排尿恐怖症とは?
症状や特徴は?
原因や克服法は?
そんなあなたの疑問にお答えする3分で読めるショート記事です。
排尿時の他者の存在による強い不安や恐怖から生じる排尿恐怖症(Paruresis)は、1954年に初めて報告されました。
この症状は男性に頻繁に見られ、初期段階では小便器での排尿が難しくなります。
思春期の早い時点でのトラウマが主な原因とされ、放置すると症状が悪化し、社会的な制約が増える傾向があります。
治療は難しいものの、早期の段階での適切なアプローチにより、克服が可能です。
本記事では、排尿恐怖症の背景から治療法に至るまでを探ります。
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【排尿恐怖症】排尿が怖い!症状や特徴、原因や克服法の解説
✓本記事でわかること
排尿恐怖症とは/排尿恐怖症の症状と特徴/排尿恐怖症の原因/排尿恐怖症の克服
1.排尿恐怖症とは?
排尿恐怖症(Paruresis)は、排尿することに恐怖を抱く症状です。
尿自体や他人の排尿行為に対する嫌悪ではなく、他者への恐怖から排尿ができなくなる恐怖症です。
「Paruresis」という用語は、1954年のとある論文内で登場した造語で、その論文によると、調査した1419人の大学生のうちの14.4%が偶発的または継続的に排尿恐怖を経験していたとのことです。
排尿恐怖症は女性よりも男性に多く見られ、初期症状としては小便器での排尿(立小便)の困難が挙げられます。
彼らは個室での排尿を選択する傾向にありますが、症状が悪化すると個室での排尿も難しくなります。
中には排尿行為自体を避け、膀胱炎など身体に悪影響を及ぼしてしまうケースもあります。
外出を控える、旅行を控えるなど、社会生活に与える影響も大きい恐怖症でもあります。
なお、『精神障害の診断と統計マニュアル第5版』では、社交不安障害の一種として分類されています。
2.排尿恐怖症の特徴と症状
排尿恐怖症の特徴や症状として、以下のようなものが挙げられます。
- 排尿行為に対して強い不安が生じる。
- 排尿について考えると心拍数の増加、息切れ、動悸などの身体症状が現れる。
- 立った姿勢で排尿ができない。
- 隣に人がいると排尿できない。
- 隣や背後に人がいると排尿に時間がかかる。
- 周囲に人がいなくても、人が来ることを恐れて排尿ができない。
- 排尿音を聞かれたくない。
- 個室を好む。
- 個室でも排尿できない。
- 知らない人が周囲にいると排尿できない。
- むしろ知っている人が周囲にいる方が排尿できない。
- 排尿行為を長時間我慢してしまう。
- 旅行を回避、または制限する。
- 外出を極力控える。
- 職業選択に影響を与える。
症状は個々人によって異なりますが、社会生活に大きな影響を与える症状が多く、患者を苦しめます。
3.排尿恐怖症の原因
排尿恐怖症の原因として、生理的な原因が挙げられます。とある研究では、括約筋や膀胱頸部の締め付けによる不快感が排尿恐怖を引き起こしていると指摘されています。
合併症として、膀胱炎、頻尿、尿路感染症、血尿などが挙げられ、それらの症状がさらに排尿恐怖症を加速させる恐れがあります。
また、精神的な要因も関与していると考えられます。とりわけ、思春期初期でのトラウマが発症原因になることが多いとされています。
トラウマとしては、人前での失禁、尿検査での排尿の失敗、トイレでのいじめなどが挙げられます。
また、尿道膀胱造影(VCUG)と呼ばれる医療行為に伴う苦痛や羞恥が、排尿恐怖症の発症に強く関与していると考えられています。
4.排尿恐怖症の克服
排尿恐怖症の克服には精神的な側面の治療が効果的です。
認知行動療法などの心理療法が挙げられ、信頼できる人物との共同作業を通じて段階的に恐怖を克服していくアプローチがあります。
認知行動療法では、患者の精神的なアプローチを変え、公で尿をすることに対する恐怖を軽減させることが目指されます。
早期の治療が重要であり、年齢が若く、発症からの期間が短いほど排尿恐怖症を克服しやすくなるとされています。
症状の進行を抑制するためにも、積極的な治療が求められます。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちら
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