アンカリング効果とプライミング効果の違いが知りたい!
具体例を知りたい!
その他、似ている心理効果は?
そんなあなたに向けた「アンカリング効果」と「プライミング効果」の違いに特化した記事です。
具体例を交えつつ2つの用語の意味、共通点や違いを解説していきます。
また、関連用語としてハロー効果やフレーミング効果も紹介しています。
それでは始めます。
✔本記事のテーマ
アンカリング効果とプライミング効果の違いとは?判断に影響を与える認知バイアス
✔本記事でわかること
【アンカリング効果とプライミング効果】用語の意味/具体例/違い/共通点/ハロー効果/フレーミング効果
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アンカリング効果とプライミング効果の比較
1.アンカリング効果とは?
アンカリング効果とは、人が判断するときに、最初に提示された情報に影響を受けてしまうことです。
船を水底と固定する器具を錨 (碇、いかり、アンカー、anchor)といいます。
船はアンカーに固定されて身動きがとれなくなります。
同じように、人間も何らかの情報がアンカーとなり、身動きが取れなくなってしまうことがあります。
偏見や先入観などの認知に関する歪みを、認知バイアスといいます。
アンカリング効果は、認知バイアスの一種です。
アンカリング効果の例
- 1万円の商品が3000円として売り出された場合、最初に提示された「1万円」という情報から商品を高額の物であると思い込む。これにより、後から提示された3000円が割安に感じる。
- 見積書に提示された金額は10万円だが、その上に20万円が二重線で消された痕跡があり、ディスカウントのアピールがされている。
- 10分遅刻する場合は30分遅刻すると伝えておくと、相手は20分早くついたと好意的に解釈をしてくれることがある。
このように、アンカリング効果は数字がアンカーとなる事例が多いです。
アンカリング効果に関連する実験も、最初に提示された数字によってその後の数値クイズの結果が左右されるというものや、1×2×3×・・・×8と8×7×6×…×1の計算結果の推定では、後者の方が大きく数値を見積もりがちといったように、数字に関連する実験が多いです。
2.プライミング効果とは?
プライミング効果とは、先行刺激(プライマー)が後の刺激(ターゲット)に影響を与える心理効果です。
何らかの情報がその後の行動に無意識的に影響を与える例で用いられることが多いです。
プライミング効果の例としてよく挙げられるのが、連想クイズや10回クイズです。
- 次の3つのキーワードを覚えてください。
- リンゴ、ブドウ、ミカン
- それでは「パイ●●」の●●に入る言葉は?
このように聞かれると、「パイナップル」を連想する人が多いのではないでしょうか。
私なら(パイ)生地と答えますね。●●は2文字ですから。
このクイズでは、最初のキーワードが果物に関連するものであったことから、次のクイズの回答も果物に関連するものだという判断を無意識的にしてしまったわけです。
プライミング効果の例
- 郵便ポストのカードを見せられた。その後、果物を一つあげてくださいと言われ、とっさにリンゴと答えた。無意識的に赤い物を連想した。
- CMで爽やかなモデルが清涼飲料水を笑顔で飲んでいた。このドリンクを飲めばきっと気分爽快になるだろうと思った。
- 仕事の帰り道にどこかの家からカレーの匂いが漂ってきた。その後、カレーが無性に食べたくなり、コンビニに立ち寄りカレー弁当を思わず買ってしまった。
プライミング効果には直接プライミングと間接プライミングがあります。
プライマーとターゲットに関連するキーワードが一致する場合は直接プライミング、そうでない場合は間接プライミングと考えるとわかりやすいです。
上の例だと、カレーのケースが直接プライミング、郵便ポストのケースが間接プライミングです。
3.アンカリング効果とプライミング効果の違い
アンカリング効果は数字に関する思い込みなどの例に使われることが多いです。
プライミング効果は情報同士の関連や連想の説明に使われることが多いです。
すごいざっくりと、アンカリング効果は数字に関して、プライミング効果はイメージに関しての心理効果であると説明する人もいます。
ただし、2つは全く異なるわけではなく共通する部分も多いです。
心理学者のカーネマンによると、アンカリング効果には数字の調整とプライミングの2つが関連するそうです。
数字の調整とは「これぐらいの金額が妥当だ」という判断などです。そこには無意識的な判断、つまりプライミングが働くことがあります。
例えばある200円のコーヒーがあったときに、安いと感じる人はスタバのコーヒーなどと比較しているし、高いと感じる人は缶コーヒーなどと比較しています。
もしこの200円のコーヒーを安いと判断した人がいた場合、スタバなどのコーヒーを連想して判断したと考えればプライミング効果が、そのスタバのコーヒーの金額から200円ぐらいは安いと判断したならばアンカリング効果が
働いているとも言えます。
このように、一つの事象に対して様々な言葉で説明できるのが心理学の用語の特徴です。どう捉えるかによって用いる言葉が変わってくるということです。
4.関連する心理用語
似たような意味合いを持つ認知バイアスに関する心理用語を紹介します。
①ハロー効果
ハロー効果とは、相手の特定の印象からその他の印象まで判断してしまうことです。
最初の印象が良ければその他の印象も良く感じ、最初の印象が悪ければその他の印象も悪く感じてしまいがちです。
初対面の相手が笑顔で接してくれたら優しい人と判断するし、無表情で接した場合は冷たい人と判断してしまうなどです。
笑顔は相手を騙すためのものかもしれませんし、無表情なのは直前に悲しい出来事があっただけかもしれません。
なので、笑顔だから優しいと判断することも、無表情だから冷たいと判断することも認知に歪みが生じています。
②フレーミング効果
フレーミング効果とは、内容が同じでもどこを強調して表現するかで相手の印象が変わってしまうことです。
この挑戦は99%の確率で成功する。
この挑戦は1%の確率で失敗する。
表現を変えると意味合いが随分と変わってきますね。
この挑戦に成功か失敗かしかないとするならば、どちらも同じことを言っています。
しかし、前者はポジティブな印象を受け、後者はネガティブな印象を受けます。
これは受け取り側の認知バイアスです。
このように、認知バイアスは日常でよく生じるからこそ、表現に工夫や注意が必要なのです。
同じ意味を持つ内容ならば相手にポジティブな印象を与える表現をしたいものです。
今回はここまでです。
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