揺れ恐怖症とは?
症状や特徴は?
原因や克服法は?
そんなあなたのための記事です。
揺れ恐怖症――それは、天井の照明、カーテンやブランコなど、揺れる物全般に恐怖する珍しい恐怖症です。
日常は揺れる物であふれているため、揺れに対しての恐怖は回避が非常に難しいものであるといえます。
筆者は恐怖症レベルではないものの、揺れる物に対して少しばかり嫌悪感を抱いています。
視界に揺れる物があることで、気が散るというのが理由です。
また、落ちてきそうだとか、頭にぶつかりそうだとか、不安になることもあります。
揺れ恐怖症が重症の人は、私程度の嫌悪や不安をはるかに超え、日常生活に支障をきたすレベルで揺れに対して恐怖してしまいます。
本記事では非常に珍しい揺れ恐怖症について、特徴や症状、揺れに恐怖する心理や原因、克服法について解説していきます。
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【揺れ恐怖症】揺れが怖い!症状や原因、克服法の紹介
✓本記事でわかること
揺れ恐怖症とは/恐怖の対象/強風恐怖症・地震恐怖症・爆音恐怖症・影恐怖症・海洋恐怖症・乗り物恐怖症との関連/揺れ恐怖症の症状、特徴、心理、原因/揺れ恐怖症の克服
1.揺れ恐怖症とは?
揺れ恐怖症 (Shaking phobia)とは、揺れに対して恐怖を抱く症状です。
揺れ恐怖症は正式な医学や心理学の用語ではなく、「揺れ」に対して恐怖を示す人々の一般的な心理を表したものです。
非常に珍しい恐怖症ですが、揺れ恐怖症の患者はパニック発作が現れることがあるなど、その症状は深刻です。
2.揺れ恐怖症の人が怖いもの
揺れ恐怖症の人の恐怖の対象には以下のようなものがあります。
- ぶら下がっている照明の揺れ
- カーテンの揺れ
- ブランコの揺れ
- 歩行者の腕に動き
- 水面の動き
- モビール
- 吊るされた洗濯物
- 電車やバス内のつり革
- スカートのひらひら
以上は恐怖の対象のほんの一例であり、日常にはかなりの数の揺れる物があります。
したがって、揺れ恐怖症は非常に生活密着度が高い恐怖症であるといえます。
揺れる物を避けたい場合は、自室であれば全ての物を固定する方法が考えられます。
しかし、一歩自室を出ると、日常には揺れる物があふれています。
せっかくお洒落なレストランに入っていても、天井に揺れる物がぶら下がっているだけで雰囲気は台無しに……
このようなことが頻繁に起こるため、揺れる物が存在する空間を避けるような生活を余儀なくされてしまいます。
また、揺れ恐怖症は珍しい症状であるため、周囲の理解が得られないことも考えられ、その事が揺れに対する恐怖の克服にマイナスの影響を及ぼします。
3.関連する恐怖症
揺れ恐怖症の人は、揺れが引き起こされやすい場所、自然現象などにも恐怖する可能性があります。
以下、関連が疑われる恐怖症です。
- 強風恐怖症:強風に対して恐怖を抱く症状。風によって物が揺れるため、揺れ恐怖症の人は風を嫌悪する傾向にある。
- 地震恐怖症:地震に恐怖する症状。揺れ恐怖症の人は、床が振動したり揺れたりすることを嫌う傾向にある。
- 爆音恐怖症:バイクの音、工事現場の音、ライブの爆音など、振動を伴うレベルの大きな音に恐怖する症状。爆音は地面や天井につり下げている物の揺れにつながる。
- 影恐怖症:影に恐怖する症状。揺れ恐怖症の人は影のゆらめきにすら恐怖することがあるという。
- 海洋恐怖症:多量の海水、広大な空、陸からの距離、海洋生物などに恐怖する症状。揺れ恐怖症の人の中で液面の揺れが怖いという場合は、波が生じる海も恐怖の対象となる。
- 乗り物恐怖症:乗り物全般に恐怖する症状。バスや電車の中にはつり革などの揺れるものがあり、また、車内全体が揺れるため、乗り物は恐怖の対象となる。
4.揺れ恐怖症の症状や特徴、心理
揺れ恐怖症の症状や特徴、心理には以下のようなものがあります。
- 揺れている物全般に恐怖や強い不安を覚える。
- 揺れに対して発汗、心拍数の増加、息切れ、動悸などの身体症状が生じる。
- ひとい場合は気絶、パニック発作などが生じる。
- 揺れる場所を避けて生活することを余儀なくされる。
- 揺れるものが視界に入ると物事に集中できなくなる。
- 揺れる物が落ちてきそう、ぶつかりそうであると考える。
- 揺れる物によって空間全体が揺れ動いているように感じる。
- 揺れるものによって天井などの壁が崩れ落ちる恐怖に怯える。
- 揺れるものに乗っているときは平気だが、外から揺れるものを見ると怖い。
- 不規則に揺れているものほど怖い。
- 揺れるものを見ると酔ってしまう。
5.揺れに恐怖する原因
揺れ恐怖症の原因には様々なものが考えられます。
①トラウマ
揺れる物が落ちてきた、揺れるものにぶつかって怪我をしたなど、揺れるものに対するトラウマが原因の可能性があります。
幼児期に見たモビールのおもちゃに恐怖をした可能性を推察していますが、これに関しては明確なエビデンスは見つかっていません。
その他、地震や台風などによる災害に起因するケースが考えられます。
②遺伝的要因
気質や行動特性の一部は親から引き継がれるため、親が揺れ恐怖症の場合は子供が揺れ恐怖症になるリスクが高まります。
また、親の揺れ恐怖症としてのネガティブな言動がきっかけとなり、子供が揺れ恐怖症を発症する可能性があります。
恐怖症の原因として、トラウマとともに遺伝的要因は一般的です。
③神経質・不安を感じやすい
神経質で不安を感じやすい人ほど、恐怖症や嫌悪症を発症しやすくなります。
このような人は、恐怖症や嫌悪症、その他の不安障害を同時に発症していることがあります。
ちなみに筆者は、音嫌悪症であり、その他、軽度の不潔恐怖症、毛髪恐怖症、集合体恐怖症を罹患しています。
猫嫌悪症でもありましたが、猫に触れているうちに嫌悪感は消滅しました。
その他の恐怖症は以下の記事からご確認いただけます。
6.揺れ恐怖症の克服
揺れ恐怖症の対処法としては、家具など固定できるものはすべて固定することが考えられます。
また、揺れにくい家具を選択するのもよいでしょう。
しかしこれは対処法に過ぎず、根本的な治療法とはいえません。
揺れ恐怖症の治療法として考えられるのは、曝露療法や認知行動療法で、どちらも恐怖症の治療法としては一般的なものです。
曝露療法では、恐怖刺激を段階的に与え、恐怖反応が軽減、消失するまでプロセスを繰り返します。
例えば天井照明の揺れが怖い場合は、小さな揺れを短時間見ることに慣れるところから始め、少しずつ揺れの大きなや揺れを観察する時間を増やしていきます。
ただし、この方法は適切な恐怖刺激のコントロールが必要であるため、自己判断による治療によって悪化するリスクがあります。そのため、専門家の立ち合いによる治療が望まれます。
認知行動療法では、不合理な思考やネガティブ過ぎる考えの解消を目指します。
揺れの大半は、実害を引き起こすことはありません。したがって、ほとんどの揺れは恐怖に値するものではないと考えられるようにしていきます。
こちらの方法についても、揺れ恐怖症について理解している専門家の治療が望まれます。
どうしても揺れ恐怖症の克服が難しい場合は、揺れに恐怖している自分自身を受け入れるようにします。
揺れに恐怖をしている自分がいたとしても何ら問題はありません。
人は大なり小なり嫌悪感や恐怖感を持っているものであり、揺れ恐怖症を罹患していたとしてもふつうのことであり、恥じることでは無いのです。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちら
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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