不潔恐怖症とは?
不潔恐怖症と潔癖症の違いは?
不潔症の症状や診断、治療法を知りたい!
そんなあなたのための記事です。
まずは不潔恐怖症は潔癖症と何が違うのかということですが、簡単に説明すると、重度の潔癖症が不潔恐怖症であると考えるとわかりやすいです。
その違いについては詳しく後述しますが、不潔なものが苦手で嫌悪するレベルが潔癖症で、恐怖の対象にまで発展するのが不潔恐怖症のおおまかなイメージです。
本記事では不潔恐怖症について、症状や診断、治療法などを解説していきます。それでは始めます。
※不潔恐怖症の関連本はこちら
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✓本記事のテーマ
【不潔恐怖症】潔癖症との違いは?症状と診断、治療法は?
✓本記事でわかること
不潔恐怖症とは/潔癖症との違い/不潔恐怖症の特徴・症状・診断・治療法など
1.不潔恐怖症とは?
不潔恐怖症(Mysophobia、ミソフォビア)とは、汚染と細菌に対して病的な恐怖を示す症状です。
不潔恐怖症は精神障害の一つで、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)として知られています。
これは、特定の不安や恐怖に対処するための強迫観念(obsessions)と、それに対する反復的な行動(compulsions)が特徴的な病態です。
1879年に、アメリカの軍医であるウィリアムA.ハモンドは、繰り返し手を洗うことで示される強迫性障害(OCD)の症例を説明するときに、この用語(Mysophobia)を最初につくったとされています。
2.潔癖症と不潔恐怖症の違い
潔癖症は一般的な表現であり、精神障害の診断ではありません。これは、不潔なものや場所に対する異常な嫌悪感や不快感を指す用語です。
潔癖症は、不潔恐怖症とは異なり、以下の点で異なります。
①臨床的診断の欠如
潔癖症は臨床的な診断ではなく、特定の診断基準が存在しません。つまり、単に不潔なものに対する過度な不快感を感じるだけで、不潔恐怖症とはみなされません。
②症状の程度
潔癖症の場合、不潔なものに対する恐怖や不快感が一般的な範囲内である場合がほとんどです。
例えば、多くの人は公共の場で手を洗うことを好むかもしれませんが、これが病的なレベルに達するわけではありません。
③一般的な使用
潔癖症という言葉は、一般的な会話や文脈で、不潔なものに対する過度な不快感を表現する際に使われることがあります。しかし、医学的な診断としての価値はありません。
要するに、不潔恐怖症は臨床的な診断であり、特定の症状と診断基準が存在し、治療が必要な場合があります。
一方、潔癖症は一般的な言葉であり、誰もが時折不潔なものに対する不快感を感じることがある一般的な感情であるといえます。
しかし、これが病的なレベルに達する場合、専門家の助けを求めることが重要です。
3.不潔恐怖症の特徴
不潔恐怖症の主な特徴は以下の通りです。
①強迫観念(Obsessions)
不潔恐怖症の患者は、バクテリアやウイルスの感染を恐れる、物品がひどく汚れていると感じるなど、特定の不安や恐怖を引き起こす強迫観念を持ちます。
②強迫行動(Compulsions)
不潔恐怖症の患者は、強迫観念から逃れるために反復的な行動や儀式的な行為を行います。
例えば、手を何度も洗う、特定の物品をこまめに消毒する、特定のルーティンを厳格に守るなどです。
③過度な不安と苦痛
不潔恐怖症の患者は、強迫観念と強迫行動によって過度な不安と苦痛を経験します。また、これらの行動が生活に支障をきたすことがあります。
④日常生活への影響
不潔恐怖症は、日常生活に重大な影響を及ぼすことがあります。例えば、手洗いや清潔維持のために多くの時間を費やし、社会的、職業的な活動に制約を受けることがあります。
4.不潔恐怖症の診断と症状
不潔恐怖症の人は、以下のような異常な行動を示すことがあります。
- 過度の手洗い
- 公共スペースを避ける
- 他人との身体的接触を避ける
- ドアノブや手すりなど人が触れるものを恐れる
- 掃除と消毒に専念するために過度の努力をする
- 毎日、数回シャワーを浴びる
- 異常な長時間の入浴
- 初めて触れるものを異常に恐れる
上記の異常な行動に加えて、以下のような身体的症状が現れる場合があります。
- 脳に霧がかかったような状態(頭がぼーっとする、集中できないなど)
- 頻繁に泣く
- イライラしたり興奮したりする
- 立ちくらみがする
- 心拍数の増加や発汗
- 血圧の低下、あるいは急激な上昇
- 動揺や過度の不安
- パニック症状
- 失神
5.不潔恐怖症の治療法
不潔恐怖症の人は、他人が触れた物に恐怖します。
例えば人が触れたドアノブに自分が触れると、手が細菌に感染し身体に異常をきたしてしまうなどと考えてしまいます。
しかし、ドアノブに触れたからといって手がかぶれる、手に湿疹が生じるなどの症状が現れることはまずありません。
恐怖症ではしばしば、起こりもしないことを予期して過剰な不安を抱くことがあります。
このような思考プロセスにおける歪みを制御するために、認知行動療法(CBT)が治療法として採用されることがあります。
また、恐怖の対象に患者を繰り返しさらすことで慣れさせるという曝露療法も、恐怖症の治療法としては一般的です。
その他、不安を軽減するための薬物治療も選択肢に入りますが、恐怖症の治療は専門家に相談の上、進めるようにしてください。
恐怖症の治療として誤ったアプローチをしてしまうと、かえって病状が悪化してしまうからです。
治療法に関してはこちら
その他の恐怖症については、以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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