心臓恐怖症とは?
心臓神経症との違いは?
そんなあなたのための記事です。
本記事では疾病恐怖症の一つである心臓恐怖症について、混同されがちな心臓神経症との比較とともに解説していきます。
✓恐怖症一覧
✓本記事のテーマ
心臓恐怖症(心臓病恐怖症)/心臓神経症(神経循環無力症・ダコスタ症候群)
✓本記事でわかること
心臓恐怖症とは/心臓神経症とは/心臓恐怖症と心臓神経症の違い
✓疾病恐怖症のまとめ
心臓恐怖症と心臓神経症
1.心臓恐怖症とは?
心臓恐怖症、あるいは心臓病恐怖症(Cardiophobia)とは、心臓に対して異常な恐怖や不安を抱く症状で、疾病恐怖症の一つです。
疾病恐怖症とは、自身の健康について常に不安を抱く症状で、心臓恐怖症の他、癌恐怖症、エイズ恐怖症、精神病恐怖症などがあります。
心臓恐怖症は医学的な疾患ではなく、一般的には精神的な状態や心理的な症状を指す非公式な用語です。
心臓恐怖症の症状は、心臓に対する過度の不安、心臓の異常を過大評価すること、自身の心臓が異常に早くまたは不規則に鼓動していると感じること、心臓発作や心臓疾患への過度の不安、痛みや圧迫感を感じること、心臓に異常な注意を払うことなどが含まれます。
また、心臓の疾患を恐れて何度も検査を行ってしまうことがあります。仮に医師に「問題無し」と診断されても、その結果を疑い、再び心臓の検査を繰り返してしまいます。
逆に、心臓の疾患の発覚を恐れて検査を意図的に避けるという人もいます。これらは、その他の疾病恐怖症と共通する反応です。
心臓恐怖症は、不安障害や恐怖症の一種として分類され、個人の日常生活に影響を及ぼすことがあります。心臓の異常に対する過度な不安が続く場合、専門家である精神保健カウンセラーや心療内科医に相談することが推奨されます。
2.心臓神経症とは?
心臓神経症、または非症候性心臓神経症(Non-Cardiac Chest Pain, NCCP)とは、心臓の異常や疾患がないにもかかわらず、胸部痛や不快感を経験する症状を指します。この症状には、胸部の圧迫感、痛み、窒息感、動悸、息切れなどを含むことがあります。
※心臓神経症は、神経循環無力症、機能性心血管疾患、過敏性心臓、ダ・コスタ症候群など様々な別名で呼ばれることがある。
心臓神経症の症状はしばしば不安やストレスに関連しており、心の状態や精神的な健康と密接に関連していると考えられています。実際の心臓の問題がないにもかかわらず、胸部痛などの症状を強く感じることがあり、これは精神的な要因に起因するものとされています。
心臓神経症の治療には、まず医師による評価が含まれ、他の潜在的な健康問題が除外されることが重要です。つまり、心臓に疾患がある病気と切り離して考えることが重要ということです。
その後、精神的な要因を取り扱うために、心理療法やストレス管理技術などのアプローチが使用されることがあります。不安やストレスの緩和、適切なストレス管理、リラクゼーション法の学習、認知行動療法などは、心臓神経症の症状の軽減に役立ちます。
3.心臓恐怖症と心臓神経症の違い
心臓恐怖症と心臓神経症は、いずれも心臓に関連する症状や不安を含む精神的な状態ですが、いくつかの違いがあります。
改めて双方の症状の特徴を簡単にまとめます。
①心臓恐怖症
- 心臓恐怖症は、個人が心臓に対する異常な不安や恐れを持つ状態を指します。
- 心臓に関連する症状や不安が中心で、個人は心臓の異常を過大評価することがあります。
- 心臓恐怖症は、実際には心臓に疾患がないにもかかわらず、心臓の異常を恐れ、これに対処しようとする傾向があります。
②心臓神経症
- 心臓神経症は、胸部痛や不快感を経験するが、これは実際の心臓の異常には関連していない状態を指し、個人は胸部痛が心臓の問題によるものだと誤解することがあります。
- 心臓神経症の症状は、不安やストレスに起因することが多く、精神的な要因に関連しています。実際の心臓の問題がないにもかかわらず、個人は痛みを感じることがあります。
簡単に違いを説明すると、心臓神経症は胸部の痛みがあるにも関わらず心臓には問題が無い症状です。
一方、心臓恐怖症はその要素の他、胸部の痛みがなくても心臓の問題に結びつけることがあります。
例えば、息切れがしただけで心臓が悪いのではないか、不整脈になっているのではないかと恐怖することがあります。
心臓恐怖症の一部の要素は心臓神経症の症状と重なるため、心臓恐怖症を心臓神経症が混同される場合があるのは事実です。
さて、今回は心臓恐怖症についてでした。あわせて心臓神経症との違いについても解説しました。
心臓恐怖症の対処法として、納得いくまで徹底的な検査を行うことや、認知の歪みをとる行動認知療法などが有効です。
また、セルフコンパッション、マインドフルネス瞑想、自己効力感の向上など心身の状態を改善する様々な試みを取り入れてみるのもよいでしょう。
一般的な恐怖症の治療法はこちら
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その他の恐怖症については以下の記事からご確認ください。
今回はここまでです。
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