脇見恐怖症とは?
症状や特徴は?
原因や克服法は?
そんなあなたの疑問にお答えします。
たまたま誰かと目が合った。日常生活で起きる当たり前のこととして、多くの人は気にも留めません。
しかし、このような瞬間に恐怖するのが脇見恐怖症の人々です。
脇見恐怖症の人はなぜ、視線に対して恐怖するのか。
その心理を徹底的に解説していきます。
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【脇見恐怖症】視線が怖い!症状や特徴、原因、克服法の紹介
✓本記事でわかること
脇見恐怖症とは/脇見恐怖症の症状や特徴/脇見恐怖症の原因:トラウマ、認知バイアスとの関連/脇見恐怖症の克服
1.脇見恐怖症とは?
脇見恐怖症とは、自分の視線が相手に不快感を与えていないか過度に気にする症状です。
また、視界に入る他者の態度や言動が過剰に気になる場合もあります。
視線が怖い、目のやり場に困るなどの一般的な心理が、極端過ぎる状態になったと考えるとわかりやすいかもしれません。
脇見恐怖症では、隣の人にのみ恐怖の対象を限定する場合もあれば、視界に入るすべての人を恐怖の対象とする場合もあります。
このことからもわかるように、脇見恐怖症には正確な定義がありません。正式な医学や心理学の診断名ではなく、DSMなどのマニュアルにも記載はありません。
脇見恐怖症は、視線恐怖症の一種と考えられ、社交不安障害や対人恐怖症と診断される場合がほとんどです。
2.脇見恐怖症の症状や特徴は?
脇見恐怖症の症状や特徴には以下のようなものがあります。
脇見恐怖症の定義は正確ではないため、人によって挙げる特徴は異なると思います。
できる限り多くの定義に対する症状や特徴を示すために、様々なものを以下に挙げます。
- 自分の視線が相手に不快感を与えていると感じる。
- 他人と目が合うことが怖い。
- 他人と視線がこちらを向いているのではないかと恐怖する。
- 他人と目が合うことを悪いことであると考えてしまう。
- 周囲に人がいると落ち着かない。
- どこを見てよいのか困る。
- 人とすれ違う瞬間が怖い。
- 電車やカフェで、向かいの席に人がいると症状が現れる。
- サングラスや大きな眼鏡などで自分の視線を隠す。
- テストでカンニングを疑われないか心配する。
- 会議や授業中に話者の表情を過剰に気にする。
- 視線を気にするあまり、相手の行動をジロジロと見てしまう。
- 隣の人を横目でチラチラと見てしまう。
- 周囲の人のネガティブな言動を自分に向けられたものであると考える。
- 視線が合うことを恐れて目を閉じる、明後日の方向を向くなどの回避行動をすることがある。
- 視線を気にするあまり、息切れや動悸、パニック発作などの身体症状が現れる。
- 引きこもりをするなど、人と会うこと自体を避ける。
視線を恐れて下を向きがちになったりサングラスで目を覆ったりして、徹底的に相手と目が合うことを避ける人がいます。
一方、相手をジロジロ見てしまったり、チラチラ横目で相手の反応を見てしまったりする人もいます。
これは、以下のような心理が働いていると考えられます。
- 自分の視線や態度、言動が、相手に不快感を与えている可能性を恐れる。
- そのことを確認するために、相手の様子をうかがってしまう。
いずれにしても自分の視線や行動に対する相手の反応に恐怖している状態です。
また、社会生活において他者と目が合うことは当たり前に起きることですが、このことに対して罪悪感のようなものを覚えるのが特徴です。
3.脇見恐怖症の原因
脇見恐怖症の原因には以下のようなものがあります。
①トラウマ
相手と視線が合った時に嫌がられた、怒られたなど、不快な体験が脳裏に焼き付いて脇見恐怖症になる場合です。
「気持ち悪い」と不気味がられたり、「ジロジロ見るんじゃない」と怒られたり、舌打ちをされたりしたなどの体験が挙げられます。
②認知バイアス
認知バイアスとは、偏見や先入観、固定観念、誤解や思い込みなどの認知の歪みのことです。
脇見恐怖症は認知の歪みが生じている状態であるといえます。
相手と目が合ったとしても一瞬であれば、ほとんどの人は気にも留めません。
それにも関わらず、視線が合っただけで相手が不快に感じたという思い込みを抱くのは、認知の歪みが生じているといえます。
脇見恐怖症は、認知バイアスの一つである確証バイアスが関連しています。
確証バイアスとは、仮説や信念の検証のために、それを支持する情報ばかりを集めようとする傾向です。
逆に、仮説や信念の反証となる情報を排除してしまう傾向にあります。
例えば、電車で対面の人と目が合ってしまい、相手に不快感を与えたと感じているケースを考えます。そして、相手が直後に席を立ったとします。
このとき、自分が嫌で相手が席を立ったと考え、「自分の視線は人に不快感を与える」という信念を支持するように情報を集め、そしてネガティブに解釈します。
本当は偶然、降車駅が近づいただけかもしれませんが、そのように考えることを避け、ネガティブな考えのみを与えられた情報に結び付けようとしてしまいます。
4.脇見恐怖症の克服
一般的な恐怖症の治療方法として、薬物療法、曝露療法、認知行動療法などがあります。
脇見恐怖症は認知の歪みが関連している可能性が高いため、認知行動療法が向いています。
認知行動療法では、認知の歪みを解消し、視線に対する過度な思い込みの払拭を目指します。
また、少しずつ相手の視線に慣れていくために、曝露療法を組み合わせることも有効です。
曝露療法とは、恐怖刺激を段階的に与え、恐怖反応の軽減や消失を目指す治療法です。
脇見恐怖症においては、比較的緊張しない家族や友人などと視線を合わせることから始め、視線を合わせることによる恐怖に慣れていきます。
ただし、脇見恐怖症は社交不安や対人恐怖が関連しています。このタイプの恐怖症は、自己判断による治療は危険です。
治療が逆効果となり、さらに思い込みが激しくなることなども考えられます。
必ず専門家立ち合いのもとに治療を行うようにしてください。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちら
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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