アンカリング効果とフレーミング効果の違いとは?意思決定に関わる認知バイアス

心理学の応用
この記事は約7分で読めます。
知りたガリお

アンカリング効果とフレーミング効果の違いが知りたい!
アンカリング効果とフレーミング効果の具体例は?

そんなあなたに向けた「アンカリング効果」と「フレーミング効果」の関連に特化した記事です。

まずはざっくりと説明しますね。

「100万円の商品を10万円に!」

高いはずの商品が安く買える。このように思うのがアンカリング効果の一例です。

「この商品は90%オフ」「この商品は10%の価格で買えます!」

同じ価格内容でも受け取り手の印象が異なるのがフレーミング効果です。

このように、情報提供のしかたによって受け取り手の印象が変わることがあります。

10万円の商品は10万円の商品です。しかし、いきなり10万円と提示されると高く感じてしまいます。

一方、100万円と比べると随分と安く感じますね。

90%オフも10%価格も買値は同じです。多くの割引宣伝は前者を選択しますから、オフの割合を提示した方が響きやすいということです。

しかし、私は10%価格と強調してくれた方がはるかに魅力的です。中身は同じなのにです。

なぜ同じような情報なのに人によって受け取り方が異なるのかというと、認知バイアスが関係します。

認知バイアスとは、偏見や先入観、固定観念、誤解や思い込みなどの認知の歪みのことです。

アンカリング効果もフレーミング効果も認知バイアスに関連する心理効果です。

これらの効果が例えばマーケティングで応用されるときは、人の認知バイアスに付け込んでいるということです。

このような観点を持ちながらこれからの記事を読んで頂けると、理解しやすいと思います。

それでは始めます。

✔本記事のテーマ

アンカリング効果とフレーミング効果の違いとは?意思決定に関わる認知バイアス

✔本記事でわかること

【アンカリング効果とフレーミング効果】用語の意味/具体例/違い/注意点

✔アンカリング効果に関連する記事

アンカリング効果とプライミング効果の比較

1.アンカリング効果とは?

アンカリング効果の意味

アンカリング効果とは、最初に提示された情報によって判断に影響を受けるという認知バイアスです。

アンカリング効果を英語で書くと「Anchoring effect」です。

アンカーは船を固定する錨(いかり)のことです。

つまり、何らかの情報に固定されてしまっている状態がアンカリング効果です。

割引された商品

「1万円が3000円になったTシャツ」

安く感じる場合は「1万円」がアンカーになっています。

一方、3000円を高く感じる人もいるでしょう。私もそうです。

私の場合だと、Tシャツはユニクロばかりです。なので、ユニクロと比較すると随分高く感じます。

この場合、ユニクロの価格がアンカーになっています。

アンカリング効果は大きい数字を見た後に小さい数字を見ると、その小ささが際立つ。

このような例で紹介されることが多いのですが、数値比較の判断基準として効果を発揮する側面もあるのです。

スタバのコーヒー

「600円のスタバのコーヒー」

高く感じますか?

人によって違うでしょう。なぜなら、比較するときに参照する数字が違うからです。この参照する数字があなたにとっての「アンカー」です。

このように無意識的に数値比較をしているケースも含め、最初の情報に後の判断は影響を受けていますね。これがアンカリング効果です。

ちなみに、アンカリング効果は遅刻の誤魔化しテクニックとしてよく紹介されます。

遅刻する場合は遅刻時間を多めに見積もって報告する。そうすると、思いのほか早く到着したと思ってもらえるという姑息なものです。

そういう誤魔化しを見た場合は「アンカリング効果ですね、信用失くすからやめたほうが良いですよ」とでも伝えてあげてください。

※アンカリング効果についてはこちらの記事が最も詳しいです。☛アンカリング効果の取り入れ方

2.フレーミング効果とは?

フレーミング効果の意味

フレーミング効果とは、情報提示の仕方が判断に影響を与えるという認知バイアスです。

アンカリング効果同様、認知心理学や行動心理学で使われる用語です。

フレーミング効果を英語で書くと、「Framing effect」です。

フレームは枠組みのことです。

建物がふくまれた景色を想像してください。全体を枠におさめるように意識して写真を撮った場合と、その景色の中で特徴的な建物を枠におさめるように意識して写真を撮った場合で、仕上がる写真は全く異なります。

当然、その2枚の写真から受け取る印象はまったく異なります。

このように、どの情報を強調するかによって印象が変わるのがフレーミング効果です。

成功か失敗か

「99%の確率で成功する手術」と「1%の確率で失敗する手術」

前者は安心が強調され、後者は不安が強調されているようです。

「も」と「しか」

「あと10分もある」と「あと10分しかない」

時間の捉え方によって10分の意味合いが大きく異なります。

ネガティブを強調した例

「90%の確率でダイエットが失敗します。」と「10%の確率で成功します。」

後者の方がポジティブですが、不安を煽るという意味では前者のほうが良さそうですね。

このように、ネガティブな要素を逆手に取ったマーケティング手法もあります。

安定かリスクか

「50%の確率で1万円もらえるギャンブル」と「10%の確率で5万円もらえるギャンブル」

あなたならどちらを選びますか?

期待値は同じです。前者を選んだ人は安定志向、後者を選んだ人はリスクテイカーといえます。

一般に、利益が出ているときは安定的な判断を、損失が出ているときはリスクの伴う判断をしがちです。

割引か還元か

「10%割引」と「10%ポイント還元」

どちらが嬉しいですか?

一般的には後者らしいのですが、私は圧倒的に前者です。

ポイント還元の場合はそのポイントを使わないといけません。私はあまり物を買わないのでポイントはだいたい失効してしまいます。

なのでポイントは要らないから安くして欲しいと感じます。

一方、ポイント還元の場合はお金が増える感覚を持ちますので、それに魅力を感じる人にとっては後者が嬉しいでしょう。

ポイント内で買えるものがある場合は良いかもしれませんが、「ついで買い」になっている可能性も考えられます。

3.アンカリング効果とフレーミング効果の違いと注意点

アンカリング効果は情報を提示する順番が重要視されます。

フレーミング効果は情報の提示方法が重要視されます。

どちらもその後の判断に影響が生じるので、マーケティングで使われがちの手法です。

一方で注意点があります。以下にいくつか列記します。

  • 効果を知っている人には通用しない。
  • 安い物に魅力を感じない人には通用しない。
  • 情報を比較する人や数値計算が得意な人には思惑がすぐにばれる。
  • 使っていることがばれると信用を失くす。

※詳しいデメリットはこちらでご確認ください。☛アンカリング効果のデメリット10選

ちなみに私は数字計算が強いし、比較検討もめちゃくちゃします。価格コムがお友達です。心理学もまぁ詳しいです。

でも、割引品によく釣られています……。

そんなもんです。認知バイアスは怖いですね。

今回はここまでです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました