放射線恐怖症とは?
放射線恐怖症の具体的事例は?
なぜ放射線に恐怖するようになったの?
そんなあなたの疑問にお答えします。
私たちは日常生活で、放射線を意識する瞬間はほとんどありません。
しかし、そんな放射線に怯えながら暮らし、様々な諸症状に悩まされている人がいます。
本記事では様々な事例をもとに「なぜ放射線に恐怖するに至ったのか?」を解説していきます。
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【放射線恐怖症】放射線が怖い!事例とともに放射線に恐怖する心理を解説!
✓本記事でわかること
放射線恐怖症とは/福島第一原子力発電所事故と放射線恐怖症/原子力発電反対派への揶揄/チェルノブイリ原発事故と放射線恐怖症/ゴジラ・黒澤映画と放射線恐怖症など
1.放射線恐怖症とは?
放射線恐怖症(Radiophobia)とは、放射線に恐怖する症状です。
恐怖症の多くは実害のほとんどないものに恐怖する不合理な場合が多いのですが、放射線には被爆のリスクがあり、必ずしも不合理な恐怖症とはいえません。
しかしながら、知識不足やメディアの影響による誤謬、幼少期の恐怖体験などが原因となり、必要以上に放射線に対して恐怖を抱く病的な状態が放射線恐怖症です。
福島第一原子力発電所事故後の世間の様子はまさに放射線恐怖症状態でした。福島県周辺地域に対する風評被害は過剰ともいえるものでした。
また、放射線恐怖症という用語は原子力の反対派を揶揄する言葉として用いられることもあります。「病的だから反対しているのだ」というレッテルを貼るためです。
このように、恐怖症という言葉を他者を非難する目的のために使用するケースが時折見られます。
例えば、ロシアに恐怖するルソフォビア(ロシア恐怖症のこと)という言葉を近年のプーチンは多用しています。特にドイツの反露活動を揶揄するためにルソフォビアという言葉をメディアに対して頻繁に発信しています。
2.チェルノブイリ原発事故と放射線恐怖症
放射線恐怖症という言葉を世間に広く知らしめたのは、チェルノブイリ原発事故です。
旧ソ連ではチェルノブイリ原発事故後、放射線被曝がほとんどない患者の多くが、低線量被曝に対して極度の不安を示しました。
彼らの多くは心身症を発症し、悲観的なアルコール依存症の増加も観察されました。
また、低線量被曝に対する心理的影響は、とりわけ避難民に対して甚大なものでした。
チェルノブイリ事故による避難民の平均寿命は65歳から58歳にまで低下しましたが、これは主にうつ病、アルコール依存症、自殺のためでした。
また、中絶が合法である周辺諸国の一部(デンマーク、ギリシャなど)では、中絶件数が増加し、また人工妊娠を望む人の比率も急増したとされています。
3.ゴジラや黒澤映画と放射線恐怖症
本多猪四郎監督の1954年の画期的な映画『ゴジラ』は、戦後の放射線恐怖症の強力なメタファーであると考えられています。
『ゴジラ』の冒頭シーンは、最初の閃光から放射線による火傷を負った生存者が発見されるまで、第五福龍丸の事件を彷彿とさせます。
過剰ともいえる特殊効果や演出は、放射線恐怖症による誤謬を顕著に表したものであるといえます。
また、黒澤明監督による1955年の映画『生きものの記録』では、一人の人間の放射能と核戦争に対する理不尽な恐怖が描かれています。
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さて、今回は放射線恐怖症についてでした。
一般的な恐怖症の治療法についてはこちら
その他の恐怖症は以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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