【攻撃的な人】攻撃手がかりと敵意帰属バイアスとは?【怒りやすい人の特徴】

心理学の応用
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こまっ太郎
こまっ太郎

攻撃的な人や怒りやすい人に悩まされています。
特徴や対処法を知りたいです。
攻撃手がかり、敵意帰属バイアスってなに?

そんなあなたに向けた記事です。

怒りを感じたときに攻撃的な行動をとってしまう人がいます。煽り運転が典型ですね。

本記事では心理学の観点から、攻撃的な人、怒りやすい人の特徴を説明していきます。

その背景には、攻撃手がかり、敵意帰属バイアスといった心理現象があります。

背景を理解すれば、そういった迷惑な人への対処法が見えてくるはずです。

関連実験なども交えながらできる限り簡潔に心理現象を解説していきます。

5分あれば読めますので、ぜひ最後までお付き合いください。

✔本記事のテーマ

【攻撃的な人】攻撃手がかりと敵意帰属バイアスとは?【怒りやすい人の特徴】

✔本記事でわかること
  • バーコウィッツの攻撃手がかり説と敵意帰属バイアスとの関連性
    【攻撃手がかり/バーコウィッツの実験/攻撃行動への対策/怒りやすい人】

バーコウィッツの攻撃手がかり説と敵意帰属バイアスとの関連性

①攻撃手がかりとは?

怒りを感じたときに、攻撃行動をする人としない人の違いは何でしょうか。

攻撃行動は怒りによって引き起こされるのでしょうか。

しかし、怒った人が全員、攻撃行動をするわけではありません

1969年、心理学者レオナルド・バーコウィッツによって攻撃手がかりという概念が提唱されました。

攻撃手がかりとは、攻撃行動を引き起こすトリガーとなる要素を指します。

バーコウィッツは攻撃手がかり説を唱え、欲求不満や挑発があるとき、武器などの攻撃を連想させる手がかりがトリガーとなって攻撃行動が起こると主張しました。

例えば銃や刀は攻撃行動と密接に結びついたアイテムです。怒りの感情があるときにこれらのアイテムを見ると、怒りの解消方法として攻撃行動をとると考えられます。

攻撃手がかりの概念は、古典的条件付けの理論とも関連しています。古典的条件付けとは、ある刺激が別の刺激と結びつくことで反応が促進される学習の形式です。

攻撃手がかりも、特定の刺激が攻撃行動と結びつくことで攻撃反応が引き起こされるというメカニズムを示唆しています。

②バーコウィッツの実験

バーコウィッツは攻撃手がかり説を裏付けるために、次のような実験を行いました。

  • 被験者たちを、サクラによって怒らされたグループと、そうでない通常のグループの2つに分けた。
  • 被験者たちがサクラに対して電気ショックを与える機会を与えられた。
  • 銃の有無によってさらに3つのグループに分けた。
    A 電気ショックのボタンの近くに銃がある。その銃はサクラとは無関係の銃である。
    B 電気ショックのボタンの近くに銃がある。その銃はサクラの持ち物である。 
    C 電気ショックのボタンの近くに銃を置かない。

結果は以下のようになった。

  • 怒っているグループも通常のグループも、サクラに電気ショックを与えた回数が多い順に、B、A、Cとなった。

つまり、怒っている・怒っていないに関わらず、銃のあるグループの方が電気ショックを与える回数が多くなることが判明しました。

③攻撃行動への対策

ここまでの知見を踏まえて攻撃行動の抑止策を講じると、攻撃手がかりを与えないということです。

例えば暴力的なコンテンツへのアクセス制限や、攻撃を連想させるアイテムを身近に置かないなどです。

大切なことは、怒りの感情と攻撃行動を連想させるものとを結び付けないということです。

また、攻撃行動を連想させるコンテンツやアイテムがある環境では、怒りの感情が生じたときに攻撃行動が起きるリスクがあるということです。

例えば子供がいる場合、そのような環境を改善できるならば改善する。改善できないならば近寄らせないなどが重要です。

攻撃手がかりについての理解を深めることで、予防や対応策の選択にも役立つことでしょう。

最後に補足として、怒りやすい人の特徴を解説します。

④そもそも怒りやすい人の特徴は?

そもそも怒りやすい人は、敵意帰属バイアスが強い人です。

敵意帰属バイアスとは、「他人の言動が敵意や悪意から生じた」と解釈する認知の歪みのことを指します。

つまり、他人の言動を攻撃的なものと解釈し、自分自身を攻撃の対象だと認識するバイアスとも言えます。

敵意帰属バイアスが強い人は、褒められたことを皮肉と捉え、アドバイスを馬鹿にしていると捉え、質問を詰問と捉えるなどの傾向があります。

すれ違った時に肩が当たっただけでわざとぶつかったと捉え、目が合っただけで喧嘩を売られたと思うようなタイプの人です。

敵意帰属バイアスは、煽り運転をする人の心理としてよく用いられる社会心理学の用語です。

敵意帰属バイアスが強いほど犯罪をする傾向が高いという研究結果もあります。

皆様の周りにも、思い当たる人がいないでしょうか。

距離をとるようにしましょう。相手にするだけ時間の無駄な人と言えます。

なお、敵意帰属バイアスが強い人は、総じて自己肯定感が低い人です。

以下に参考記事を示しました。

また、この記事の続編として、いじめと攻撃性の関連を解説しています。そちらも合わせてご覧ください。

今回は以上です!

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