犬恐怖症とは?
犬の何が怖いの?
犬恐怖症の克服法は?
そんな疑問にお答えします。
犬恐怖症(Cynophobia)とは、犬に対して不合理な恐怖を抱く症状です。
犬はペットやキャラクターとしても人気の動物ですが、動物恐怖症の患者の30%強が犬や猫に恐怖を抱くといいます。
本記事では犬恐怖症について、症状や特徴、原因や克服法について解説します。
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✓本記事のテーマ
【犬恐怖症】犬が怖い!人が犬に恐怖する原因と克服法とは?
✓本記事でわかること
犬恐怖症の症状と特徴/犬恐怖症の原因/犬恐怖症の克服
1.犬恐怖症の症状と特徴
犬恐怖症の症状と特徴には、以下のようなものがあります。
- 犬に過度の不安や恐怖を抱く。
- 犬に直面すると身体症状(発汗、体温上昇、息切れ、動悸、パニック発作など)が生じる。
- 犬を見たり触ったりすることができない。
- 犬の事を考えるだけで不快感が生じる。
- 大きな犬ほど怖い。
- 犬の鳴き声や唸り声が怖い。
- 犬が牙をむく姿が怖い。
- 犬を不潔なものであると考える。
- 犬のよだれに不快感が生じる。
- 犬に舐められるのが嫌い。
- 犬に近づくと嚙まれそうで怖いと感じる。
- 犬を避けて生活する。
犬に対する諸症状に悩まされた結果、犬を避けて生活するようになります。
私は小さい頃、初めて触った犬にいきなり指を噛まれ、大量出血してしまいました。
そのときは小さかったので、指が食いちぎられたと思い、大泣きしたことを覚えています。
これにより犬が怖くなり、10代後半ごろまで犬を極力避けて生活していた記憶があります。
例えば、犬がいる家の前を避けて歩行する、犬を飼っている友人の家には行かないなどの行動を取っていました。
このように、動物恐怖症の人はその動物に対して回避行動を取ることが多くなります。
ひどい場合は、その動物への接触を恐れて引きこもりになり、外部との接触の一切を絶つケースもあります。
2.犬恐怖症の原因
犬恐怖症の原因には以下のようなものがあります。
①トラウマ
犬恐怖症の発症は、幼少期に犬に噛まれたなどのトラウマ体験が原因になっていることが多いようです。
その他、犬にびっくりして転倒して大怪我をした過去、犬を題材にしたホラー映画や小説の影響、犬の殺処分についてのメディア報道など、様々な原因が考えられます。
②遺伝的要因
親が犬恐怖症の場合、その気質が子供にも遺伝することがあります。
親と子供は心理的傾向が似ているため、親が特定の恐怖症の場合、子供も同じ恐怖症を罹患することは十分に考えられることです。
また、家族の犬嫌いなどの言動が子供に影響を与えることがります。
親が犬に対して否定的な場合、発言や行動も犬に対してネガティブなものが増え、その結果、子供の犬に対する恐怖が増長することがあります。
③本能的要因
赤ちゃんを用いた動物恐怖症の研究のいくつかで、赤ちゃんが初めて見た動物に恐怖を示すケースがあります。
ある動物が恐怖の対象となるという学習前に恐怖の反応を示すことから、本能的に人が動物に恐怖しているというように考えられることがあります。
遥か昔、人間がまだ野生下で生活していたころ、大型のイヌ科動物は脅威の存在でした。
そのため、人間がイヌ科動物を恐れるように条件付けられているという考えです。
④犬への誤解
動物への偏見や先入観などの誤謬が、動物恐怖症を引き起こすことがあります。
例えばサメ恐怖症はアメリカ人に多く、そのほとんどはサメを危険視するメディアの影響であると考えられています。
しかし、サメによる人の死亡事故はほとんど起きておらず、人が一生におけるサメに殺される確率はほとんどゼロに近いといっても過言ではありません。
同じように、犬は人を襲う危険な動物であるという信念や犬が不潔であるという信念など、犬に対する先入観や偏見によって犬恐怖症や犬嫌いが増長されることがあります。
人にとっては車の方がよっぽど死亡のリスクはありますし、普段使っているスマホの表面の方がよっぽど殺菌にまみれています。
そのような知識があってもなお、人は時として不合理な恐怖を抱いてしまうのです。
⑤不潔恐怖症
犬を嫌悪する人、犬に恐怖する人の中には、犬に舐められることを極端に恐れる人がいます。
犬は愛情表現として飼い主の顔をよく舐めますが、犬が不潔であるという信念を持っている人は、そのような犬の行動を嫌悪する場合があります。
汚れや病原菌を極端に恐れる不潔恐怖症の人は、犬に限らず動物全般を嫌悪する可能性があります。その嫌悪の対象は、人にまで発展する場合もしばしばです。
3.犬恐怖症の克服
動物恐怖症の治療方法として一般的であるのは、曝露療法です。
危険が及ばない範囲で対象となる動物に直面し、少しずつ慣れていくことを目指します。
犬を見ることもできないレベルの場合は、犬のイラスト、写真、映像、実際の犬へと、徐々に観察対象を実物へと近づけていきます。
犬を触ることができない場合は、犬のぬいぐるみに触ることから始めると良いでしょう。慣れてきたら、できるだけ大人しく人懐っこい犬に触れてみます。
少しずつ犬への愛着が湧いてきたら、犬恐怖症の克服まで後一歩です。
また、犬への誤解を解くことも重要です。犬に対して誤った認識を持っていないか、自身の恐怖が合理性や根拠に欠くものではないか、改めて考えることも重要です。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちらをご確認ください。
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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