カクテルパーティー効果とは?具体例や関連実験の紹介【選択的注意】

心理学の応用
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知りたガリお
 

カクテルパーティー効果の意味や応用例を知りたい。
選択的注意と非注意性盲目の違いを知りたい。
面白い心理学の実験を知りたい。

そんなあなたに向けた記事です。

本記事では選択的注意の一つであるカクテルパーティー効果の応用例など、すぐにでも実践できる方法を解説しています。

5分以内で読めますので、ぜひ最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

カクテルパーティー効果とは?具体例や関連実験の紹介【選択的注意】

✔本記事でわかること
  • カクテルパーティー効果とは?
    【意味と例/関連実験/すぐに使える応用例/選択的注意と非注意性盲目の違い】

カクテルパーティー効果とは?

①カクテルパーティー効果の意味と例

カクテルパーティー効果とは、1953年にイギリスの認知心理学者であるコリン・チェリーによって提唱された、選択的聴取のことで、選択的注意の1つです。
※選択的注意は後述します。

カクテルパーティーなど周囲がざわついているような状況下で、自分の名前を呼ぶ声、自分の興味のある話題、自分の興味のある人の声はよく聞き取れるというような現象です。

学校の授業や仕事の会議で、何となくぼーっとしているときに自分の名前が呼ばれると「はっ!」とする、電車の中で自分が降車する駅の名前がアナウンスされるとたとえ寝ていても目が覚める。そんな経験はありませんか?

なぜか自分の興味のある話題が聞こえてくると、気づけばその会話に聞き耳を立てている好きな人の声に敏感に反応している。そんな自分に気づいたことはありませんか?

これが、カクテルパーティー効果の例です。

②カクテルパーティー効果に関連する実験

以下はチェリーが行った実験です。

  • 被験者にヘッドフォンをつけさせ、両耳にそれぞれ異なる音声を流した。
  • 被験者には片方の耳から流れる話題にのみ集中するように伝えた。
  • 被験者に両側の話題について詳細を確認した結果、集中した側の話題に対する理解度の方が明らかに高かった。
  • また、集中しない側に「ピー」などの音を断続的に付け加えて同様の実験を行った。
  • 集中しない側の話題についての理解は低いままだったが、「ピー」という音が流れていることは認識していた。

この実験から、注意を向けた音声に対する情報処理を優先することがわかりました。また、注意を向けていない側の音声自体は脳にとどいたものの、意味までは処理しきれなかったことがわかりました。

③カクテルパーティーの応用例

カクテルパーティー効果の性質を理解すると、相手に効果的に話の内容を理解させることができます。以下が応用例です。プレゼンやスピーチなどの場面を想定してください。

  • あまり話が聞かれていないと感じたら、全体に「みなさん」などと問いかけてみる。
  • 特定個人が対象の場合は、その個人の名前を呼び掛ける。
  • 最近のキャッチーな話題、過去の面白いエピソードなどを話の盛り上がりが欠けるような箇所に盛り込む。
  • 声色を変えてみる。動画を流すなどして音声に変化をつけるのもアリ。
  • 独特の言い回しをする。自分特有の口癖をあえて作るのもアリ。

相手が話をいまいち聞いていないということは、相手が選択的聴取をしていないということです。

なぜ選択的聴取をしていないかというと、発する音声に興味を惹かれないからです。

とすると、相手が話をいまいち聞いていない場面では、少なくとも今発している音声から変化をつくる必要があるということです。

④選択的注意とは?

カクテルパーティー効果は、選択的注意の1つです。

選択的注意は、意図的にある特定の刺激や情報に注目することを指します。つまり、何かに注意を向けることで、それに関する情報をよりよく処理し、記憶することができます。

選択的注意の聴覚的な側面が、カクテルパーティー効果に該当すると考えるとわかりやすいと思います。

⑤非注意性盲目との違いは?

選択的注意と混同されがちな現象に、非注意性盲目というものがあります。

非注意性盲目は、注意が向けられていない情報について気づかないことを指します。つまり、人間の注意は限られているため、何かに注意を向けているときには、同時に注意が向けられていない情報については気づかないことがあります。

例えば、あなたが友人と夢中で話している時、背後で何かが起こっていても、そのことには気づかないことがあります。

選択的注意との違いを簡単に言えば、選択的注意は何かに注意を向けることでその情報をよりよく処理することができるのに対し、非注意性盲目は注意が向けられていない情報はよく処理できないということです。

ということは、選択的注意が起きている裏では、非注意性盲目が起き得るということです。

非注意性盲目は、手品(マジック)の技術に応用される代表的な心理学の現象です。その性質から、話題をすり替えるテクニックなどに悪用されることもあるので注意が必要です。

非注意性盲目については、以下の記事で詳しく解説しています。有名なゴリラの実験映像が視聴できますので、よかったら読んでみてください。個人的には最も面白い心理学の実験の1つです。また、心理学の悪用について注意喚起となる記事もあわせて載せておきます。

今回は以上です!

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