階段恐怖症とは?
階段イップスとの違いは?
階段恐怖症を診断したい。
そんなあなたに向けた記事です。
階段恐怖症(bathmophobia)とは、階段や階段を昇降することに対して過度に恐怖する症状です。
階段に恐怖する心理として、階段イップスが原因の場合があります。
階段恐怖症と階段イップスは同義に語られることがありますが、厳密には異なります。
そこで本記事では、まずは階段イップスによる階段恐怖症の説明をします。階段の上りと下りで異なる症状が出ることがあるので、そのあたりも記します。
次に、階段そのものに恐怖するタイプの階段恐怖症を説明します。
このタイプは、階段に関するホラー映画を見て階段が怖くなってしまったなどの例があげられます。
階段をうまく昇降できないから階段が怖いという、階段イップスによる階段恐怖症とは分けて考える必要があるでしょう。
それでは始めます。
✓恐怖症一覧
1.階段イップスによる階段恐怖症
①階段イップス診断
以下の特徴が当てはまる場合、階段イップスの可能性があります。
階段イップスは後ほど詳しく解説しますが、ここでは階段をうまく昇降できない症状ぐらいに思ってください。
- 階段の境目がわからない。
- 階段を上るときによく蹴つまづく。
- 階段を下るときに踏み外しそうになる。
- 階段の上り下りが異常に遅い。
- 手すりを持たないと階段の上り下りができない。
- 階段で次にどちらの足を動かせばよいかわからなくなる。
- 階段を下るとき、足を上に向けて踏み出してしまう。
- 階段が混雑しているときに状況が悪化して動けなくなる。
- 高低差が大きい階段で症状が悪化する。
- 段数が多い階段で症状が悪化する。
- 止まったエスカレーターでうまく歩くことができない。
そして、これらが原因で以下のようになってしまうのが、階段イップスによる階段恐怖症です。
- 階段がとにかく怖い。
- できるだけ階段を避けて生活する。
- 階段を前にすると発汗や動悸などの身体的症状が現れる。
階段イップス診断の最後、「止まったエスカレーターでうまく歩くことができない」
これはみなさんも経験したことがあるのではないでしょうか。このように、イップスは誰でも起きる可能性がある症状であると言えます。
また、エスカレーターの例を考えれば、脳の誤作動によって身体動作に影響が出ていることを理解できるのではないでしょうか。
②階段イップスとは?
イップスとは、スポーツなどで行う身体動作に支障が出て、思い通りに体を動かせなくなる症状です。
繰り返し同じ動作を行う運動で生じやすいため、ゴルフや野球のピッチング、テニスなどでイップスが発症することが多いです。
例えばゴルフスイングが突然できなくなったり、ボールをうまく投げられなくなったりといった具合です。
また、スポーツ以外にも楽器が突然演奏できなくなる、美容師がはさみの使い方がわからなくなるなどの例もあります。
これらは、誤った動作が脳にインプットされてしまうことで起きます。
例えば歩いているとき、右足が前に出るとき同時に前に出ているのは左手です。このとき、左手ではなく右手が出てしまっている状態がイップスのイメージです。
試しに歩いてみて下さい。自然に、右足と左手が同時に前に出ていることに気づきます。
次に、足と同時に前に出すべき手が左右のどちらか考えながら歩いてみてください。強く意識しながら歩いてみてください。
すると不思議なことに、右足と右手が同時に前に出てしまうことがあるのです。
このように、脳が誤った情報処理をすることで起きてしまうことが、イップスです。
さて、階段イップスに話を戻します。
階段を降りるとき、ほとんどの人はスタスタと下っていくことができます。
しかし、階段イップスの人はそれができない場合があるのです。
特に多いのは、階段と階段のつなぎ目が歩いているうちによくわからなくなるといった症状です。
これにより、上るときは階段でつまづいたり、下るときは階段を踏み外したりしてしまうのです。
結果、手すりを頼りに階段を異常にゆっくりと上り下りするしかできなくなり、階段が混雑して早く動かなくてはいけない状況下になるとパニックに近い症状が現れてしまいます。
対処法として、「イチ、ニ、イチ、ニ……」とリズムを取りながら歩くことで改善する場合があります。
しかし、重度の階段イップスの場合、この程度の対処法では改善できません。
イップス専門のスポーツトレーナーや治療院が全国にいくつかありますので、自己判断せず専門家に頼るようにしましょう。
2.特定の恐怖症としての階段恐怖症
高い所が怖い、クモが怖い……このように、特定の対象物への恐怖症を、特定の恐怖症といいます。単一恐怖や限局性恐怖症ということもあります。
ここでは、階段イップス以外に起因する階段恐怖症を解説します。
まずは階段恐怖症診断です。当てはまるものはあるでしょうか。
- 転落が怖いから階段が怖い。
- 上層階の階段が怖い。
- 雑居ビルなどの狭い階段が怖い。
- 永遠に続きそうで階段が怖い。
- 階段は死や霊的なイメージが連想されるから怖い。
- 特定の階段の段数が怖い。
階段恐怖症は珍しいので、ほとんど当てはまらないはずです。
「転落が怖いから」というのは、幼少期はほとんどの人が当てはまるかもしれません。また、ご老人も当てはまるかもしれません。
上層階の階段が怖いというのは、高所恐怖症の人に当てはまりやすい特徴です。
雑居ビルなどのうす暗くて狭い階段が怖いという人は、暗所恐怖症や閉所恐怖症なのかもしれません。
特に長い階段や螺旋階段で、無限に階段が続きそうで怖いという場合は、無限恐怖症の可能性が高いです。
また、階段に死や霊的なイメージを持っている人がいます。天国や地獄への階段、死者の国に続く階段のイメージです。
さらに、強迫性障害の人に多いのですが、段数を数えてしまって特定の数字に恐怖する場合があります。
日本人だと「4」や「9」を、欧米人だと「6」や「13」を嫌悪する場合が多いのですが、国、そして人によって忌避する数字はまちまちです。
さて、今回は階段恐怖症に関してでした。
恐怖症にはいろいろなものがあります。気になる恐怖症があったらさらに調べてみてください。
今回はここまでです。
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