汎恐怖症とは?
意味や具体例、克服法は?
そんなあなたのための3分で読めるショート記事です。さっそく始めます。
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【汎恐怖症】意味や具体例、全般性不安障害との関連の解説
✓本記事でわかること
汎恐怖症の意味、定義、読み方、由来/具体的事例/全般性不安障害との関連や克服法など
汎恐怖症の意味や具体例、全般性不安障害との関連
1.汎恐怖症の定義
汎恐怖症(Panphobia、パンフォビア)とは、日常のあらゆるものに不安や恐怖を覚える症状です。「はんきょうふしょう」と読みます。
フランスの哲学者であり心理学者であるテオデュール・アルマンド・リボーは、1911年の著書『感情の心理学』において汎恐怖症を以下のように定義しています。
「患者がすべてを恐れるか、何も恐れていない状態、不安が1つの対象に釘付けになるのではなく、夢のように浮遊し、状況に応じて1つの対象から別の対象へと移行し、一度に一瞬だけ固定される状態」
汎恐怖症の英訳はパンフォビアで、「パン」はギリシャのパン神に由来します。パン神は人間と動物の混血で、人間に憑依してパニック症状を引き起こすと考えられています。
2.汎恐怖症の事例
汎恐怖症は内容の理解が難しいので、2つの事例をもとに典型症状を解説します。
①事例1
日々、もやもやとした不安を抱えているが、それが何かよくわかっていない。
あるとき、悲劇的なニュースを聞いた。意識がそのニュースに集中することにより、漠然とした不安がすべてそのニュースに向かい、巨大な恐怖となって顕在化した。
しかし、翌日にはまた別の出来事に不安が移っていき、恐怖の対象が日々変化していく。
このように、汎恐怖症は不安の対象がコロコロ変わるという特徴を持ちます。
②事例2
他人が自分に敵意を向けているように感じることがある。
あるとき、電車に乗った。向かいの席の乗客と目が合ってしまったが、自分に怒っているのではないかと感じた。
次第に、車両の全員が敵に思えてきて具合が悪くなってしまった。
このように、日常の何気ない場面が不安の対象になることがあり、それが積もりに積もって恐怖にまで昇華していくのが汎恐怖症です。
3.全般性不安障害との関連
汎恐怖症は、医学的な正式な診断名ではありません。症状の特徴は、全般性不安障害と類似します。
全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder, GAD)は、制御できない強い不安が日常生活に影響を及ぼす、不安障害の一形態です。
この症状は理由がはっきりしない過度な不安に特徴づけられ、少なくとも6か月以上継続し、社会的、職業的、その他の面で不全を引き起こす場合に診断されます。
GADの患者は、日常的な不安感の他、集中力の低下、神経過敏、睡眠障害、疲労感、過剰な緊張、不安についての思考の反復などが症状として現れます。
GADは誰でも発症する可能性があり、米国では約680万人の成人が、欧州では人口の2%にGADの経験があるという調査結果があります。
また、男性よりも女性に2倍多く見られ、家族にGAD歴がある場合や、本人に薬物乱用歴がある場合に罹患する可能性が高まるとされています。
GADが発症すると慢性的な状態になりやすいと考えられていますが、適切な治療によって管理または完治することが可能です。
治療法には薬物療法、認知行動療法(CBT)、リラクセーション法、ストレス管理などが含まれます。
患者やその家族は、早期の診断と適切な治療を受けることで、症状の緩和や生活の向上が期待できます。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちら
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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