結果、女性が美人ではない場合には吊り橋効果が逆効果となり、異性への魅力が低下することがわかったのです。
脳内物質の影響
また、不安定な吊り橋の上に立つと緊張から心拍数が上昇しますが、この時に脳から快楽物質であるドーパミンが分泌され、恐怖や緊張を楽しさや恋愛といったポジティブな感情として認識してしまうことが、吊り橋効果の原因と考えられています。
⑥まとめ
吊り橋効果は、恋愛感情に限定されるわけではありません。実際に、この効果は新たな関係を築く上での興味や魅力にも関与しています。不安定な状況が人々に刺激を与え、それによって感情的な興奮が生まれることで魅力や親和性が高まると考えられています。
吊り橋実験の結果は、感情と異性への魅力の関係について興味深い示唆を与えています。この実験では、吊り橋を渡る体験によって興奮や緊張が生まれ、それが異性への魅力を引き立てる要素となったことが明らかにされました。
しかし、異性の魅力には多くの要素が関与しており、吊り橋効果だけで一括りにすることはできません。異性の魅力は個別の実験結果だけでなく、さまざまな要素や状況の組み合わせによっても影響を受けることがあります。そのため、より綿密な研究と多角的な視点からの検討が必要です。
心理学者のダットンとアーロンは吊り橋実験の結果について考察しており、この実験は人間の心理における興味深い側面を浮き彫りにするものと言えます。吊り橋効果についての研究は、異性間の関係や恋愛についての理解を深める上で重要な示唆を与えるものとなっています。
吊り橋効果の研究は、私たちが人との関係を築く際における興味と魅力のメカニズムを理解する一助となるでしょう。私たちが新たな関係を築く際には、緊張や興奮といった感情が関与していることを念頭に置き、吊り橋効果がもたらす影響を意識してみることも大切です。
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