金属恐怖症とは?
金属恐怖症とスプーンとの関連は?
そんなあなたの疑問にお答えします。
まずが以下の写真をご覧ください。金属恐怖症の人が恐怖する物の一例です。
金属恐怖症とは、金属に対して過度な恐怖を抱く症状です。
金属に恐怖を抱くシチュエーションは人によって様々ですが、最も多いであろうスプーンに恐怖する状況をまずは解説します。
金属製のスプーンが苦手な人は、以下のような理由で恐怖します。
- スプーンが歯と当たった時の音が苦手
- 金属の味や匂い、舌触りが苦手
これらの理由から、音楽を聴きながら食事をすることを余儀なくされたり、金属のスプーンを使うこと自体を避けたりすることがあります。
本記事では、金属恐怖症の解説とともに、金属恐怖症の人が恐怖する対象や心理、原因や治療法について解説していきます。
✓恐怖症一覧
✓本記事のテーマ
【金属恐怖症】人はなぜスプーンやドアノブなどの金属が怖いのか?
✓本記事でわかること
金属恐怖症とは/恐怖の対象物/原因と治療法など
1.金属恐怖症とは?
金属恐怖症(metallophobia)とは、金属に対する不合理な恐怖を示す症状です。
一般的に、金や銀、銅、鉄などの金属は害を引き起こさないので、人々はそれらを怖がりません。
ただし、水銀などの重金属は非常に有毒です。それらの毒性は、臓器の損傷などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
人々は有毒な金属を取り扱うときに注意を払い、場合によってはそれらの金属を避けようとします。
しかし、金属恐怖症とは異なり、それらが危険な金属があったとしても、極度の不安に苦しむことはありません。
一方、金属恐怖症に苦しむ人々は、害の有り無しに関わらず、これらの金属を等しく恐れてしまうのです。
また、金属恐怖症の人は金属にさらされている時だけでなく、金属の事を考えるだけで症状が現れることがあります。
その症状は、発汗や心拍数の増加などの身体的症状の他、パニックや気絶にまで至ることもあります。
さらに、金属を避ける行動をとるために活動場所に制約が生じたり、日常生活に支障が生じたりすることがあります。
2.金属恐怖症の人が苦手とするもの
①金属にふれること
金属恐怖症の人は、金属のヒンヤリとしてツルツルとした触感を嫌悪します。
そのため、身近な金属であるスプーンやフォークなどの食器、ドアノブ、硬貨などに触ることを恐れます。
車も金属製なので、車に近づくことを避けることもあります。学校や仕事に行くために車やバスに乗車することを拒否するなどです。
また、金属に触れることによる静電気を恐れるケースもあります。この場合、静電気恐怖症が原因の可能性があります。
②金属の出す音
金属が出す「パーン」という音、金属同士がぶつかり合う「ガチャガチャ」という音が苦手な人がいます。
この場合、音(音響)恐怖症(Phonophobia)や音嫌悪症(Misophonia)の可能性があります。
③金属の色合いが苦手
例えば金の黄金色が苦手というように、特定の色恐怖症の場合です。黄金色が苦手な恐怖症を黄金恐怖症といいます。
3.金属恐怖症になる原因
①トラウマ
金属に嫌な思い出がある、金属製の物で大怪我をしたなど、金属が過去の恐怖体験を呼び起こすトリガーになるケースです。
②本能的・遺伝的要因
金属の色、音が本能的に苦手というものです。恐怖症ではしばしば、本能的・遺伝的要因が原因になります。
金属はそもそも自然下に無い物なので、異物である、毒物であるなどと考えてしまうのかもしれません。
③認知の歪み
金や銀などの安全な金属を恐怖する場合、認知の歪みが生じています。
このような認知の歪みは、しばしば恐怖症の原因となります。
例えば暗所恐怖症の人は暗闇から何かが出てきて襲われそう、暗闇に吸い込まれそうなどといった不合理な恐怖を感じます。
④金属アレルギー
金属アレルギーと金属恐怖症は同一の言葉ではありません。しかし、金属アレルギーの症状がひどい場合、金属が恐怖の対象になることがあります。
4.金属恐怖症の治療法
①暴露療法
恐怖症の治療として最も一般的なものです。
この治療法では、患者は一定期間に渡って恐怖の対象にさらされます。
治療を開始するために、セラピストは患者を最も刺激の少ないもの、例えば金属の写真にさらします。
この治療では、患者は実際の金属にさらされている状況を想像するように求められます。
患者が不安を感じることなく、治療のこのステップをクリアすると、今度は本物の金属にさらされます。
患者が治療の段階で様々な恐怖にさらされている間、セラピストは同時に対処法を教えます。
これらには、不安を軽減するための呼吸法や筋弛緩法などが含まれます。
このようにして金属による刺激を繰り返すことによって、金属に対する恐怖を鈍感にしていきます。
②認知行動療法(CBT)
金属恐怖症の人は、金属に対する不合理な恐怖を抱きます。
セラピストは、患者がこれらの不合理な考えをより合理的な考えに置き換えるのを助けます。
例えばある金属が害であると思い込んでいる患者に対し、安全であることを科学的に説明したり、好みの音楽を聞かせながら金属に触れさせることでネガティブな気持ちをポジティブなものに置き換えたりします。
さて、今回は金属恐怖症に関してでした。
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今回はここまでです。
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