魚恐怖症(Ichthyophobia)とは、魚に対して不合理な恐怖を抱く症状で、動物恐怖症の一種です。
魚恐怖症には、魚を見たり触ったりすることに対する恐怖の他、生食への恐怖、死んだ魚への恐怖など様々な形態があります。
本記事では関連する恐怖症も交えながら、魚に恐怖する心理を3分程度で読めるように解説していきます。
✓恐怖症一覧
✓本記事のテーマ
【魚恐怖症】魚が怖い!死んだ魚や魚の目、生食が怖い!
✓本記事でわかること
魚恐怖症の特徴と症状/魚恐怖症の原因/関連する恐怖症/魚恐怖症の克服
1.魚恐怖症の特徴と症状
魚恐怖症の特徴や症状には以下のようなものがあります。
- 魚に対して過度な不安や恐怖を抱く。
- 魚に直面すると身体症状(発汗、心拍数の増加、息切れ、動悸、パニック発作など)
- 魚を見ることができない。
- 魚を触ることができない。
- 魚のことを考えるだけで不快感が生じる。
- 死んだ魚が怖い。
- 魚の目が怖い。
- 魚を食べることができない。
- 特に生魚に不快感が生じる。
- 魚のにおいが苦手。
- 魚を腐ったものであると感じる。
- 魚を不潔に感じる。
- 魚の鱗が気持ち悪く感じる。
- 魚群が怖い。
2.魚恐怖症の原因
魚に対する何らかのトラウマが原因の可能性が考えられます。
魚を食べてお腹を壊した、サメを題材にした怖い映像を見た、幼少期に死んだ魚を見て恐怖を覚えたなど様々な原因が考えられます。
また、親が魚恐怖症の場合、その気質が子供に遺伝して魚恐怖症を発症することも考えられます。
その他、魚に対する誤った知識が原因になる場合もあります。
例えばサメ恐怖症の人の中には、サメは人に危害を加え、多数の死亡事故を巻き起こしていると考えてる場合があります。
しかし、サメが人を捕食したという報告はほとんどなく、メディアによって誇張されたサメの恐怖イメージが世間に浸透しています。
さらに、文化的要因も考えられます。歴史的にナバホ族は魚恐怖症であったと考えられています。
これは、水生動物に対する文化的または神話的な嫌悪感が原因であるとされています。
3.関連する恐怖症
魚恐怖症には、様々な恐怖症が関連していると考えられます。
①海洋恐怖症
海に対して恐怖を抱く海洋恐怖症の場合、魚が恐怖の対象になることがあります。
逆に、魚に対して恐怖を抱いている場合、魚の生息する海洋が恐怖の対象になることがあります。
②サメ恐怖症
特定の魚に対する恐怖症としてはサメ恐怖症が一般的です。
③不潔恐怖症
動物に対する恐怖はしばしば不潔恐怖症によってもたらされます。
魚を不潔に感じて触ることや食べることができない場合は、不潔恐怖症の可能性があります。
④新奇恐怖症
生魚を食べることができない場合は新奇恐怖症の中の食物新奇恐怖症の可能性があります。
食物新奇恐怖症は、キノコなどの独特なフォルムの食べ物や昆虫食など未知の要素が大きい食べ物などに恐怖する症状です。
⑤集合体恐怖症
魚の鱗に嫌悪感を抱く場合、集合体恐怖症の可能性があります。
集合体恐怖症はぶつぶつや小さな穴に恐怖する症状ですが、鱗のような小さな同じ形状の物の集合体に恐怖する場合もあります。
4.魚恐怖症の克服
動物に対する恐怖症の一般的な治療法は、曝露療法です。恐怖刺激を少しずつ強めていって慣れていくというものです。
最初はイラストなどを見るところから始め、映像、本物の魚へと観察の対象を実物に近づけていきます。
魚を触れない場合は魚のフィギュアやぬいぐるみなどを触るところから始めます。
このようにして恐怖の対象に自分をさらし、少しずつ耐えられるようにしていくのが曝露療法です。
魚に対して誤解がある場合は、認知行動療法が適用されます。
認知行動療法では、恐怖の対象物への思考を変えることで、恐怖症に対する反応を減らすことに焦点を当てます。
恐怖症はしばしば、偏見や先入観などの誤謬によって生み出されます。これらの誤謬を解消することで、恐怖症が一瞬で治ることもあります。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちらをご確認ください。
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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