【薬物恐怖症】薬が怖い人の心理とは?薬を毒物であると考える人たち

恐怖症
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知りたガリお

薬物恐怖症とは?
なぜただのお薬が怖いの?

そんなあなたの疑問にお答えします。

本記事では薬物恐怖症について、毒物恐怖症疾病恐怖症との関連や、薬に恐怖する原因について解説します。

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【薬物恐怖症】薬が怖い人の心理とは?薬を毒物であると考える人たち

✓本記事でわかること

薬物恐怖症と毒物恐怖症の関連/薬物恐怖症の原因/親の影響や疾病恐怖症との関連など

1.薬物恐怖症と毒物恐怖症

薬物恐怖症(Pharmacophobia)とは、薬物に対して恐怖を抱く症状です。

薬物と聞くと危険ドラッグを想像するかもしれませんが、薬物恐怖症における薬物は、病院や薬局で処方されるようなお薬のことを指します。

薬を嫌う人は身近にもいるのではないでしょうか。何となく不健全なイメージや、化学物質を体内に入れていると考えての嫌悪感を抱く人を、私も何人か見てきました。

薬物恐怖症の人に共通の心理は、薬を毒のようにとらえ、薬による副作用を過剰に心配するということです。

これらは、毒物恐怖症の人の心理と共通します。毒物恐怖症の人は、身近にある物に毒が入っていることを過剰に恐れます。

例えば洗剤に劇薬が入っていないか、食事に体に害のある毒物が入っていないかなどです。手に触れるもの、口に入れるもの全般に恐怖するため、薬にも毒が入っていると考えることがあるようです。

そう考えると、薬物恐怖症と毒物恐怖症は似た症状があり、両方の恐怖症を同時に発症している人も多そうです。

例えば虫恐怖症の人の中に、特定の虫(チョウやハチ)に毒があると恐れて恐怖するケースがあり、このように、毒物恐怖症は複数の恐怖症の要因になっていることが少なくありません。

2.薬物恐怖症の原因

薬物恐怖症になる原因は様々です。以下、考えられる原因をいくつかあげていきます。

①副作用の経験

恐怖症の原因で多いのは、過去の恐怖体験がトリガーとなっているケースです。

薬物恐怖症においては、過去に強烈な副作用を体験したという場合が多いようです。

私の親族にも薬物恐怖症と思われる人物が過去にいたのですが、その人物は癌治療における抗癌剤の副作用が相当な恐怖だったようです。

以降、一部の薬物の投与を拒絶し、癌による自然死を選択したとのことでした。

このように、薬の摂取による副作用によって薬物恐怖症になることがあるのですが、意外に多いのは睡眠薬や抗鬱剤を摂取したことがある場合です。

薬物使用の恐怖は、精神薬物からの不快な離脱症状を経験した人々にも一般的に見られるとされています。

これも私の知り合いの話なのですが、重度の睡眠障害のようで、日常的に抗不安薬を飲んでいるそうです。

その人が言うには、抗不安薬の効き目が切れる瞬間がとても怖いらしく、薬を摂取しているという行為自体が恐怖の対象になっているとのことでした。

②親の懸念

薬物恐怖症は、子供に薬を与えることに懸念を抱く親にも見られます。

親自身は薬を摂取することに恐怖を感じませんが、子供に薬を与えることには恐怖を感じるケースもあります。

なお、親の懸念が原因で子供の好き嫌いに影響が生じることは論じるまでもないでしょう。

例えば、食に対する好き嫌いは親が与える食事内容に影響を受けます。

恐怖症の中に、食物新奇恐怖症というものがあります。食物新奇恐怖症は、特定の食べ物に対して強い拒絶反応が現れる症状です。

親が子供に与える食品に対して食物新奇恐怖症の反応が生じる場合、子供が口にする食品の幅が限定されていきます。

このように、子供が摂取するものに対して親が過剰に反応するという点においては、薬物恐怖症と食物新奇恐怖症では共通しているといえます。

③病院への不信

薬物恐怖症は病院への不信感が原因で生じるケースもあります。適切な薬を処方されているか信じられないと考えるようです。

他人から与えられるものに毒が盛られているのではないかと考えるのは、先述の毒物恐怖症と共通の心理です。

なお、病院で処方される一般的な薬に対しては拒絶反応を示すものの、漢方は積極的に摂取するという人もいます。

このあたり、西洋医学へのアンチテージが原因となって薬物恐怖症につながっているケースもあるのではないかと考えています。

④疾病恐怖症との関連

疾病恐怖症とは、特定の病気に対して過剰に不安を覚える症状です。

疾病恐怖症には、癌恐怖症エイズ恐怖症精神病恐怖症心臓恐怖症などがあります。

疾病恐怖症の特徴の患者は、常に特定の病気になっていないか、あるいはなるのではないかと不安になります。

また、些細な体調変化をすべて特定の病気の兆候ととらえる傾向にあります。

例えば腹痛が生じただけで大腸癌なのではないかなどと考えてしまいます。

このあたり、薬物恐怖症の人の病気に対する捉え方と似ている部分があります。

例えば薬物恐怖症の人が、風邪をひいて鼻水が止まらないため風邪薬を飲んだとします。

ちょうど風邪薬を飲んだ直後に、風邪の別の症状(頭痛など)が生じた場合、その症状をすべて薬の副作用が原因であると考えてしまうことがあります。

このように、体調変化を薬の副作用であると無理矢理結び付けて考えることがあるのです。

その他、疾病恐怖症の人は医師の診断を信じないことがあるので、この点も薬物恐怖症と似たような心理が働いていると考えられます。

さて、今回は薬物恐怖症についてでした。

薬物恐怖症の改善の一つの方法として、副作用が出ないことを確認しながら少量ずつ患者に薬を与えていくという方法をとることが一般的とのことです。典型的な曝露療法です。

その他、認知行動療法も恐怖症の治療法として一般的です。一般的な恐怖症の治療法はこちら

その他の恐怖症については以下の記事からご確認ください。

今回はここまでです。

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