科学技術恐怖症とは?
科学技術恐怖症の出現の歴史は?
そんなあなたの疑問にお答えする3分で読めるショート記事です。
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【科学技術恐怖症】コンピューターやテクノロジーが怖い?時代の変化を恐れる人々
✓本記事でわかること
科学技術恐怖症とは/産業革命との関連/フランケンシュタインとの関連/ロボットとAIの発展がもたらした恐怖
1.科学技術恐怖症とは?
科学技術恐怖症(Technophobia)とは、技術やテクノロジーに対する恐怖や抵抗感を表す言葉です。これは、新しい技術やデジタル化された環境に対する不安や過度の懸念を含むことがあります。
科学技術恐怖症の原因は多岐にわたり、新しい技術や変化に対する不確実性、プライバシーの懸念、テクノロジーの乱用に対する不信感、デジタル依存からくるストレスなどが含まれることがあります。
人々が新しいテクノロジーを受け入れる際に、そのテクノロジーが彼らの生活や仕事にどのような影響を与えるかについて不安を感じることが一般的です。
また、科学技術恐怖症をコンピューター周辺の最新デバイスへの抵抗感を示す言葉として使う場合もあります。
専門的な知識がない場合、高度なIT化の流れに少なからず人は不安を覚えるものであり、大多数の人が科学技術恐怖症の側面を持っているといえます。
なお、「科学技術を不快に思う使用者」、「認知的コンピュータ恐怖症」、「 コンピューター不安恐怖症」の3つを科学技術恐怖症の下位分類として提示している実験心理学者(ラリー・ローゼン博士)がいるそうです。
以下、科学技術恐怖症(一部、機械恐怖症)と関連する事象について簡単に補足します。
2.産業革命との関連
産業革命は18世紀末から19世紀初めにかけて発展し、機械化と工業化の急速な進化をもたらしました。これにより、従来の職業や生活様式が変化し、労働者階級の生活条件や労働条件が厳しくなりました。この過程で、一部の人々は新しい機械や技術に対する不安と恐れを抱くようになりました。
その最たる例は、イギリスのラッダイト運動です。
ラッダイト運動は、19世紀初頭にイギリスで発生した産業革命に関連する労働運動の一つです。この運動は、産業革命に伴う機械化と工場の導入に反対し、特に織機などの機械技術が労働者の雇用を脅かすと感じた織工たちによって主導されました。
ラッダイト運動とは?
①名前の由来
ラッダイトという用語は、この運動の指導者やメンバーが機械を壊す行為を指しています。実際には、織機や他の機械を破壊する暴力行為がラッダイト運動の特徴とされています。
②背景
ラッダイト運動は、19世紀初頭、特に1811年から1816年にかけて発展しました。この時期、織工や紡績工場の労働者たちは、新しい機械が彼らの仕事を奪い、労働条件が悪化していると感じました。彼らは伝統的な職業を守ろうとし、機械導入に反対しました。
③暴力的な行動
ラッダイト運動のメンバーは、織機を破壊し、工場を襲撃するなどの暴力的な行動を取りました。これらの行為は、労働者の仕事を守るための手段として捉えられましたが、政府や工場オーナーからは非合法な行為として取り締まられました。
④鎮圧
イギリス政府はラッダイト運動を鎮圧し、機械破壊行為に関与した者たちを逮捕しました。多くのラッダイトが有罪判決を受け、処罰されました。
⑤運動の終焉
ラッダイト運動は時間とともに衰退し、産業革命の進行には抵抗できないことが明らかになりました。また、ラッダイトの暴力行為が多くの支持を失わせたことも要因の一つでした。
ラッダイト運動は、技術の進歩と労働者の権利との関係についての歴史的な事例として、産業革命時代の労働者の立場と機械化の影響についての議論の一部となっています。
3.フランケンシュタインとの関連
メアリ・シェリーの小説「フランケンシュタイン」(1818年)は、科学技術の進歩によって生み出された怪物の物語で、この物語は科学技術に対する不安や倫理的な問題を提起しました。小説は科学が未知の力をもたらす可能性に対する不安を反映しており、機械恐怖症の初期の表現の一つと見なされています。
4.ロボットとAIの発展の影響
20世紀に入り、ロボティクスと人工知能(AI)の分野が急速に進歩しました。特に、工場や産業における自動化の進化は、労働者の雇用に対する不安や人間の労働力の不要化に対する懸念を引き起こしました。これに伴い、機械恐怖症が再び注目されました。
科学技術恐怖症や機械恐怖症は、科学技術の進歩と社会への影響に対する懸念と不安が結びついて出現しました。これらの恐怖症は、科学技術の発展とその倫理的な側面に対する議論とともに、現代社会においても継続的なテーマとして存在しています。
さて、今回は科学技術恐怖症についてでした。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちらをご確認ください。
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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