断捨離依存症とは?
症状や原因、治し方などを知りたい。
そんなあなたのための記事です。
断捨離ブームがコロナ以降、再燃しているといいます。
しかしそんなブームの裏で、断捨離依存症に苦しむ人がいるそうです。
今回は断捨離依存症について、症状や原因となる心理傾向、治し方などどのヒントをできる限りくわしく説明していきます。
✔本記事のテーマ
【断捨離依存症とは?】症状や原因、治し方のヒントをくわしく解説
✔本記事でわかること
【断捨離依存症を理解する】断捨離依存症とは/症状/心理傾向/なりやすい人/治し方のヒント
✔ベストセラーの断捨離本
断捨離依存症を正しく理解する
1.断捨離依存症とは?
断捨離依存症とは、断捨離に依存した状態のことです。
断捨離とは、新たに物を手にすることを「断」ち、所有している物を「捨」て、物への執着から「離」れるという、ヨガの思想です。
依存症とは、ある物質や行動に強い依存性や中毒性を持つ状態で、依存症には物質的依存とプロセス的依存の2つのタイプに分類されます。
物質的依存:薬物やアルコールなどの物質に対する依存症のこと。物質の使用をやめると不快感などの身体的症状が生じ、再び物質を摂取することで快感や安心感を得ようとする。
プロセス的依存:特定の行動や活動に対する依存症の事。特定の行動に没頭し過ぎて生活のバランスが崩れ、心理的な問題や人間関係の問題を引き起こすことがある。ギャンブル、過食、インターネット、ゲーム、消費行動に対する依存症がこれに当たる。
断捨離依存症とは、断捨離に対するプロセス的依存が生じ、断捨離の中で特に物を「断つ」と「捨てる」という行動を過度に行ってしまったり、執着から「離れる」という目的にむしろ執着してしまうという状態のことであるといえます。
2.断捨離依存症の症状
- 何か捨てなければという強迫観念がある。
断捨離依存症を語る上で「強迫観念」というキーワードは外せないでしょう。
捨てるという行為、物の量、綺麗な空間などに過剰なこだわりを見せ、物を捨てていないと落ち着かない状態になってしまいます。
- 捨てる物を常に探してしまう。
- 箱ごと、袋ごと、中身を見ずに捨ててしまう。
強い強迫観念により、常に物を捨てていないと気持ちが落ち着かなくなってきます。
気づいたら目の前の物を全部ゴミ袋に放り込んでいた。そんなこともあるそうです。
- 物を捨てる行為が快感になっている。
物を捨てる行為に快感を覚えるようになると危険です。多幸感をもたらす何らかの脳内物質が出ているからです。
その脳内物質によって快感が得られるわけですが、やがて耐性ができてしまいます。
すると、さらなる刺激を求めて捨てるという行為にひた走ってしまうのです。
- 物を捨てる行為がストレス解消目的になっている。
ストレス解消が断捨離の目的になっているケースがあります。
捨てることで一時的にストレスが解消されますが、長くは続きません。
捨てる瞬間のみストレスから解放されるからです。
すると、さらにストレスを解消するために物を捨てる行為を加速させていきます。
- 家族の物を勝手に捨ててしまう。
- 家族の物が増えることが許せない。
- 家族に物を捨てることを強要する。
- 他人の家にいくとつい物の量をチェックしてしまう。
- 他人に断捨離を過剰に薦める。
- 物を持っている人を見下す。
断捨離依存症になると、他人の考えにまで口を出してしまうようになります。
断捨離という行為にがんじがらめになってしまっている状態です。
自分は自分、他人は他人という考えができていません。
まさに他人の人生を生きている状態といえます。
このような状態になっている場合は「禅」の合理的な思想がおすすめです。以下の記事を参考にしてみてください。
- 贈り物を迷惑に感じる。
- ポストに投函された手紙やチラシにイラつく。
断捨離依存症になると、贈り物を迷惑に感じることがあります。
使わない物に対して「要らない」と考えるのは自然なことです。
断捨離依存症がふつうでないのは、物の必要性以前に「物が増えた」という事実に心が揺れ動いてしまうのです。
当然、ポストに届いたチラシなどの類にもいら立ちを覚えます。
その場で処分すれば良いだけなのですが、それでは収まらないのが断捨離依存症の人間なのです。
- 必要な物まで捨ててしまう。
捨ててはいけないとされる物には以下のような物があります。
- 重要書類
- 二度と手に入らない物
- 思い出の品
- 季節品
- 防災グッズ
- 他人の物
- 生活する上での必需品
重要書類を捨ててしまうと、役所などの手続きのときに困ることがあります。
再発行できるものであれば処分しても構わないかのしれませんが、契約書など再発行が難しいものは捨てるのを避けた方が無難です。
しかし、重要で捨ててはいけないとわかりつつも、捨てずにはいられないのが断捨離依存症なのです。
二度と手に入らない物の典型は卒業アルバム、形見の品などです。
思い出の品は捨ててはいけない物であるとされがちですが、断捨離を正しく理解していれば処分してしまっても構わないというのが筆者の見解です。
「大切な思い出として記憶に保存されている」という思考ができているならば、物として残しておく必要はないと考えます。
しかし、捨てることで後悔が伴うケースが問題なのです。
断捨離をすることで鬱になる人が一定数います。断捨離によって後悔や喪失感が生じるケースがほとんどです。
くわしくは以下の記事をご覧ください。
他人の物を勝手に捨てるのもよくありません。刑法第261条により「器物損壊罪」として処罰の対象です。
犯罪だから良くないという以前に、他人の人生に介入することが問題です。
また、生活に必要な物まで捨ててしまうケースもあります。
例えば食料品です。しかし、物を捨てたいという気持ちが勝り、冷蔵庫の中身をごっそり全部捨ててしまうような破壊行動をとってしまう人がいるようです。
このような断捨離依存症の人間の行動を、一種の自傷行為であると例える人もいるぐらいです。
3.断捨離依存症の心理傾向
- 物が多い状態を「悪」、物が少ない状態を「善」という二元論的な考えをする。
- 物が増えてきたときに捨てられない自分を責めるようになる。
- 物を持っていること自体が辛く、必要な物すら買うことができなくなる。
- 人生が好転しないのは物を捨てないからだと思うようになる。
断捨離依存症の人には物が多い状態を「悪」と考える傾向にあります。
物が多い状態を「悪」と考える程度ならばまだ救いがあるのですが、物がある状態を「悪」と考えるに至ると厄介です。
なぜなら、物を所有していること自体が「悪」になってしまうからです。信じられないと思いますが、ここまで考えが及んでしまうのが断捨離依存症の人間なのです。
果ては、物が一つでも増えると自分を責めるようになり、必要な物を買うことにさえ罪悪感を覚えてしまうようになります。
人生が好転しないのは物を捨てないからだと思うようになり、捨てる物を求めて部屋を徘徊するようになってしまいます。
4.断捨離依存症になりやすい人
- 潔癖症
- 完璧主義者
これは何となく理解しやすいと思います。断捨離を進めると部屋の物は確実に減っていきますから、空間を清潔に保つことが容易になります。
- 元汚部屋住人
反動で断捨離依存症になるケースです。ゴミ屋敷の住人は、何らかの心理的要因が防波堤となり、ゴミを捨てられないことがあります。
その要因が取り除かれた瞬間、ダムが決壊するがごとくゴミを捨てまくるという行動に転じることがあるそうです。
- 家族に依存症の人がいる
ここからは依存症全般に当てはまるケースです。
家族に依存症がいる場合、その姿を見て育っているわけですから、人格形成に大なり小なり影響を受けていることでしょう。
また、依存症は遺伝的要因と関連があるケースもあります。
- 精神的に病んでいる
- 感情のコントロールが苦手な人
- 衝動的な人
- リスクを好む人
精神的に病んでいる場合、何らかの行動を心の拠り所にすることはよくあることです。
また、感情のコントロールが苦手で衝動的な人ほど、依存物質や行動を一時的な逃避手段とする傾向があります。
さらに、リスクを好む人は依存しやすい傾向にあると一般的にはいわれています。
5.断捨離依存症にならないために
- 断捨離の意味を正しく理解する。
まずは断捨離の意味を正しく理解することです。
「断つ」ことや「捨てる」ことが目的ではありません。最終的には執着から「離れる」ことが目的であることを理解しましょう。
断捨離そのものに執着しては本末転倒もいいところでしょう。
また、断捨離においては「何を捨てるか」より、「何を残すのか」を意識してみてください。
さらに、断捨離のリスクを知っておきましょう。リスクを語らずに断捨離を推奨する人が多数いるので注意してください。
- 自己肯定感を上げる。
また、自己肯定感が高い状態で始めることをおすすめします。
鬱など精神的に病んでいる状態で始めるのはあまりおすすめしません。
以下、自己肯定感に関する記事がすべて確認できます。全面的に自己肯定感を推しているわけではなく、自己肯定感ブームへの否定的な意見など幅広く記事にしています。よろしければそちらもご覧ください。
今回はここまでです。
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